古い写真に
ある秋の日
扉を開けて表に出ると
世界がグレースケールになっていた
太陽は白く、空は薄く
不思議に思って歩いていると
グレーばかりの街に着いた
人びとの着ている服は
さまざまに灰色で
街にすれ違うのは
さまざまな表情の持ち主たち
犬も鳩も、カラスさえ
濃かったり薄かったり
さまざまな灰色で
世界はグレーに満ちている
街路樹の葉は黒に近いグレー
百日紅の花が白く散って
風に飛ばされていく
その先も、同じ
白い、空
手を伸ばせば
雲に届きそう
天空の光から
色彩を形にして
地上に降らせてみたい
きっと、
世界は色づいて
やがてカラーになる