【BL】堕ちた兄
「コンコン」
深夜一時、今夜も兄の部屋のドアをボクはノックする。
二十秒ほどしてドアがゆっくりと開く。まあ寝たふりをしても、この家のドアには鍵がない。
勝手に侵入するだけなんだけどね。
兄が不安そうな顔でボクを見下ろす。絞り出すように喉から声を出した。
「なんの用だ」
「やだなあ、言わないとわからないの。お兄ちゃんは」
「もうやめるんだ。今ならなかったことにしてやる」
「へー、ボクはべつに構わないよ。あの女にバラしてもいいけど」
「やめてくれ!彼女にだけは」
「なら、はやく部屋に入れてよ」
兄はあきらめた顔でドアを開く。そうそう、心も体も素直に開けばもっと楽になれるんだよ。
我慢することをやめたボクみたいに。
「やめるんだ・・・ことり」
本気で嫌がっていないことはボクにはわかる。なぜならずっと好きだったひとだから。
ボクは彼の言葉を無視して行為を続けた。ときに優しくときに激しく。同じ男だからこそわかる"いいポイント"がある。あんな見た目だけの女にテクニックで負けることはない。
本当に嫌なことは嫌と言えるひと。それがボクのお兄ちゃん。だから本当は嫌じゃないんでしょ。わかっているよ。
ボクの名前は小鳥。女の子が欲しくて両親の考えたもの。
まあ男のボクが産まれちゃったんだけど。両親はそのまま"ことり"と命名した。
そのせいだろうか。顔や体も女性と間違えられるくらいに育ってしまった。知らない学校の生徒から告白されたことも一度や二度ではない。なかには男とわかって声をかけてきた人もいたけれど。
そんなとき守ってくれたのが彼だった。嬉しかった。尊敬するお兄ちゃん。弟のボクがみてもカッコイイ。なぜ妹に生まれなかったのだろう。そうすれば迷わず一つになれたのに。
彼が好き。でも諦めていた。我慢していた。そしてボクの心は水でパンパンに膨らんだ水風船のようになってしまった。
パァン
あの日、ボクの水風船は破裂した。我慢していた心が壊れた。もう止めるものは何もなかった。
「うっ」
兄も限界らしい。上目遣いで兄の目をみつめる。ビクン。兄と目があった刹那、兄は達した。
「本当に早いんだね。あの女をちゃんと満足させられているの」
「余計なお世話だ」
「ん、ゴクリ」
「!!」
「ん・・・やっぱりお兄ちゃんの美味しい」
あの日から毎日この行為を続けている。そのせいか彼もだいぶ従順になった。
なぜかって。理由は簡単。ボクなら男と女の両方の悦びを与えられるから。しかも同時に。
それを知ってしまったら、もう戻ることはできない。
兄は堕ちた。ボクの手で。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「ふぅ・・・・たまらないわ」
「あ、ベーコンレタス最新話っすね!」
「そうよ。とうとう兄が堕ちたわ」
「ひゃー、最高っす!!」
(最悪だよ!)
ベーコンレタスはTVアニメも放送中の人気作品。兄と弟の純愛を描いていると評判だ。
どのあたりが純愛なのか。作者を小一時間問い詰めたい。どこに兄を堕とす弟がいるんだよ。
リアルに外見は美少女な弟をもつボクにとっては明日はわが身すぎる。
「ほう、彼女がいながら夜は弟とハッスルしちゃう兄か」
「家族ですよ、ありえませんよ!」
「かわいい妹ならアリなんじゃないのか」
「まさか」
ボクの彼女でもある副業部の部長パイセンが疑いの視線をむける。いや妹ならまだしもこよりは弟ですから。
それは言えない。言えなくもない。よく考えたら、こよりが女と勘違いしているのはパイセンと同級生のオナチューだけだ。
来年、弟はこの高校に入学する。その前に話しておいたほうがいい。なぜこんな簡単なことに気づかなかったのだろう。別に隠すことでもないのに。
はい異世界シニアです。
唐突にBL続編をぶっ込みました。
だって気になりますよね。あのあと兄と弟がどうなったか。結果はドロドロの○○○○テクニックになりました。
それもありますが、この流れで姉と妹NTRの続きを書くと重い展開になる気がして。
実はまだ姉のしたことを妹が責めるのか、見なかったフリをするのかも決めていません。
ハーレム展開は初めから考えていないので、オタクくんが最後に選ぶのは一人。
まあ読者の皆さんが予想しているとおりかもしれませんね。
そう担任の先生エンドです!
嘘ですよ。
次回サイドジョブ。帰り道。
こいつは凄いぜっ




