レビューを知ろう
☆データ情報☆
※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。
※作品情報->なろう小説API
※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測です。そのため実際の値から多少ずれがあります。ご承知おきください。
「さて今回はレビューに関する数値を見ていこう」
「レビュー欲しいけど、全然もらえないんですけど。レビューってホントに存在しているんですか?」
「書いている人も少ないし、もらえない作品も多い。今回はそんな現実を見せてやろう。まずはレビューが1件でも書かれた作品の数だ」
「なんですかー、今までのより断然厳しい! 0が97%って。やばくないですか!?」
「レビューが1件でも書かれた作品は1.7万作品で全体の約3%に相当する」
「あー、これはもらえないわけです。なんという希少さ」
「作品ごとのレビューされた回数分布も見ていこう。0を載せるとグラフが意味をなさないので1件以上もらった作品に限定する」
「貰えている作品でもそんなに数はないんですね。もらえている作品でも1件がほとんどなんですね」
「レビューはポイントやブクマと違って、現段階の最高でも1作品140件だ。20件より多く貰えている作品数は100を切る。では、いつも通り累積度数も見てみよう。完結、短編、連載に分けて集計した」
「うわー、上の方にべったりですね……もう何が何だか」
「このままだとグラフが意味をなしてないから拡大するぞ」
「拡大してもそんなに変わらないような……。うーん、まだ完結作品はもらえるほうなんですね。短編は……0が98.5%ってほぼもらえないも同然ですね」
「もらいやすい完結作品でも92%はレビューがない。これがレビューの現実だ。もらえた人は誇っていいと思う」
「それを聞くとレビューほしくなります! ジャンルはどうなんですか? やっぱりファンタジーがもらいやすいんですか?」
「ではジャンルごとにも見ていこう。割合としてはこんな感じだ」
「そこそこ多いですが、いつもよりは分散している感じがしますね。半分超えてない」
「どうかな、これを小ジャンルに分けてみるぞ」
「あれ? そうでもなかったですね。やっぱりハイファンタジーが多いのですか」
「数としては多いが、全体の割合としてはどれもそんなに変わらないな。90%以上はどのジャンルでも書かれない。複数回書かれている作品がハイファンタジーに多いというわけだ」
「えー、じゃぁポイントが高いと書かれるんですか?」
「分析してみるとわかるが、ポイントが高ければというわけでもない。ということで、レビューが書かれた作品の総合ポイントの分布を見てみた。総合ポイントは対数を取っている」
「多いのは100ポイントあたりですか。意外です。もっと高ポイントに集中しているかと思ったんですが。少なくても書かれるんだ。これは希望が出てきます。あれ? そういえばいつものグラフと形が違いますね。いつもだったら、もっととんがっている気がします。このグラフはなだらかですね」
「良く気付いたな。これはだな。レビューを書く人の種類によって発生していると思われる。この分布は二つの山からできていることが想像できる」
「2つの山ができてるんですか?」
「低ポイント側はスコッパーと呼ばれる人たちによるレビュー。スコッパー(発掘者)は埋もれた、つまりはランキングには載らないが面白い作品を探し出す人たちのことだ。
面白いが、マイナージャンルに投稿されて、あまり読まれない作品なんかをレビューして広めようとしている。または、お気に入り登録している人の応援レビューをしたりする。
その人たちは累計ランキングに載るような作品はあまりレビューしない傾向にある。だから低ポイント側による。いくら面白くても、ジャンルによって読者数が限られるからなかなかポイントは上がらない。逆に高ポイント側に寄っているのは人気作品をレビューする人達によるレビューだな。
この人数比率はスコッパーの方が多い。だからポイントで見ると低ポイント側に寄っている」
「へー、そうなんですね」
「もしもレビューが書かれたいのであれば、レビューが書かれた作品を読むといいだろう。どのような作品が書かれやすいか傾向がわかる。そして、自分でも書いてみることだ」
「あっ、そういえば先輩。レビューって感想とはどう違うんですか? 応援だったら感想でもいいような気もしますが、みんなどう使い分けているんです?」
「小説家になろうのレビューの定義はマニュアルにある。
『小説家になろうにおける「レビュー」機能は、作品の推薦文や紹介文を投稿する為の機能となります。作品への意見や感想等の内容を投稿されます場合は、感想機能をご利用下さい。』
https://syosetu.com/man/review/
レビューというのは、他者への推薦だ。感想や評価は作者に対する行為だが、レビューは違う。レビューは読者に対して作品を勧める行為だ。たまに批評とかもあるが、ここの定義からは外れているぞ」
「へーそうだったんだ」
「他人に読んでもらうための機能だからな、その作品を理解し何を勧めればいいのか考える必要がある。以下はレビューを書くときのポイントだな。
1.この小説の1番の魅力的なポイントは?(キャッチコピー)
2.他の小説と比べてどこがすごい? どこが面白い?
