表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/41

百合YOBAIトライアングル

東海道新幹線ひかり号が東京駅にするすると到着する。


いつのまにか疲れて眠ってしまった。隣に座っていたこよりちゃんはどうしているだろう。


「う・・・ん」


左肩に軽い重みを感じる。頬にさらりと誰かの髪が触れた。目を開けるとわたしの大好きな男の子の顔が近くにあった。


「!!」


一気に覚醒する。わたしは百合ゆり。人気ティーン向けファッション雑誌"ポップティーン"の読者モデルをしている中学三年生。


今日は早朝から静岡県静岡市清水区で開催されたフジヤマ・コスプレ・フェスティバル会場でモデルの仕事をしてきた。隣の同じ読者モデルのこよりちゃんと。


撮影自体はお昼までに終了した。けれどイベントにはこよりちゃんの愛するお兄ちゃんが飲食店の手伝いで参加していた。


お兄ちゃん大好きっ子のこよりちゃんがそのまま帰るわけがない。仕方なくわたしも残ることにした。


偶然、会場でウェイトレスの臨時アルバイトをすることになった。そのおかげで日当二万円と帰りの新幹線代をゲットできたのは嬉しかったけれど。


ドキドキ


まだ慣れない。隣の美少女(にしか見えない子)が小学校の同級生で、むかし結婚を誓いあった男の子ということに。


「こよりちゃん、東京駅についたよ」

「う・・・」

「もう、起きないとチューしちゃうからね」

「うう・・・ん」


これはキスしてもバレないよね。してもいいよね。するしかないよね。


「いただきます」


周囲を見回し彼の唇に唇を重ねる。今日は二度も彼とキスができた。


なんて最高の一日だろう。

「百合ちゃん、もう遅いから泊まっていきなさい」

「おうちにはあたしから電話しておくから」

「ほんとごめんねぇ。バカ息子たちに付きあわせて」

「いいんですか。ありがとうございます!!」


今日はなんてツイてるんだろう。帰りが遅くなったため、こよりちゃんのお母様がおうちに泊めてくれることになった。


お母様はわたしがこよりちゃんを好きなことを知っている。もうご両親公認の仲なのだ。


もしかして今夜、キス以上の進展があるかもしれない。


どうどう・・落ちつけ百合。ステイステイ。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「百合ちゃん、ボクさきにお風呂に入っていい?」

「もちろん、お先にどうぞ」

「ありがとう!!お母さん、ごちそうさま!!」


少し遅い夕食をごちそうになる。なぜか食事中、こよりちゃんが落ち着かない。ソワソワしていた。


まるで恋する少女が好きな彼をいまかいまかと待っているみたいだ。まあ、まんまこよりちゃんを待っているときのわたしなんだけどさ。


そんなにお風呂に入りたかったのかしら。確かに汗はかいたけれど。ふとお母様をみると苦々しい顔をしてお茶をすする。


「百合ちゃんがいる日くらい我慢すればいいのに。まったくあの子は」

「もしかして、お兄ちゃんですか」

「そうよ。中学生にもなって」

「!!」


理解した。完全に理解した。先に帰宅した兄がお風呂に入っているから彼はソワソワしていたのだ。


わたしというホンモノがいるというのに。嫉妬心がメラメラと燃え上がる。燃え上がれガソダス。


「お母様。なにかあったら突入しても」

「遠慮なくやっちゃって。水ぶっかけてもいいわよ」

「ありがとうございます」


でも、水をぶっかけるのは野良犬が外でアレしてるときよね。まさか兄弟が自宅のお風呂で繋がるなんてことはないわよ・・ね。


そうだったら、ぶっかけてやる。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「なに考えるんですか。この鬼畜眼鏡!」

「いくら弟がかわいいからって、やっていいことと悪いことがあります!」

「いいわよー百合ちゃん。もっと言ってやってー」


危なかった。完全にこの兄弟はベーコンレタスを地で行っている。このままではドッキングもカウントダウン間近かもしれない。


まだお風呂で見たこよりちゃんのマグナム44が目に焼きついている。あんなのが入るの。無理よ百合。いや、いまはそんな妄想してる場合じゃない。


それから小一時間、お母様とコルトパイソンな鬼畜眼鏡の説教をした。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


寝る時間になった。


さすがに兄弟を女の子と同室にするわけにはいかない。なにか事故があってからでは遅いのだ。


鬼畜眼鏡の部屋にわたしが。こよりちゃんの部屋に兄弟が寝ることになった。


いや、それがいちばん事故率が高いんですけど!!


