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隣の席の無愛想美少女の正体が天才プロゲーマーだと知っているのはクラスで俺だけ  作者: 駄作ハル


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第31話 話をしよう(1)

いつもありがとうございます!

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 スマホの電源を付けると鬼のような電話とメッセージの数々が届いていた。

 健人や他のバスケ部の連中、桜花やいつだか連絡先を交換した大して話してもない女子にまで話が広まっているらしい。


 俺は一松の不安を覚えネットニュースを見る。するとそこにはプロゲーマー「夜─YORU─」の名前はどこにもなく、父さんが言っていたような本庁刑事の息子という肩書きで事件の概要が語られていた。

 結果として夜─YORU─さんの、夜宵さんの秘密を守れたのなら命を張った甲斐があったというものだ。


 まあそこは単に警察が第二のストーカー野郎の出現を警戒して夜─YORU─さんの話をマスコミにしなかったからだろうが、それでも秘密は守られたという事実に変わりはない。






 俺が無事を報告するとその日のうちに健人と桜花が見舞いにやって来た。


「おい岬ぃ! 何してんだお前!」


「健人……。お前勉強は大丈夫なのか?」


「大丈夫なの? ってそれはアンタの方でしょ! もう……私に心配なんてさせないでよ……」


 二人は泣き出す。

 俺のために涙を流してくれる人がこんなにもいるという事実に、俺まで泣きそうになった。




「でも、姫を守ってできた傷なんて名誉の勲章だな〜!」


「そうよ! ここまでしたんだから、アンタは絶対幸せになりなさい!」


「はは……。ありがとう」


 健人の軽口によからぬ事を考えてそうな桜花。そんな二人を見ているとなんだか元気が湧いてくる。

 いつも変わらない二人は、俺にとってかけがえのない存在であることに違いなかった。




「それじゃあお前、また元気になって会えるのを楽しみにしてるぜ〜! 寂しくなったらいつでも来てやるから連絡しろよ〜!」


「アンタにそのシリアスな表情は似合わないわ! 今度会う時はいつものアホ面引っ提げて来ることね! 約束よ!」


「ありがとう、健人、桜花」


 二人は嵐のようにやってきて嵐のように去っていった。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆





「おーおー! 大丈夫かー神楽ー!」


「はまやん!」


 次の日、授業終わりの時間にはまやんもお見舞いに来てくれた。


「心配したぞー神楽ー!」


「はは……すみません……」




「ああこれ菓子折りだー。元気になったら食べてくれー? ……にしても、ナイフを持った相手に素手で勝つとは、お前もやるなー?」


「え、いや……」


 それはどこかで話が盛られている。


「まーなんだー。とにかくお前が生きててよかったよ。な?」


 俺の両肩を掴むはまやんの目はいつになく真剣だった。




「これは先生、ご足労頂きありがとうございます」


「ああいや神楽さん、この度はとんだ災難でしたね……」


 はまやんと話をしていると父さんがやって来た。


「──それで神楽。これからのことについてお父様も交えて話をする。よく聞いておけ」


「はい」


「三日で退院だそうだが、どうせテストが終わったらテストを返して夏休みだ。テストは入院して受けられないし、事情が事情だということで、今回は特例で一学期の期末テストは免除ということになった。だから神楽は今日からもう夏休みだな。一学期の成績は平常点と中間の小テストを見て出す。……神楽なら期末でもっといい成績を取れたかもしれないが、今回はこれで我慢してくれ」


 はまやんは淡々と事務連絡をしていく。


「と言うのもな、学校はかなりの大騒ぎなんだ。生徒たちもそうだし、マスコミもだ。だからお前が登校するのは色々と負担になるだろうし、学校としても対応しきれない部分がある。お互いの為だと理解してくれ」




「俺はそれで大丈夫です。それであの……、夜宵さんは……城崎はどうなりますか?」


 彼女の努力を一番側で見守っていたのは俺だ。せっかくあれだけ頑張ったのに、テストを受けることすらできないというのはあまりに悲しい。


「お前は人のことばかりだな……。安心しろ、城崎は今日学校に来てテストを受けていたぞ」


「そう、ですか……。よかった……」


「ちなみに事件については、城崎の外見を理由にストーカーが襲いかかり、神楽がそれを守ったという説明にしてある。だか例のプロゲーマーだとか何とかってお前たちの秘密はちゃんと守っているから、それも安心しろ」


 本当に俺は全てを守れたのだ。そう思うと少しはこの胸の痛みも報われた気がする。




「それでお父様。学校としましては、今後、岬君の身体的、精神的ケアなどについて病院や保護者のお父様と協力して──」


「はい──」


 スーツを着て真面目な話をするはまやんは新鮮だったし、父さんが俺の事について詳しく話を聞いているというのも、嬉しく思えてしまった。

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