番外編 小説家になろうの裏を知ろう10
ここでのエタの定義:連載中作品(未完結)で最終更新日から半年以上経過している作品
☆データ情報☆
※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。
※作品情報->なろう小説API
※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測です。そのため実際の値から多少ずれがあります。ご承知おきください。
「こんにちは! 番外編もとうとう大台の10回目。今回も張り切ってデータを見ていきますよ」
「今回はエタか。これも懐かしいな」
「そうですよ、前作でやった分析で余ったデータを使って、エタに関するエッセイ書いたのです。正直おまけ程度だったんですが、すごい勢いでポイントが入ってびっくりしましたね」
※「拝啓 エタりそうな作者様、エタが嫌いな読者様。これがなろうの現実です。」
https://ncode.syosetu.com/n4624eq/
「あれから8ヶ月か。早いものだな」
「今回はあれよりもいろいろな面からエタを見ていきます。ちなみに定義は本編と同じで
『2018年10月13日時点で、最後に更新してから半年以上経過している未完結作品』
としています」
「さて、今回はどんなグラフがでるのやら」
「ふふふ、いろいろとパワーアップした結果をお見せしましょう。まずは完結までの期間を調べてみました。これまでに完結した作品はどれくらいの期間連載されて完結しているのか見てみました」
「一気に投稿したのが20%か1週間で37%、1ヶ月で57%、1年以内に完結する作品が90%か。ほとんどは1年以内に完結するんだな」
「そのようですね。なろうに投稿される作品で完結している作品はほぼ連載期間が1年以内ですね。もし、未完結で1年以上経過している場合は完結しない確率が高そうです。でも10%は1年以上連載して完結させてますが」
「1年以上も同じ物語を書き続けるってすごいよな」
「そうですよね、私なんかあまり長い物語をかけないのでうらやましい限りです。さて、次はリクエスト分析です。感想数別の完結率を見てみましょう。感想は作者のモチベーションにつながるという意見もありますね。感想が書かれるとエタ率に影響はあるのか見ていきました」
「おお、感想が増えれば増えるほど更新中の作品が増えてるな」
「感想は連載していると書かれやすいのでそうなってますね。感想って基本的に作者に伝えるものなので、更新停止している作品には書かれにくいようです。更新停止割合だけ抜き出してみました」
「確かに感想が多くなるとエタ割合が減ってるな5個くらいまでは顕著なんだな。でもそこからは緩やかだ」
「少ないときは感想は効果的ですが、多くてもそこまで変わらないようですね。ただ、連載割合が明らかに多くなるので効果はあるようです。感想は連載に対してはかなり有効なようですね」
「あー、確かに感想もらうと喜ぶ人っているよな」
「そうですよ! いろいろと感想書かれると見てもらっているんだー、ってなるので作者のやる気につながったり。更新せねばって気になりますね。ただ完結割合にはそこまで影響しないようですね。
とりあえず感想が少ない作品に感想を書くとエタが少なくなるようです。連載初期ほど感想が必要かもしれませんね。
ということで感想でした。お次はレビューについて見てみましょう」
「え、レビューが書かれた作品はかなり更新停止割合が少ないぞ。それに完結割合も多いな」
「小説家になろうのレビューは宣伝ですからね。誰かにお勧めするわけですからエタっている作品をレビューする人はあまりいないようです。私もレビューを書きますが、連載作品の場合はエタってないか確かめてから書くことが多いですねえ。
また完結作品だけレビューするという人もいるので完結作品割合も多いようです。そして連載作品でもレビューをされた作者のやる気が上がるので、結果として更新停止も少なくなっていると考えられます。
停止割合だけ抜き出しましょう」
「レビュー件数が多くなるほど停止割合が少なくなっていってるな。10以上だと10%くらいだ」
「レビューはエタの特効薬かも知れませんね。エタった作品にレビューを書いたら連載再開したという話もあります。
レビューは作者のモチベーションにもつながるので、エタって欲しくない作品にレビューを書いてみるのもいいかもデスね。要は見られていると意識すると更新停止におちいりにくいのかと思います。
では次に文字数とエタの関係を見ていきましょう」
「これは劇的に変わるな。文字数が少ないと圧倒的にエタっているが文字数が10万越えると連載割合がめっちゃ増えてる。完結率もおもしろいな。10万文字付近が多いんだ」
「そうみたいです。まぁ当たり前かも知れませんが、書かないからエタる。文字数が少なければ少ないほどエタる可能性が跳ね上がります。これが文字数が少ないうちは読まれないにつながるのかも知れませんね、
