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オタク、プレミア化する商品の条件を知る。

美少女フィギュアへの愛と知識だけは誰にも負けない。


それが都立商業高校一年生男子のボク。


そんなボクがスカウトされたのは副業を検証・実践するサイドジョブこと副業部だった。


セドリの基本、メリットとデメリットを覚えたボク。次はプレミア化する商品の基本を学ぶことになる。


とにかく行けよ。行けばわかるさの第五話。


見てください!!

「さあ、いくでガンス!」

「ふんがーっ」

「いいかげんにしなさいよ」


古きをもって新しきを知る。オリジナルと萌えアニメの両方を知っている女子高生三人の本当の年齢はいくつなのだろう。


「女性の年齢を詮索するのは失礼だぞ、後輩」


(同じ高校生なんだから隠さなくても年齢バレてますよ、パイセン)


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


ここはとある都立商業高校の副業部。


副業ことサイドジョブを検証し実践する部活の新入部員のボク。


なんのとりえもないけれど、美少女フィギュアに関する知識なら誰にも負けない自信がある。


その知識を買われて部長にスカウトされたわけだが、世の中にはボクの知らないことはまだまだ多い。


「そもそもプレミアの基本とはなんだ」

「数が少ないことっす!」

「人気商品ね」

「みんなが欲しがることでしょうか」


部長のパイセンが問いかけ、元気印のオナチューが即答。合法ロリの上級生さん、そしてボクと続く。


うむ、どれも間違っていないな。皆の回答をうんうんと満足気にうなずくパイセン。


「だが断る!!」

また突然にぶっ込んできたぞ。このひとは。


「すまんすまん、つい嬉しくて感情が暴走した」

(感情が暴走するとジョジョネタがでるのはヤバイですね☆)


「ああ、クッコロ可愛いよな」

またボクの心を読んだパイセンが少しズレた返しをする。それだと攻撃の当たらないクルセイダーだから。


でもまあ、女騎士はあってるのかな。


「プレミアとは品薄と見つけたり!!」

武士道ですね、わかりません。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


プレミア化する商品。定価以上で高額転売される商品の特徴がホワイトボードに並ぶ。


今回もゴシック体を完璧に再現できるパイセンによるものだ。


・人気商品

・数が少ない

・そのため入手困難


「まるでガソプラっすね」

オナチューが人気のロボットアニメ「ガソダス」のプラモデルの愛称を口にする。なおソであって間違ってもンではない。


ガソプラは生産数が少なく、予約開始しても多くのファンが予約できなくて難民になる。そしてコノザマではすぐにプレミア価格で転売されていた。


「ジオソ脅威のメカニズム!!」

ほんとやめてくださいパイセン。いろいろギリギリです。


「そう考えると美少女フィギュアはプレミア化する商品とは程遠いな」

(やはり気づいたのか。さすがパイセンだ)


「ええ、美少女フィギュアのほとんどが受注生産なんです。だから人気商品ほど大量生産されます」

「それなのに総生産数はメーカーにしかわからない」

「二カ月ほどで予約は締め切られて、コノザマで転売屋によってプレミア価格で空売り(からうり)される」

「それをいいことに悪質なアフィリエイターがプレミア化しています!とやるわけだ」


ちなみに空売り(からうり)とは株式用語で、手元にない株券を売買する投資手法のひとつ。


なおガソプラは予約で数を集めてからすべて作る受注生産ではない。はじめから生産数を決め、これしか作らないから皆で奪い合えという減数生産をとっている。


話を美少女フィギュアの空売りに戻そう。


転売屋は美少女フィギュアをどこかで予約しておく。予約期間が過ぎコノザマで予約できなくなってから、コノザマ上で定価以上で売る。


予約できず、どうしても欲しい人は仕方なく転売屋から買ってしまう。予約転売とも呼ばれているが、人の足元を見る売り方だと思う。


「再販も怖いな」

「はい。美少女フィギュアは売れると再販。再生産をすることがあります。そして再販も受注生産がほとんどです」

「そりゃ樹海にもなるな」


樹海。樹海化とは進む方向がわからなくなること。迷ってしまうことを指すらしい。


セドリならばライバルと出品が多すぎて売れず、どうしたらいいかわからなくなる例えになる。


決して神樹様が発する警報ではない。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 


「あのインフルエンサーさん。フィギュアの予約開始当日から予約をフォロワーにお勧めしてますけれど」

「バカな。受注生産だぞ」

「さっすがニワカハメっすねー」


ボクが美少女フィギュアの情報源としていたインフルエンサー、キングスロードさんのヒヨッターのタイムラインを見た三人が驚く。


それはそうだ。数が少ないからこそ商品はプレミア化する。受注生産の予約を推すことはプレミア化に反する行為でしかない。


しかも予約開始当日から。そんな商品がプレミア化するだろうか。する確率は高くないと感じた。


「いいか後輩。キミにもアフィリエイトをやってもらう。しかし決して彼らのようにはなるな」

「もろちん。いえ、もちろんですパイセン。反面教師にさせてもらいますよ」


さあ、明日からボクもアフィリエイターの仲間入りだ。


「シニア、エヴァーに乗れ」


やだよ父さん!!


はい異世界シニアです。何も考えずテキトーにつけたニックネームでしたが、同じニックネームの人がいなくて助かりました。


早くも第五話。アルバイトみたいに誰かに雇われずに稼ぐ副業の代表格でもある「せどり」に続いてアフィリエイトに話は進みます。


取り扱う商品は美少女フィギュアですが、せどりもアフィリエイトも基本は同じです。


小説の中のプレミア化する商品の基本をよく覚えて、あなたも売れる商品を手にしてください。


次回はオタク、アフィリエイトの設計図をつくる。


次回もサービス、サービスう!!



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