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小説家になろうを知ろう ~小説家になろうをグラフ化してみた~  作者: ゆうゆう@なろうデータ収集卿
13章 ワナビ転生 -小説家になったら本気出す-
32/36

書籍化作家を知ろう

☆データ情報☆

※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。

※作品情報->なろう小説API

※書籍化作者情報->書報欄からユーザーIDを取得。その作者が小説家になろうに投稿した作品について集計しています。

※集計上、該当作品を削除されている作者も含んでいます。

「この講義もこれで最後だな」


「うぅ、最後と聞くと少し寂しいですね」


「そうか、俺はようやく読書に専念できると思うとせいせいするな」


「ひどい、でもわたしも執筆に専念したくなってきましたからね。いろいろと仕組みが分かるとやる気が出てきます!」


「全体の傾向や人気の理由が分かれば対策もとれるからな。何もわからず暗中模索してすり切れて、フェードアウトするよりかはましだろう」


「どうすれば見てもらえるかってところは為になりますよね。今までだったら何で見てもらえないのかって思ってましたが、どうやら見てもらうための努力が足りなかったようです」


「それが分かっていればもう教えることはないが、確か蒼井は小説家になりたいんだったな」


「はい、自分の書いた物語が本になって多くの人に読まれたいと思ってます」


「そうか、『小説家になろう』はそのサイト名の通り、投稿作品が書籍化され小説家になった人もいる。最後はその人達について見ていこう」


「それはすごく興味があります。でも、どうやって調べたんですか?」


「小説家になろうには書報というコーナーがある。


挿絵(By みてみん)


 このコーナーには申請すれば、小説家になろうで書籍化された作品が紹介される。だが、誰でも紹介できるわけではない。書報を使用する条件は以下の通りだ。


挿絵(By みてみん)


 簡単に要約する。


 『小説家になろうに投稿された作品で、出版社を通し書籍化され、書店などで現在も購入できること』


 電子書籍や個人出版ではなく、きちんと出版社を通して書籍化された経験がある作家がここを使える。なので、このコーナーを利用したことがあれば、その人は書籍化作家という事になる。


 故に今回の集計ではこのコーナーを利用した作家が対象となる」


「これは気になる」


「では見ていこうか。まずは利用した人数だな」


挿絵(By みてみん)


「762人! 0.4%かぁ」


「実際には860人が利用していた。しかし、退会していたり、投稿した作品をすべて削除していたりするユーザーは除外している。またこの欄を使わない人もいるからな。実際に小説家になろうで書籍化した人はもうすこし多いだろう。そのあたりのユーザーも含めてやれたらよかったが、それは今後の課題だな。推定では1000人~2000人くらいはいると思われる。作者割合で言えば約0.5%~1%だな。前回の人気作品を書いた割合と同じくらいだ」


「つまりそれくらいに入ればなれるのでしょうか」


「それも含めてみていこう。まずはブクマ。書報利用作家が書いた作品のうち、代表作、つまり一番高いブクマ数の作品をカウントした。その分布を調べてみたぞ


挿絵(By みてみん)


「ブクマ数が多いところにいっぱいあります。やっぱりブクマがいっぱいあればなりやすいんだ。でもすくないところにもそこそこいますね」


「あぁ、このあたりは代表作を削除した人たちだな。実際としてブクマ100くらいが最低ラインだな。あと昔に書籍化した人も入っているぞ。その人達のブクマは今よりも少ないな。まぁここで言えるのは書籍化作家でも全ての作品にブクマが多いわけではない。また人気ジャンル以外では少ないぞ」


「なるほど」


「累積度数から目標とするべきブクマ目安を出しておこう」


挿絵(By みてみん)


「半分以上は1万ブクマあるんだ。2千ブクマ以上が80%か」


「おおむね最低ラインがブクマ2千だな。ただこのラインは人気ジャンル以外だな。できたら1万。このあたりは人気ジャンルでは必須だろうな」


「そういえばブクマと売れ行きが関連してるってことを聞いたんですが本当なんですか」


「出版社によってはそういったデータを集めているところもあるな。ブクマのされやすさは結局なところ書店で手にとってもらえる確率と同等だからな。ブクマされやすければ購入されやすい。そういった相関があるとも言える。このあたりの考察はいろいろとあるが、参考になるのはこの本だな」


『WEB作家でプロになる!』(トークメーカー新書)

ASIN: B06XZ6MJKJ


「どんな本なんですか?」


「小説家になろうで小説家デビューするための必勝法が書かれている。WEB小説でプロになるための"攻略本"だな。これに参加している作家は小説家になろうで書籍化されている方たち。これの第七章でブクマやポイントと売り上げについて議論している。一度は読んでみるといいぞ」


「へぇ。やっぱりそういったものなんですね」


「ブクマがあれば売れやすいという法則があれば、選考基準にもなる。書籍化にはお金がかかる、それが回収できなければ赤字だからな。それを押した編集も立場が悪くなる。もし、ブクマ数が多い作品が売れると言うことが分かっていれば、当然書籍化しやすくなる。小説家になろうはマーケティング理論からすると理にかなったサイトだ。そこの人気作品は現実世界でも人気になり得る。まぁだからいまも多くの作品が書籍化したしこれからもするだろうな。だが、その相関が崩れ始めているとも聞く」


「えっ、なんでなんですか」


「出版されすぎたからだ。人は飽きる生き物だからな。似たジャンルの作品がいくつも出版されると避ける人もいるからな。もしかしたら今後は別の指標が作られるかもしれない。なのであくまで今の段階での傾向だ」


