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【BL】兄弟、秘蜜の一夜

もう我慢できない。


いや我慢ならずっとしてきた。これまではいわば崖っぷちながら怪しい精神バランスを保っていられた。


けれどその危ないバランスは昨日の夕方に破壊された。ボクは崖下に落とされたのだ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


お兄ちゃんが好きだ。


わかってる。ボクは性別的にも男でお兄ちゃんの弟。世間的にも両親にだって許してはもらえない。そもそも彼はノーマルで年上の彼女だっている。


だからこの想いは一生秘密にして行きていくつもりだった。


昨日の夕方までは。


「ただいまー、お兄ちゃん。先に帰ってるの?」

「・・・」

「・・先輩・・」

「・・・あ・・・」

「!!」

兄の部屋からは女の嬌声きょうせいが聞こえた。


あの女だ。お兄ちゃんの彼女で学校の先輩。ボクの上位互換で最大の天敵てき


とうとうボクの家に。お兄ちゃんの部屋に上がりこみやがった。


そこからの二時間は地獄だった。好き、愛してる。ボクがずっとお兄ちゃんに言ってほしい言葉があの女にむけて放たれる。


隣のボクの部屋。耳をふさいでも兄とあの女の声が聞こえてしまう。


その日、ボクの心は壊れた。ううん、もっと前から壊れていたのかもしれない。


もう我慢なんてしない。


あの女が女の武器で兄を籠絡ろうらくするのなら。ボクはボクの武器で兄をとりこにしてしまえばいい。


今夜、兄をボクのモノにする。想像するだけで興奮した。ボクのボクには血液が集まり、形を凶悪な竜に変化させていく。



ボクの家のドアには鍵というものが存在しない。もちろん防犯が必要な玄関ドアなどには鍵をつけている。


けれど、それ以外の部屋。両親の寝室、ボクの部屋、弟の部屋、風呂、トイレにまで鍵が存在しなかった。


さすがにトイレのドアをいきなり開けることはないし、誰か入っているときはスイッチと連動したパイロットランプが点灯するからトラブルはなかった。


両親に理由を聞いたこともあるが、そういう教育方針らしい。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「う・・・・ん」


なんだろう。腰のあたりに甘美な刺激がする。優しく時には激しく。絶え間なく続く甘い刺激に思わず腰が浮いて声がもれた。

 

まるで成長期の男子が溜まりすぎたアレを体外へ自然放出するときの感覚に似ていた。


いや、それはおかしい。


昨晩あれだけ先輩と愛し合って、ボクのタンクが満タンなはずがはない。それなのに、このこみ上げてくる感覚はなんだ。


ハッと意識が覚醒する。布団の中に誰かいる。バッと掛け布団をめくり上げた。


そこには弟がいた。


弟は遮二無二、一生懸命にボクのボクを愛していた。ふと弟と目があう。


ゾクリ。


その瞬間、ボクは達した。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「昨日、あの女とあれだけしたのに凄い量だね、お兄ちゃん」

「お前、なんのつもりだ」


ゴクリ。

弟の喉が動く。飲み込んでいる。その美しさに思わず見惚れてしまった。


「お兄ちゃんの・・美味しい」

ゾクリ。背中に電流が走る。


「なにをしているのかと聞いている」

「お兄ちゃんのハジメテをもらいにきたよ」

こいつは何を言っている。


「ボクのどうだった。あの女より上手だったでしょ」

「彼女は恋人で女性だ。お前は違うだろう」

「そんなことどうだっていいよ」


弟は何も身に着けていなかった。だからこそボクのボクよりも巨大な弟の弟に目が行ってしまう。


「大きいでしょ。これからお兄ちゃんを愛してくれるボクの分身だよ」

「やめろ」

「い♡や♡」


逃げようとするボクを弟が後から羽交い締めにする。動けない。なんて力だ。


「本当は無理やりなんてしたくないんだよ」

「やめろ。やめてくれ」

「もう遅いよ」


ガッチリと兄の腰をおさえ、目指す場所をロックオンするボク。早く早くと待ち切れないボクのボクを指で導いてあげる。


っぷ。


ボクは腰を進める。


「「ああ」」


深夜、兄弟の甘い声が重なる。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「ふぅ・・・」

「なに読んでるんすか!先輩!!」

「ベーコンレタスの新刊よ。ネタバレになるけど、とうとう兄弟が一線を越えたわ」

「マジすか?やりましたね!」


(よくないよ!)

ベーコンレタスのコスプレのせいで、その界隈では人気のボク。弟もいるから怖さしかない。


ここは都立商業高校の副業部。部室にいるのは部長のパイセン、ホモが好きな合法ロリ先輩、同級生のオナチュー、そして新入部員のボク。


ベーコンレタスは兄と弟の禁断の愛の物語。難病で死ぬ運命だった弟を兄が臓器を提供して救うところから始まる。


ところが兄に年上の恋人ができてから弟の言動が怪しくなる。とうとう実力行使にでたらしい。


怖い怖い怖い。


「そうか兄に恋人ができると弟が兄を襲うのか」

「怖いこと言わないでくださいパイセン。リアルすぎます」

「悪い悪い」

そっとパイセンが耳打ちする。

「キミの家ではできないな」

顔を赤くして黙ることしかできないボクがいた。



はい異世界シニアです。


次回はこよりトルネードを書くと言ったな。あれは嘘だ。


皆さん。日曜日の昼下がり、いかがお過ごしでしょうか。わたしは架空のビーエル作品を書いていました。


ふと作中に登場する「ベーコンレタス」について詳しく説明してなかったことを思い出しました。


やー、はじめてR15を付けといてよかったと思いました。


エピソードタイトルのBLはベーコンレタスの略で、ボーイズラブの略ではありませんのであしからず。


次回サイドジョブ。こよりトルネード。


嵐の中で輝いて。


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