番外編 小説家になろうの裏を知ろう7
☆データ情報☆
※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。
※作品情報->なろう小説API
※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測です。そのため実際の値から多少ずれがあります。ご承知おきください。
「こんにちは! 大量にレビューが書かれて戦々恐々としている夕です! 番外編も折り返し。7回目です。今回は文字数について見ていきますよ!」
「文字数か~。小説家になろうってすごい多い文字数の作品とかあるよな。よくこれだけ書けるなぁと思ってしまう」
「そうですよね。100万文字の小説とかごろごろありますよね。でも、そんな作品を書いている作者の人はほんの一部なのです。今回はそんな現実を見ていきましょう。本編では『作品』についてみてましたが、番外編では『作者』について焦点を当てていきましょう。まずは文字数の壁を見ましょう」
「なんだこの図は……あぁ、それぞれの書いた文字数範囲の作者の数を表しているのか。えっ、まじで? これは1作品の最大ってことか?」
「違いますよ、その作者が書いた作品の合計の文字数で集計しています。作者が書いた全ての作品の合計で1000文字未満の人は14%です。そしてですね、合計で10万文字以上書いた人は全体の17%です。100万文字書いた人は2%なのですよ」
「えっ、ほとんどの人は合計でも10万文字書いてないのか?」
「はい、本一冊分の分量を書いた人は非常にまれなのです。85%書いていないのです。分布も見てみますよ」
「一番多いのは3000文字~5000文字位なのか……」
「実は小説家になろうの半分の人は合計で1万文字も書いていないのです。そして、低ポイントの作者のほとんどはそこの人なのです。ポイントとの関係も示しますよ。書いた文字数ごとの作者が獲得した合計総合ポイント割合を調べてみました。その作者が書いた作品についた総合ポイントを合計した数値です」
「あー、そういうことなのか。文字数が少ないと確かに評価とかもらいにくいよな」
「1000文字以下の作者の80%は0ポイントです。書いた文字数の合計が1万文字以下の作者は60%が0ポイント。それ以上になるとぐんと0ポイント割合が減ります。今まで見てきた0ポイント作家はほとんどがここに属しています。10万文字を越えるとほとんどの人が評価されています。そして高ポイント割合もかなり上がります」
「なるほどな。ブクマ、評価が欲しければ10万文字くらい書けばいいのか」
「基本的に評価やブクマをつける人はある程度の文字数がないと読まない人も多いのです」
「たしかにな、短編好きならともかく連載作品の1000文字で評価しろってのも難しいからな」
「もし、ブクマやポイントがないと嘆いていて、あまり文字を書いていないのでしたら書いてみてください。最低1万文字位は書いてみるといいでしょう。できたら10万文字まで行くとたいていの場合は評価されるのです!」
「なぁ、そういや文字数少ないと短編の方がいいとかあるのか? なんだか今までの見てると短編で投稿するメリットがないような気がするんだが」
「そう言う疑問も分かりますよ。それのデータも集計しています。では短編作品の文字数ごとのポイントを見ていきましょう」
「短編でも文字数が少ないとだめなんだな。1000文字以下の約半分が0ポイントか。4000文字くらいでその割合は少なくなっているな。でも1万文字を越えたあたりからまた0割合が増えてるのな」
「そうなんですよ。短編でも短すぎると評価されにくいようです。かといってあまり長い短編は好まれないようです。せいぜい2.5万文字くらいでしょうか。それ以上になると高評価割合は少なくなっていきます」
「じゃぁそれくらいの文字数ぐらいなら連載の方がいいのか?」
「ふふふ、その疑問に答えるためにも完結作品の方も見てみましたよ。短編も完結作品も物語が終わっているという点では同じですからね。話数で分割しているかの違いしかありません。それによってどう異なるのか見てみました」