「へー、そうなんですね。でも目標があれば頑張れる気がします」


「まぁそうだな。では次にポイントも見てみよう」



挿絵(By みてみん)


「大体1万ptから急にふえてますね」


「そのあたりが概ねのボーダーラインだろうな。だが数百ptでも書籍化された人もいる。累積度数からある程度のライン判断するぞ」


挿絵(By みてみん)


「半分は3万ポイント以上なんだ。5千ポイントで80%か」


「人気ジャンル以外だと5千ptくらいを目安にするといいだろう。人気ジャンルなら最低が1万だろうな。できたら3万は欲しいところだな。そして20%以上は10万ptを越えている」


「やっぱり高ポイントが多いです」


「それだけのポイントを稼ぐための努力は必要だな。また何作品くらい書いているか分布も見てみよう」


挿絵(By みてみん)


「多くの作品書いている人が多いですね」


「1作品だけというのは少数派だな。多作品を書いている人がかなりいる。100作品以上も5人いるな。やはりいろいろな作品を書く人が多い。そして執筆文字数もみてみようか」



挿絵(By みてみん)


「めちゃくちゃ書いてるじゃないですか」


「小説家は文字を書くのが仕事だからな。10万以下は削除した人だから、実際は10万文字が最低ラインだな。80%が30万文字以上。半分は100万文字以上書いている。それでも約10冊分だからな。300万文字以上書いた人も100人近くいるぞ」


「やっぱりそれだけ書かないといけないんですね」


「続けたいならそうだろう。1回だけ出版されればいいわけはない。小説家になるのは始まりでしかないぞ。むしろなった後の方が重要だな。執筆する習慣をつけておかないと後々苦労する」


「今のうちに習慣にせねば」


「執筆期間も見ようか。執筆期間も重要だ。長期間書き続けることも小説家の条件の1つだ」


挿絵(By みてみん)


「最低でも1年くらいは続けているんですね。3年以上がかなりいます」


「1日以内とか1か月未満は削除した人だな。それを除くと1年は最低ラインだろうな。70%以上が2年以上投稿を続けている。


 そして最後に更新を続けている割合も見ていこう。よく書籍化したら更新が止まると言うが本当かどうか見てみよう」


挿絵(By みてみん)


「ほとんどが更新している」


「今まで見てきたから分かると思うが、ほとんどの人は続かないんだよ。でも小説家になったら書き続けなければいけない。更新する人も完結させる人もかなりいる。


 あと、マイナージャンルだから書籍化できないと言うわけでもない。代表作のジャンル割合だ。


挿絵(By みてみん)


 確かにファンタジーが多いがそれ以外のジャンルもあるぞ。あきらめずに書き続け読者を増やす。それが大事だな。さて、これで講義は終わりだがどうだ参考にはなったか」


「あー、すごく参考になります。もう先輩にあわなければあきらめていたかも知れません」


「あきらめるか……。そうだな小説家を目指す蒼井に最後にこの言葉を贈ろう」


挿絵(By みてみん)


「プロの作家とは、書くことをやめなかったアマチュアのことである。ほうほう。リチャードバックって、誰ですか?」


「カモメのジョナサンを書いた人だ。ベストセラー作家だ。まぁ、これが小説家の本質だろうな。書き続けること、そして辞めないこと。そこにすべてが集約されているな。辞めたらそれで終わりだな」


「確かにそうです」


「俺はこういったアドバイスはできるが、書かせることはできない。書くのは自分自身だからな。こういった分析なんかノウハウは指針にもなるかも知れないが、それを活用するのも続けるのもやめるのも全部自分次第だな」


「そうですよね。でも私は、ここまでの教えを生かして小説家になってみます!」


「頑張れ。応援しているぞ。それではこれで講義は終了だ。お疲れだったな」


「ありがとうございます!」


「あとは実践あるのみだ。まぁ、書籍化されるのを楽しみにしておくよ」


「きっと度肝を抜かせてみます!」







書籍化した作家さんを見ていきました。


結局なところ書籍化されるためには『書くこと』が一番大事です。


あきらめないで書き続け、そして読まれやすくする。

読んでもらえるように工夫する。まず読まれないと始まらないのです。


読者がどうやって読みたいものを探しているか知ることって重要です。


あたりまえのことを当たり前にやって続けられる人が小説家になれるのかもしれませんね。




※今回の章の元ネタ

『無職転生 - 異世界行ったら本気だす -』

https://ncode.syosetu.com/n9669bk/


2012年11月連載開始、2015年4月完結。

書籍化、コミカライズされている。


小説家になろうの累計総合ポイント1位。


ーあらすじー

34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出される。

そして、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。


目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうやら異世界に転生したらしい。


彼は誓う、今度こそ本気だして後悔しない人生を送ると。

ーーーーーー



前世に後悔したから、今世では後悔しないように生きる。

後悔しない人生を送る。それがこの作品の最大のテーマ。


多くの異世界転移、転生作品の根幹をよく表している作品。

ゆりかごから墓場まで。主人公の一生を深く描いている。


世界観、構成、ストーリー、キャラ設定は、さすがは累計1位といえる。

小説家になろうで人気作を書こうと思っている人は必ず読んでおきたい作品。



またこの作者は『小説投稿サイトでランキング一位を取らないと出られない部屋』という作品も書いている。

https://ncode.syosetu.com/n1077eb/


どうやれば評価が得られるかを物語を通して解説している。

作者がいかにして累計一位を取ったか。そのすさまじい努力は尊敬するしかない。


全ての創作する方に使えるノウハウだと思う。

本書を読み終えた後に、この小説を読むと納得できる部分もあるかもしれない。

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