26話 もう終わり?!
「ユカリ、お前の魔術師人形の魔法で大砲みたいに壁をぶち抜けないか?」
閃いた!と言った顔でシオンが言う。
「マーくん、できる?」
ユカリの膝の上にいる魔術師人形は親指を上げグッ!とウインクしてみせると、数メートル先に巨大な火炎球を作り出した。
魔術師人形が
何やら叫び杖を振り下ろすと、巨大な火炎球は物凄いスピードで壁を溶かし、道を作りながら奥へと消えて行った。
「あ、何体かの魔物が消滅しました・・・」
ソーマは少し引いた様子でワタルに報告する。
「サッサと宝箱を回収して回ろうぜ」
何でもないと言う風にシオンが急かす。
「じゃあ、案内よろしくね。ソーマ」
「あ、はい」
始めの迷路は宝箱の宝石や武器、防具などを回収しながら余裕の攻略。
次の迷路は何もない異空間に鉄壁の円形の迷路だった。
中心に転送装置があるようだ。
「じゃあマーくんまた・・・」
バシュッ!と剣士人形が手を上げる。
俺もやれる!と言う様な顔をしている。
剣士人形は両手の指を合わせると何かを叫ぶと、迷路の上空に黄色く光を放つ十字の剣が幾本も現れた。
そして雨の様に迷路へと降り注いだ。
「あ・・・。今全ての魔物が死にました」
「じゃあ、宝箱とドロップ品を回収しようか」
ワタルはオープンカーのアクセルを踏む。
(本当にやる事ないな僕・・・)
ソーマはこれでいいのかな?と思った。
次の階は狭い空間にドアが三つ、その前に立て札があった。
『我の声を聞け』
「我の声を聞け?」
「決まったルートを行かなきゃ永遠に閉じ込められる、?」
シオンが情報を読む。
『青い扉を開き右手側8個目の扉に入り黄色の階段を降り左から七番目の・・・』
「何だ急に」
「静かに!」
ワタルが口に人差し指を立てシオンに静かにする様に注意する。
『右から三番目の小窓を抜け上から二番目の穴から鍵を取れ』
「・・・・」
「分かったか?」
シオンがワタルとソーマに尋ねる。
「すみません。覚えられませんでした・・・」
「マップはどうなってるんだ?」
シオンが眼鏡を額に上げてソーマに聞く。
「それが、?になってます」
「大丈夫だよ。録音してるから」
「「ろくおん?」」
ワタルはスマホの録音を再生する。
『青い扉を開き右手側8個目の扉に入り黄色の階段を降り左から七番目の・・・』
「おお!さっきの声がスマホの中から聞こえる!」
ソーマが不思議そうにスマホを眺める。
『何だ急に』
『静かに!』
「う、こう聞くと俺の声って変な感じだな・・・」
シオンが苦い顔をする。
「あるあるだね。じゃあすすもうか!」
ユカリがふん!と鼻を鳴らす。
「はははははっ。そうだね。行こうか!」
「えっと、青い扉から入って8個目の・・・」
録音を頼りに道を進み、扉の鍵を獲得!
ワタルは鉄扉の錠前に鍵を差し込み、右に捻る。
三人で重い扉を開けると眩しい光が差し込む。
ザワザワと騒がしい。
「く、黒の人形使いだ!」
「まだ一時間も経ってないのにもう攻略したのか!」
「黒の人形使いは魔王封印の鍵を集めていると聞いたぞ、大丈夫なのか?!」
冒険者達はあまりにも早い攻略に戸惑っている。
「え?!もうでぐち!」
「らすぼすは?!」
「ユカリつまんなーい!」
入り口に戻っていた。
ドドドドドドドドッ!
「あわっ!何、地震?!」
地面に倒れ込むワタル達。
突然日が遮られ、視線を上に上げると、さっきまで眠り込んでいたタイタンが上体を起こして膝をついている。
両手を結び、ワタル達目掛けて振り下ろされる。
瞬時に魔術師人形が両手を振り上げ、バリアを張る。
ズガアアアンッ!!
あまりの重さにバリアが歪み、砂地が抉れる。
「うっ、ぐ!」
四人は縮こまって圧に耐える。
腕に自信がある冒険者はそれぞれ技を喰らわせるがすり抜けてしまい届かない。
タイタンはワタル達だけを狙い定めている。
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