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11話 街を作るぞ!

「あの国貰っちまおうぜ。今残っているのは王様一家と亡骸だけだ。亡骸は慰霊碑でも作って遺体は燃やし切るしかねぇ。王様一家は、俺達の国第1号の精神病患者だな」


 頭の後ろで手を組み笑うシオン。


「ダメだよ面倒くさい。アレに手を出しちゃダメ」

「アレス王が生きている以上はまだアレス公国だからね。革命ならまだしも、国の乗っ取りは大罪だよ。」

 

 腕でバツを作り、制止するハル。


「誰にもバレやしないだろ。どの国だって我関せずで無関心じゃないか」

「まったくの無関心てわけじゃないよ。どの国だって世界の中心を狙っているからね」

「僕もちょっと面倒くさいな・・・」

「ユカリもういきたくない」

「なんだよ、俺達王様になれるんだぜ!面白ぇじゃん!」


 身を乗り出して叫ぶシオン。


「遺体の山しかない国の王様になって何が楽しいのかなぁ?」

両手を肩まであげて頭を振るハル

「そんな王様なりたくないな」

「遊びくらいいいじゃねぇか!」


 腕を組み不貞腐れるシオン。


「遊びならおもちゃで我慢しなさい」

「この家の周りをおもちゃの家で飾るくらいならいいんじゃないかな」

「おもちゃのいえでまちをつくるの?やりたい!」

「おにいちゃん。ユカリこうえんつくる!」

「チッ、おもちゃなんてガキくせぇ」


 ハルはノートを一枚切り剥がすと、横向きにしてテーブルの真ん中に置いた。


「まずは僕たちの家、この紙のどこに置く?」

「真ん中だろ。この家を中心に四つに区画を分ければいい」


 左手に頬を乗せ、チラ見しながら答えるシオン。


「なんか晒されてるみたいで嫌だな」


 苦笑いしてミルクを飲むワタル。


「ふふ、そうだね。真ん中は花壇とかシンボル的な物を置くのがいいかな」

「ふん!」

「ユカリ、おようふくやさんとかおきたい」


「シンボルを中心にして、シオンが言ったように四つの区画に分けて、その上の少し離れた所に家を置こうか」


 ハルがまとめる。

 この日は寝る直前まで話し合い、建築は翌日に行う事にした。




 翌日の朝、朝食を食べ終わると早速四人は建築に取り掛かった。


 ワタル達の家を正面に、左上を1区、左下を2区として、飲食店に服屋、ユカリの図書館にハルのアトリエ、シオンの簡易訓練場など6畳平屋建ての家を4軒づつ、計8軒置いた。


 真ん中には丸型の花壇。ベンチを一つ置いた。


 右上は3区として野菜などを育てるワタルの畑を、右下は4区として木の枝にブランコを付けて、目の前に砂場を置いた小さな公園にした。


 それらをワタル達の家を含めて丸太の柵で囲った。


 街は夕方近くになって完成した。


「んわー!まちができたー!」


 つま先立ちになり、両腕をいっぱいに広げて喜ぶユカリ。


 その後ろで三人が土の付いた手を払いながら「はぁ~」と一息ついた。


 お店や畑の前ではユカリと同程度の大きさの動物型の人形達が、4人に向かって手を振っている。


「街も完成したし、そろそろ夕ご飯の用意しなきゃ」

「汗クセぇ。俺は風呂に入りてぇな」


 自分のシャツの臭いに顔をしかめるシオン。


 ワタル達はワイワイ話しながら中に入って行った。




 その日の夜、みんなでカレーを食べているとドアをノックする音が聞こえた。


「はーい!どちら様でしょうか?」


 ワタルがドアに向かって叫ぶ。


「〜〜〜〜〜〜」


 返事は無い。


 ハルが席を立ち、ドアを開ける。


 一瞬、驚いた様な顔をしたと思ったらこちらを振り向き、


「少し出てくるね〜」


 と言い、ドアを閉めて出かけてしまった。


 顔を見合わせるワタルとシオン。


 そっとドアを開けて覗いて見れば、カミーユ王子がハルと何やら言い合いをしている。


 カミーユの後ろには、国王夫妻が疲れた表情で佇んでいる。


 国王がボソボソと何かを呟くと、カミーユは舌打ちをして去っていった。


 国王夫妻はハルに何かを言って頭を下げた後、カミーユの後を歩いて行った。


「あ、あの暴君夫妻がハルに頭を下げたぞ!」

「あ、ハルが戻ってくる!」


 急いで席に戻る2人。


「はぁ~、道に迷った冒険者だった〜。道案内て苦手なんだよね〜」


「ふ〜ん」


「ご馳走様でした。僕はアトリエで研究の続きをしているからね。ごゆっくり〜」


 ハルは手をひらひら振ってアトリエに向かった。


「アイツら何しに来たんだろうな?」

「さあ・・・」


 う〜ん、と唸る二人を見てユカリも「う〜ん」と唸ってみたが分からなかった。

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