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小説家になろうを知ろう ~小説家になろうをグラフ化してみた~  作者: ゆうゆう@なろうデータ収集卿
2章 投稿しても見てもらえないとか、つらたんです
6/36

PV、ユニークについて知ろう

2018/11/20 PVの説明追加 PV=閲覧数(連載は各話数も含めた数値)


☆データ情報☆

※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。

※PV->小説家になろうに投稿されている作品からランダムに2万件のデータをKSASAGIの総合PV・ユニークアクセス欄から取得

※作品情報、週間ユニーク->なろう小説APIを利用して取得

※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測です。そのため実際の値から多少ずれがあります。ご承知おきください。

「さて、今回はPVがテーマだ。小説家になろうは前回言った通り日本最大級の小説投稿サイトであり、その訪問者数や月間PVはずば抜けている。そのPV目当てにやってきている作者も多い。そしてPVの確認が小説情報の『アクセス解析』から簡単に調べられる。他の作品のPVも見られるため、自分の作品と比べて落ち込む作者も多い」


「そうなんですよ! なんかどこ見てもとりあえず小説家になろうに投稿していればいいんじゃね、っていうから私も投稿したんです。でも、アクセス解析見ても全然増えてないんですよ! つらたん!」


「まぁ、これはなろう初心者あるあるだな。投稿しさえすれば見てもらえるというのは間違い。ということでそれについて解説していくぞ。なろうの現実を見せてやろう」


「魔剤?」


「まざい? 相変わらずよくわからないことを……。まずはPV分布から見ていこう。投稿されている作品を2万件ランダムに抜き出してそのPV数の分布を見てみた」


挿絵(By みてみん)


「わ、なんか帽子みたいで可愛い!」


「対数でグラフをとっているから数値範囲に注意すること。2万件の中央値は大体500だ」


「対数?」


「log10(PV)で均等になるように範囲を決定している。PVに関する研究はニコ動やYouTubeでおこなわれている。それによるとPV分布は対数正規分布に従うという。なぜかというと閲覧数の多い作品はより見てもらえ、少ない作品は見てもらえない。それは掛け算で効いている。そのため線形ではなく指数で分布することになる」


■参考■

※動画投稿サイトにおける動画再生数の統計分析

A study of statistical analysis of replay count on CGM movies

※ニコニコ動画統計データハンドブック

※ニコニコ動画における動画タグの多様性分析

http://www.anlp.jp/proceedings/annual_meeting/2015/pdf_dir/E2-3.pdf


「あー、そういうことね完全に理解した」(←わかってない)


「(絶対わかってないなこいつ)……ただ、通常の対数正規分布より上側の割合が大きい。これは投稿形態によるもので、動画なら1回1PVだが、小説は複数の話数に分かれている。その分の影響が考えられる」


「へー」


「だからこれを種別、短編、連載、完結済み作品で分けるとこうなる」


挿絵(By みてみん)


「全体と連載がほとんど同じような形で、短編がとんがってますね。完結は右側にいってて、よく見られているってことですか?」


「そうだ、短編はかなり対数正規分布に近い。連載はそれよりもなだらかになる。完結済みは数値的に言うと連載の10倍くらい見られやすいようだ」


「あぁ、そっか。私短編を投稿したからそんなに見てもらえなかったんですね……」


「もし見られたいなら短編はやめたほうがいい。連載にして完結させること。それが見られる近道だな」


「はい! 先輩質問です!」


「なんだ?」


「冒頭で2万作品のデータを抜き出したって言ってますけど、全体は60万作品ですよね? このデータで全体の数値としていいんですか?」


「まぁ、もっともな質問だな。んー、例えばだな鍋の中のカレーと、そこからお玉ですくったカレーは同じものか? 違うものか? どっちだ」


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

※画像 いらすとや


「同じに決まってるじゃないですか。もし違ったらインド人もビックリですよ」


「そう、それと同じことだ。大体の数値を知るだけなら全部を調べる必要はない。例えば選挙の出口調査もそうだな。開票率が全然でも当選発表とかしているだろう。全体を調べていないから誤差は多少出るが、特性としては十分だ。サンプリング数が多いと誤差が小さくなる。2万件調べると1%未満の誤差だ。ここら辺は統計学になるから興味のある人は調べてみてくれ」


