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事件は部室で起こるんじゃない!秋葉原で起こってるんだ!

ボクには不思議なことがあった。こよりのことだ。


どうもここ毎日、秋葉原であいつに遭遇する。


家族だからひかれあうのだろうか。新人類みたいに。こんなことをあいつに話したら「お兄ちゃんは運命の人!!」と抱きついてくるから絶対に言わない。


でも不思議なんだよなあ。あいつの学校は秋葉原から駅ふたつ以上も離れてる。しかも放課後に毎日会うようになったのはボクが副業部に入ってからだ。


そういえば部活に入部した日の夜。自宅で抱きついてきたこよりがいつものように制服をクンカクンカしたあと、ポツリとつぶやいたっけ。


「違う女の匂いがする。しかも年上・・・」


ゾクッ。背筋が寒くなる。まさかあいつボクをストーキングしてないよな。


「だから兄妹きょうだいのカップリングが最強なんすよ!」


(いや、それアウトだろ。実の兄と妹ならなおさら・・・)


いくらボクがオタクでも、近親相姦のタブーは天元突破しないし、できない。実の弟ならなおさらだ。


いまは放課後。短文投稿型SNSサービス"ヒヨッター"のおすすめ本を教えてもらうため、同級生のスパッツことオナチューと秋葉原の本屋を目指して歩く。


部長に聞いたのだろう。ボクの妹(にしか見えない弟)がとんでもない美少女(に見える)ということに。下校後はずっとこよりの話ばかりする。


オナチューは一人っ子で、兄や妹という存在にとても憧れているらしい。


「やっぱり一緒にお風呂とか入るんすか、妹と!」

「とうぜん毎晩おなじベッドで寝てるんすよね、妹と!」

「まさか、もう一線を突破してるんすか、妹と!」


ちょっ。周囲の視線が痛い。どんなプレイだろう。


やめて!ボクのライフはもうゼロよ!


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


本屋に到着したボクら。


さっそくボクはオナチューおすすめのヒヨッター指南書を買う。オナチューは兄妹ジャンルのコーナーから動かない。


並ぶ本を見る目がキラキラしてるぞ。部活では見たことのない恍惚とした表情をしていた。


あの表情には見覚えがある。こよりがボクを見つめるときと同じだ。なぜか複雑な気持ちになる。


しかしオナチューは本当に兄妹モノが好きなんだ。しかもガチな近親モノががが。


「また違う女だ・・・」

(!!)


出たあああ。そこにはこよりがいた。そしてこよりの後からオナチューがこちらに向かってくるのが見えた。


「すんません!兄妹モノをみてたら時間を忘れたっす!」

「こんにちわ。あなたが兄の新しい女ですか」

「おい勘違いするな、こより。オナチューは部活の同期だ」


また初対面の先輩に失礼な口をきく。あの誰にでも礼儀正しい陽キャのこよりらしくない。


とつぜんのこよりの登場と失礼なセリフに驚いたのだろう。オナチューが目を見開き動きを止める。


「う・・・」

(ほらみろフリーズしちゃったじゃないか)

「うっわ!この子、めちゃんこカワイイ!」

(へぁ?)

「オタクくんの妹さんのこよりちゃんすね!あたし同じ部活の一年生っす!」


こよりは面食らった顔をして固まっていた。


兄の新しい女に喧嘩を売ったはずなのに、めちゃくちゃ気に入られたからな。さすがに困惑しているぞ。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「へー、あそこの中学に通ってるんすか」


さすがに本屋で騒ぐのはマズイ。近くのハンバーガーチェーンに場所を移したボクたち。


「はい。来年はお兄ちゃんと同じ都立商業高校に通います」

(それ初耳なんだが)


「愛する兄を追って同じ学校を受けるっすね!」

「はい!!どんなことをしてでも受かります!!」

(それを聞くな。そして即答するな)


二人は波長がものすごく合ったらしい。陽キャと陽キャのコミュニケーション恐ロシア。いや恐ろしや。


「でも良かった。通う高校に先輩のような優しいひとがいて」

「うち、優しいっす!とくにカワイイ妹には!」

「ありがとうございます!」


気のせいじゃない。オナチューがボクたち兄弟を見る目がキラキラしている。妄想が捗っている顔だ。


お、さすがに夕飯の時間だ。母さんが怒る。そろそろ帰宅しなければ。


「オナチュー、今日は本選びに付き合ってくれてありがとう」

「いいっすよ!いいもの見れたっすから!」

「じゃあお兄ちゃん帰ろ!先輩もまた!!」

「こよりちゃんもまたね!」


店をでるとすぐにこよりがボクの右腕に抱きついてきた。


ぶふっ


振り向くとオナチューがうずくまっていた。


「どうしたオナチュー!大丈夫か」

「あ、なんでもないっす!気にせずに行ってください」

下を向いたまま答えるオナチュー。

「ああ」


気になるが本人が大丈夫だというし帰ろう。すると、こよりはまるでオナチューに見せつけるように左手を恋人繋ぎにした。


ぶはっ


また何か聞こえたような気がした。


「ヤバイっす・・・あの兄妹は。どストライクすぎる・・・デュフフ・・・」


オナチューは兄弟が駅の改札に消えるまでそこに立ちつくしていた。


最高の笑顔で鼻血を垂れ流しながら。

混ぜるな危険。


兄を世界中の誰よりきっと愛している弟。

世界の中心で兄妹の恋愛を愛していると叫ぶ同級生。


混ぜてしまいました。どうも異世界シニアです。


はじめは新たな女性キャラクターを登場させるつもりでした。けれど同級生のオナチューや上級生の合法ロリ先輩についてほとんど書いていないことに気づいたのです。


新たなキャラクターのネタが浮かばなかったのはここだけの秘密。


そうなると次はお待ちかね合法ロリこと上級生先輩。彼女はいったいどんなへきをもっているのでしょう。


次回サイドジョブ。「ホモが嫌いな女子なんていません!!」


先輩・・・あなたもだったのか。


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