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初春から春の俳句(2023)

作者: まのやちお

『静けさや 三年()()に 初日(はつひ)()す』



 天気の良い元日の朝は家の前から初日の出を拝むのが我が家の習慣。


 毎年この時間は不思議なほど静かです。

 人も車も通らず、周囲の家々からの生活音も少しも聞こえてきません。


 年越しに騒いで、疲れて眠っているのか。家族で初詣に出掛けているか。もしかしたら、もっと景色の良い場所で初日の出を待っているのかもしれません。


 ここから東に並ぶ住宅地の中に、最近人の気配の消えた家がちらほら。

 3年ほど前からでしょうか。コロナの影響もあるかもしれません。


 住人が去った家も、家族の眠る家も、今は等しく静けさの中。

 1年に1度の朝日に照らされています。







『子やぎ鳴く 群れ知らず()ねる 梅の庭』



 山羊の鳴き声。


 見れば、フェンスに囲まれた庭に白い子やぎが1匹。


 ペットとしてもらわれて来たのでしょう。

 ちぎれそうに尻尾を振りながら、庭の中を跳ね回っています。

 ちょっとつまずいたら折れてしまいそうな細い脚。


 たしか、山羊は群れで暮らす生き物だったはず。この子は1匹だけで寂しくなったりしないかしら。

 そう思ったら、なぜだかホロッときてしまいました。


 この子の、この先の一生が温かく穏やかなものでありますように。


 庭の梅の木が花をつけ始めていました。




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