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隣の席の無愛想美少女の正体が天才プロゲーマーだと知っているのはクラスで俺だけ  作者: 駄作ハル


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第37話 お祭り(2)

いつもありがとうございます!

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「……おっ、あれ神社の本殿だ。せっかくだしお参りしていこうか」


「ん……」


 俺は賽銭箱に五円玉を投げ込み、手を合わせて願い事をした。

 これからのことが成功しますように、と。


「……岬くん、何をお願いしたの……?」


「うーん……、今はまだ秘密。夜宵さんは?」


「じゃあ……私も秘密……」


 この願いが、君も同じだったらいいのに。


「そっか。……もう人混みの中を歩くのも疲れたね。何か買って少し休もうか」


「うん……」




「どう? 下駄、歩き疲れてない?」


「まだ大丈夫……」


 俺たちは長机とパイプ椅子だけの簡素な休憩所でかき氷を食べていた。


「どう? 始めてきたお祭りは」


「凄く……楽しい……」


「そっか……。よかった」


 かき氷のシロップが全部同じ味だなんて全く信じられないが、息を止めて食べてみると確かに味が分からなくなる。

 だが今の二人の息を飲むような空気感にいれば、そんなことしなくてもかき氷の味なんて全然分からなくなっていた。




「ねえ夜宵さん、写真、撮ってもいいかな……?」


「ん……撮ろ……」


 記念に、というのもある。だがなによりも、この可愛い今の彼女の姿をこの場限りのものにするのはあまりに勿体ないと思ったからだ。


 俺はスマホを取り出しロックを解除する。


『──ここは左から……。──やりました』


「あ……」


 開いたスマホの画面には夜─YORU─さんの配信画面が映し出される。


「ご、ごめん……! 楽しみすぎて夜宵さんを迎えに行くまでの電車でアーカイブを見てたんだった……!」


 俺は慌ててアプリを終了させようとする。


「待って──」


 しかし彼女はそんな俺の手を掴み、スマホを奪った。


「ど、どうしたの……?」


「……! ……やっぱりそうだ」


「な、なんかあった……?」


「やっぱり岬くんが“ゴッド・ファン”なんだ……!」


「あ……」




 俺は慌てて彼女の手からスマホを取り返す。しかしそれは完全に手遅れだ。

 画面の左上にはアイコンと「ゴッド・ファン」というユーザーネームが記載されている。


「は、恥ずかしい名前だから隠してたのに……」


 これからって時にこんな黒歴史が明らかになり、俺の心はズタズタに引き裂かれた。


「……ごめんね。私はずっと知ってたよ、岬くんがゴッド・ファンだってこと」


「え、な、なんで……」


「学校始まったばかりの頃、隣の席で私の配信見てたから……」


「あ……」


 そう言われればそんな気がする。


「だから本当は、ずっと言いたかったの……。ありがとう、って」


「え……?」


「同接も二桁だった頃からずっと応援してくれていて、あの一番荒れた配信の時も、一人だけ優しいコメントを送ってくれていたあなたに、ずっとお礼が言いたかったの……!」


「夜宵さん……」


「私が配信を続けてこれたのも、大会を頑張ろうと思えたのも、全部岬くんのおかげなの……! 料理を教えてくれたのも、勉強を教えてくれたのも……! 風邪の時助けてくれたのも、ストーカーから守ってくれたのも、ナンパから守ってくれたのも、全部全部、岬くんなの……!」




お読みくださりありがとうございます!

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