25話 砂漠のダンジョン解禁!
獣王国は、「危険は己で見極めるべし!」とダンジョンに調査団を派遣しなかった。
公開されたダンジョンは、砂漠のど真ん中の岩場にあるようだ。
ワタル達は注文商品の梱包・発送に忙しいハルを置いて南にあるグリンバル獣王国へと向かった。
「ネコさん、イヌさん、ウサギさんがいっぱい!」
飛行機から見下ろす街には水場が多く、街の獣人達が暑さを凌いでいる。
「僕、砂漠って水が貴重だからあまり使わないんだと思ってたよ」
ワタルが運転席から下を覗き見る。
「確か、獣王国は海水を浄水して使う国だと聞きました。海水淡水化というらしいです」
助手席のソーマが顎に指を乗せ、思い出すように言う。
「どうでもいいけど暑いな。女神の加護で耐性ついたはずなのにどうなってんだ!」
シオンがUVパーカーの袖でパタパタと仰ぎながら叫ぶ。
「耐性がついたってだけで強くなった訳じゃないないんじゃない?」
ワタルがだるそうに言う。
住宅街を抜け、砂漠地帯に入る。
太陽がジリジリと四人の肌を焼いていく。
「あった!たぶんアレだ」
ワタルが指を差した方向には岩場を中心にしてテントがいくつも並んでいる。
ダンジョンの入り口は三箇所あるようだ。
地面に開いている大穴と奥の三角岩の二つの入り口。
出張ギルドが三箇所に別れて入場料を取っている。
「・・・。あれ、ダンジョンじゃねぇな」
「岩の魔物のタイタンだ。今は寝てるが起きたら大暴れだぜ?アイツ短気だから」
シオンが鑑定で情報を読む。
「でもマップではあの岩場を指してますよ?」
ソーマが不思議そうにスマホと岩場を見比べる。
「まさか、タイタンの背中の下にあるわけじゃないよね?」
「・・・・」
「マーくん、タイタンおこさないようにどかして」
魔術師人形はコクリと頷くと、杖を掲げて何やら唱え出した。
突然岩場が隆起し、ザアアアッと砂が流れ落ちていく。
人々は突然の事に驚き、悲鳴を上げながら逃げ惑う。
そうして岩で出来た大きなライオンの頭が口を開けて立っていた。
「アレが本物のダンジョンみたいだぜ。でも一度入ったら攻略するまで出られないってよ。どうする?」
「やめ「入る!」」
「はぁ・・・。行こうか」
ワタルは溜息をつきながらアクセルを踏む。
バクッ!とライオンの口が閉じ、ザザアアアと砂に潜ってしまった。
冒険者達は何が起こったか分からない顔をして呆然としている。
中に入ると視界いっぱいに広がる大きな壁だった。
壁の向こうからはおぞましい唸り声や叫び、激しい衝突音が聞こえる。
「マップで見ると、ここは大迷路みたいです。あらゆる所に魔物マークがありますよ・・・」
「・・・・」
やっぱり止めとけば良かったと思うワタルだった。
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