「なんだこれ、短編とは全然傾向が違うな。こっちは文字数が多くなるほど高ポイントが増えてる。短編も完結作品と言えばそうなんだが、種類でここまで違うんだな」
「小説家になろうでは連載と短編では傾向が違うんですよね。ちょっとびっくりですよね。見ての通り完結作品は文字数が多くなるほど評価が増えます」
「どれくらいの文字数なら連載にした方がいいんだ?」
「それも調べてみましたよ。とりあえず0ポイント(低ポイント)を避けたいのか、高ポイントを取りに行きたいのかで分けました。まずは文字数別の0ポイント割合です」
「文字数が少ないと短編の方が0は少ないんだな。その分岐点はだいたい6000文字か。なるほどな低評価を避けたいのであれば6000文字だと分割したほうがいいのか。前回の文字数からすると3000文字×2というのがいいのか」
「次は高ポイント割合ですね。100ポイント以上の割合を見てみました」
「高ポイントの場合は1.5万文字か。てことはざっくり6000文字以下は短編、1.5万文字以上は完結の方がいいって事か」
「だいたいそのようですね。6000文字~1.5万文字ではどちらでも良さそうです。ただその範囲で、低ポイントを避けたいのであれば完結。高ポイントを狙いたいなら短編ですね。ちなみにですが、短編でポイントが高い作品が多いのは2000文字~2万文字付近ですね」
「そんなもんなのか。じゃぁ2万文字を超えたら概ね連載にするとよさそうだな」
「そんな感じです。では最後に1話あたりの文字数の推移についてみてみましょう。投稿年度によって、1話あたり文字数は変化しているのか見てみましたよ」
「分布の形はそこまで変わらないが、でもなんだかピークが移動しているな」
「ちょっとその付近を拡大してみましょう
拡大してみると。2004~2006年の小説はだいたい最頻値が1500文字くらいでした。これはケータイ小説が流行っていた時期に関係すると思いますね。今の半分くらいですね。そして、2007~2009年になるとそれよりも少し右にきています。最頻値は2200文字付近ですね。
そして徐々に文字数は増え2018年に限定すると3000文字付近に集まっています」
「意外だな、なんだか減ってるような気もしたんだが」
「そうですよね。スマートフォンで書きやすい文字数がこれくらいなのかもしれません。昔はケータイだったので短かったんですよ。もしかしたらこのまま増えるのかも知れませんし、この辺りで変動なしかもしれません。今後調査を続ければその傾向もわかっていきそうです」
「こういうのは分析しないと分からないもんだな」
「そうなんですよ! 分析するといろんなことがわかります。みんなも『レッツ! 分析☆』ですよ。それでは今回はこれくらいで。またの番外編でお会いしましょうノシ」
小説家になろうには多くの作者がいますが、多くの人は10万文字も書いていません。
ブクマや評価される作者の多くは10万文字以上を書いているのです。
小説家になろうでは文字数がある程度ないと評価もつきにくい傾向にありますね。
もしも文字数が少なくてブクマや評価が少ないとお悩みならば、まずは続きを書いてみませんか?
ちなみに、文字数が少ないからと言って面白くないというわけではありません。詩などのジャンルでは少ないほうが良いこともあります。単にポイントが入りにくいだけで面白い作品はいっぱいありますよ。短編を投稿される方は、そんなもんなんだなって思ってくださるといいですね。
次回予告
「うーん、どうしようかな~」
「ん、どうかしたのか?」
「あっ、先輩! ちょうどいいところに。ちょっと相談があるんですが」
「なんだ?」
「今連載している作品の更新頻度をどうするか悩んでるんです。今は週2回くらいで更新しているんです。ただランキング作品とか見ていると毎日更新も多くて、更新頻度が高いほうがいいのかなぁと思ってまして」
「更新頻度か。確かに高いほうがランキング上位に載りやすいな。だが、作者のペースというものもあるから週2くらいでも問題ないと思うが……。じゃぁ次は更新頻度についてみていくか」
「やった! 不肖ながらも蒼井赤音、ランキングに載る為にも精一杯頑張ります!」
「欲望全開かよ。もう少し謙虚にしたほうがいいぞ」
次回、小説家になろうを知ろう「定期更新をモットーに投稿しております!」