なるほど統計学園高等部

※https://www.stat.go.jp/koukou/trivia/careers/career8.html


「数学は苦手です……」


「統計学を知っておくと便利だぞ。まぁ、興味がないなら無理に知ることはないがな。さて、次は週間ユニークだ」


「週間ユニーク?」


「検索画面を見るとわかるが、小説家になろうでは週間ユニークというものがある。これは日曜日から土曜日分のユニークの合計を表している。100未満の数値は出ないんだが、これを見ると1週間でどれくらいの読者が読みに来たかがわかる」


挿絵(By みてみん)


「あっ、私の小説100未満だった(´・ω・`)」


「2018年9月30日~2018年10月6日の週間ユニークの状況はこんな感じだ」


挿絵(By みてみん)


「わっ、何ですかこれ。100未満ばっかじゃないですか!」


「驚くのはまだ早い。週間ユニーク100未満の数値を調べてたエッセイがあるんだが、そのエッセイによるとWU(週間ユニーク)の割合はこんな感じになっているようだ」


※『小説家になろう』の全作品の週別ユニークユーザ数を集計して分析してみた(2018年05月29日時点)

https://ncode.syosetu.com/n5725eu/


挿絵(By みてみん)


「えっ?」


「なんと62%、約37万作品は一週間の訪問者が0だ。1~50人が33%、51-100人が2%、101人以上が2%」


「つ、つらたん」



「残念だが、これが現実だ。ちなみに週間WU100以上だと数値がわかる。それを集計してみると、こんな分布になっているぞ」


挿絵(By みてみん)


「なだらかですね。左に多く固まってる」


「150以下で25%、300以下で50%、750以下で75%。ほとんどは1000人以下だな。ただし、見られている作品は1週間で数万~数十万人に見られるぞ」


「そ、そこにたどり着きたい……」


「まぁ、頑張れ。じゃぁ、次にどの作品に人が集まっているか見てみた。週間ユニークが100以上の作品を投稿年度別に分けてみた」


挿絵(By みてみん)


「へー、新しい作品が読まれているんですね」


「あぁ、古い作品は埋もれていくからな。新しい作品が見られやすいのはいいことだ。そしてジャンル別にも集計してみた」


挿絵(By みてみん)


「やっぱりファンタジーと恋愛作品が多いんですね」


「あぁ、なろうの人気ジャンルはこの二つだからな。もしも見られたいのならばこのジャンルを選択するのを勧める。そして、ジャンル別の週間ユニークの合計割合はこんな感じだ」


挿絵(By みてみん)


「ん? さっきと何が違うんです?」


「さっきのは純粋な作品割合だったが、このグラフはユニーク人数の合計だ。端的に言えば、どれだけの読者がいるかを表している」


「えっ、ということはファンタジーの読者が多いってことですか?」


「そう、多くの人が見ているのはファンタジーだ。文芸や、SF、その他はファンタジーのユニークの10%以下だ。例えばその他ジャンルに投稿した時点で読者がファンタジーの2%以下ということになる。ジャンル選択時点で読者の数に差があるんだよ」


「うぉー、知りたくなかったでござるよ!」


「まず多くの人に見られたかったらジャンルを選べ。ファンタジーか恋愛。もしそれが嫌なら完結させろ。短編は論外。全体の中央値は500くらいだ。短編だともう少し下。完結だともう少し上」


「わかりました! 頑張ってみます」


「今回は以上だ」


「ありがとうございます!」





小説家になろうのPVの恩恵は概ね5%程度の作品が受けている。現実としてほとんどの作品はあんまり見てもらえない。でも見てもらえる作品は億PVとかあるので有名になりたい人は頑張るといいかも。見てもらいたいのならば、ファンタジー、連載作品を書くのがよさそうである。


※今回の章の元ネタ

『恋をしたら死ぬとか、つらたんです』

https://ncode.syosetu.com/n6529bs/


超有名な、みかみてれん先生によるコメディ作品。世界名作つらたん劇場。

2013年10月より連載が開始され、2014年9月に完結。

エンターブレインより書籍化されている。


---あらすじ---

自称『普通の女の子』であるクレイジーサイコビッチ・藤井ヒナが、未来からやってきた社員シュルツに頼まれて、発売前のVR乙女ゲームのモニターのお仕事をする穏やかなお話です。※ただし恋をすると死にます。

--------------


とにかく笑える。主人公のヒナさんのぶっ飛んだ行動を見てると元気が出てきます。

つらたんな方はこれを読んで元気になりましょう。PVなくてつらたん!


※つらたん=「辛い」を意味する若者言葉。

「たん」自体に意味はなく、音の響きの可愛らしさからつけられた説が有力



2018/11/20追加

-------PV確認方法 by KASASAGI-----------

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

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