あと、10万文字付近の完結率が高いのはそれ位を目安にする人が多いようです。本一冊が大体10万文字といわれてますので、あらかじめ分量を決めて執筆しているのでしょうね。7~20万文字付近が多いです」
「それ以降はそこまで変わらないな。連載が多くなる感じか100万文字以上の作品は半分が連載中か……」
「はい、文字数が多ければ多いほどエタリにくい。なので文字数がある程度ないと読まない人が多いというのも理にかなっているようです。では皆さん、どれくらいの文字数で挫折するのか見てみましょう」
「5千文字で約半分か。3万文字で80%がエタっているのな」
「3万文字を越えた連載作品は比較的エタリにくいようですね。10万文字を越えてエタる作品はエタった作品の10%以下ですね」
「エタは結局なところいかに文字数を書けるかが決め手だな」
「そのようです。そのモチベーションとして感想やレビューは有効なようですね。もしもエタりそうな人がいたら応援してみるのもいいかもデス」
「ただ、リアル事情もあるからな。そういう人たちはエタを恥じずにいつか続きを書いてくれるといいな」
「そうなんですよね。エタは恥ではないのです。1年や数年かけて戻ってくる人もいるのでリアル事情で書けない人は落ち着いてからでも戻ってきてくれると嬉しいですね」
「そういや結局のところの完結率ってどうなってんだ」
「あぁ、そうですねこんな感じです」
「年度によって完結率はそんなに変わらないのな。だいたい完結できる割合って決まっているのかもな。評価の時と同じように」
「そうですよね。流入する層は確実に変わってますからね。それに時代も。それらが変わってもエタ率は変わらない。
うーん、これは人間の性質に関わるものなのかも知れません。2018年に投稿された作品の多くもいずれ更新停止になると考えるとちょっと寂しいですね」
「きびしい現実だ」
「さて、最後に生き残っている作者を見てみましょう」
「生き残っている作者?」
「小説家になろうで作品を投稿した作者は20万人くらいいるんですが、どれくらいの作者がまだ投稿しているのか調べてみました。半年以内に作品を投稿、更新した人は登録年度でどれくらいいるのでしょう」
「かなり灰色が多いな。やっぱり昔の人はほぼいないのな。2017年に登録した人ももう30%くらいしか投稿続けてないんだ」
「やっぱり続ける人っていうのはかなり希少な存在です。2018年に登録した人もすでに20%が半年間投稿、更新なしですし。人数も見てみます」
「作者のうち78%がもう投稿していないんだな」
「そうですね。現在の小説家になろうのアクティブな作者は全体の22%の4.5万人です。母数が多いのでかなりの数がいます。やっぱり数の力ってすごいですね。そして登録するユーザーも増えているのでトータルとしてアクティブな作者は増えています」
「へぇ。あぁ、2004年に登録して、まだ更新している人もいるのな。14年間か。すげえな」
「続ける人は続けるようです。10年選手もたくさんいますね。それに負けずに投稿していきたいです。
はい、ということで今回はエタについてみていきました。
エタ。それは作者の誰しもが直面する問題です。
ただ作者の人は恥じることはなく投稿してもらいたいですね。読者の人はエタるかも知れないので作者のモチベーションを上げるためにも感想を送ってみるのもよいですね。特に文字数が少ないうちはエタリやすいので励ますといいかもです!」
「書いても反応がないとつらいよな」
「そうなんですよ~。まぁこの作品はいっぱい感想があるので嬉しい限りです。
はい、ということで小説家になろうの裏を知ろうは今回で終わりです」
「えっ? 突然何?」
「次の番外編では別のところを見ていきますよ」
「別のところ?」
「小説家になろうには他にも関連サイトがあるのです。本編ではやらないので番外編でやっちゃいますよ」
「あぁ、あっちの方か」
「ふふふ、あっちの方を分析している作品は少ないのです。どんな傾向があるのか楽しみですね。では、次の番外編でお会いしましょう。ノシ」
今回はエタについてみていきました。エタは文字数が少ない時に多いです。
そのため、ある程度の文字数がないと読まない人も多いのですよ。
文字数が少ないと小説家になろうではブクマ、評価が少ないのもこのせいかもしれませんね。
書き続けること、これが一番難しいのです。
作者のモチベーション回復剤として、ブクマ、評価、感想、レビューが用意されているので読者は積極的に活用してみるのも手かもしれませんね。
次回予告
「あー」
「どうしたんだ、間抜け面して」
「あ、先輩。誰が間抜け面ですか。ちょっとランキングについて考えていただけです!」
「ほう、ランキングか。何について考えていたんだ?」
「いつか総合ランキングに入ってみたいんですけど、どれくらいポイントが必要なんだろって」
「日間や、週間、月間でも異なるな」
「ランキング入りしてる作品ってどれくらいあるんだろ」
「ふむ、では次はランキングについてみていこうか」
「やった! これでランキング最強に近づけますね」
「ランキング最強ってなんだよ……」
次回、小説家になろうを知ろう「ありふれた小説でランキング最強」