「悪いねえ。うちも人様の嫁入り前の子になにかあったら責任とれないから」

「変な物音や声が聞こえたら突入していいからね」

「わかりました。ぶっかけてやります」


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


深夜二時。眠れない。隣の部屋は静かだ。どうやら兄弟して疲れて眠ってしまったらしい。


「あーあ、こよりちゃん夜這いにでも来てくれないかなあ」


明日は振り替え休日で学校もお休み。彼と朝まで愛しあうこともできるのに。でも彼はマグナムよ。頑張るわ百合。


モンモンとしているとカチャリと音がしてドアが静かに開いた。


(こよりちゃん、来てくれた!)


彼は静かにわたしの横に体を滑り込ませる。なんて積極的なのかしらこよりちゃん。百合はもう完全にウェルカムよ。


けれど五分ほど待てど暮らせど彼は何もしてこない。耳を澄ますとスースーと寝息をたてはじめた。


(え?添い寝だけ??)


添い寝でも十分に嬉しい。けれど前日の彼との二回のキスが百合を高ぶらせていた。


「こよりちゃん。何もしないの」

「何もしないのならわたしがしちゃうよ」

「するよ。しちゃうからね」


スースー


何に遠慮がいるものか。えい!


ちゅ


唇と唇を軽くあわせるだけのフレンチキス。いまの百合にはこれが精一杯だった。


ぬるり


(え)


とつぜん彼の舌が百合の口内に侵入してきた。そして三分ほど彼女の口内は彼の舌に蹂躙されまくった。


くた・・・


呆然とする。これが大人のキス。ディープキスというんだっけ。凄すぎて体に力が入んない。わたし、こよりちゃんに大人の階段を登らされちゃったよぅ。でも幸せ。


そのとき彼が寝言を口にした。


「パイセン。大人のキスは激しすぎます・・」


(やらかした!!)


ここは鬼畜眼鏡の部屋。彼はきっとトイレにでも起きたのだろう。そして寝ぼけてそのまま自分の部屋に帰ってきたのだ。わたしの存在を忘れて。


百合はすぐに飛び起きる。どうしよう。好きな人の兄と大人のキスをしてしまった。わたしは勘違いで、兄は寝ていたとはいえ。


おきてしまったことは仕方がない。そもそもキスをしかけたのは自分だ。


こんなところで妙にアメリカナイズされた百合だった。よくいえば前向きで合理的なのだ。


「こうなったら上書きするしかない」


そのまま鬼畜眼鏡の部屋をでて隣のこよりの部屋に忍び込む。いた。彼は静かに寝息を立てて寝ていた。


そっと彼の隣に寄り添う。


「ごめんね、こよりちゃん。わたし汚されちゃった」

「でも、こよりちゃんも悪いんだよ。夜這いに来ないから」

「だから、たっぷり上書きさせてね」

「いただきまぁす」


それから百合は寝ているこよりの唇と口内をさんざん堪能した。


もちろん朝まで。


はい異世界シニアです。


前回で百合ちゃんが兄弟の家に泊まる設定にしました。


これは事故をやらかすしかない。そしてみごとに彼女はやらかしてくれました。本当にありがとうございます。


まあこの事故で彼女がこよりちゃんから離れることはありません。あくまでも事故ですから。オタクくんも気付いていませんし。


そういえばタイトルから「美少女フィギュアだとしても」を抜きました。さいきん美少女フィギュアでてきませんから。


なによりも美少女フィギュアが全面にですぎて、作品を読んでいただけないのが悲しくなったのです。


そしてジャンルも現代の恋愛モノに。もちろんR15は外しません。


ビーエル(BL)にするかは悩むところですが。基本は男女の恋愛がベースになっていますので。


さあ、そろそろ逃げるのは終わりにしましょう。


次回サイドジョブ。姉と妹のNTR 3。


あなたは大切な人。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