3.どんな小説? あらすじは?
4. この小説を読んで何が得られる?
5.どんな人におすすめ?
(6.著者はどんな人?)
この辺りを意識してレビューを読んだ人が読みたくなるものを書く必要がある」
「そうなんだ。んー、レビューを書くのが難しいのはわかったんですけど、書いたらもらえるっていうのはどういうことなんですか?」
「レビューを書くためには、読んだ人にどうすれば小説の魅力を伝えられるか、他との差別化、読者の対象を考えることが重要だ。これは自分が書いた小説でも同じ。
そして小説家になろうのレビューには400文字で書くという制限がある。この文字数では全部を書くことはできないから、焦点をしぼる必要がある。短い文字数で魅力を伝える能力が伸びる
これは自分の小説のキャッチコピーや押しポイントの把握、簡潔なあらすじ作成能力に使える。特にあらすじはだらだら書いても読まれない。300文字程度ですっきりまとまっているのが望ましい。
要するにレビューを書けば、簡潔なあらすじが書け、読者を呼び込むスキルが伸びるということだ。作品の長所がはっきりしている作品はレビューも書きやすい。これがレビューを書けば、レビューがもらえやすくなるカラクリだ。まぁ、他にも理由はあるがここでは言わない」
「えー、なんだか気になります。でもなるほど、なんとなくわかりました。魅力とかあまり考えたことなかったです。私も、レビューを書いてみようかな」
「短くまとめるのも重要なスキルだな。
レビューを書くのはいいことだ。ただ、誤解しないでほしいが、レビューはあくまでその作品の応援だ。自作の応援ではない。練習するのもいいが、必ずきちんと読んで、応援したい、広めたい作品をレビューすること。そこだけは間違えないでほしい。中には売名行為のために利用する人もいるがレビューは『作品の推薦文や紹介文を投稿する為の機能』だ。自分を売り込むためのものじゃない。それだけは忘れないように」
「えっ、そんな人もいるんだ……」
「たまにいるな。だがそれは、ほとんどの場合は逆効果になる。そのあたりはレビューに関するエッセイとか読むといいかもな。いろいろと書かれているぞ。ということで今回はこのくらいにしておくか」
「はい、ありがとうございます」
レビューをもらえるのはほんの一部の作品。でもポイントが高い作品だけがもらえるかといえばそうでもない。
もしもあなたが、レビューを欲しいと思っているのなら、レビューが書かれた作品を読んでみるといいかも。それか、レビューを書いてみるといいかも。
そうするとどんな作品にレビューが書きやすいかがわかります。レビューを書くって結構大変なんですよ? まぁ、それが希少性につながるのですけど。
でも、ただ書くだけではだめで、書いてPV数やポイントの伸びを見ながら、レビューのよしあしを研究するのが大事ですね。
※今回の元ネタ
『読み専が紹介する『なろうお気に入り作品』』
https://ncode.syosetu.com/n5553dx/
超有名レビュアーによる作品紹介作品。
小説家になろうには数多の作品紹介エッセイが存在するが、他の追随を許さない人気ぶり。エッセイジャンルにおいて総合ポイント1位。そして2位にほぼトリプルスコアという圧倒的人気作品。レビューされた回数では全なろう小説(60万作品)で20位以内に入っている。
その人気の秘訣は優良作品群、紹介作品数そして紹介の仕方。
基本的に文字数の多い小説を紹介しているため、多くの活字中毒者が集まってくる。
現時点で300件近い作品が紹介されており、ここを見るだけで良作が見つかる。
ランキング上位の作品だけではなく、隠れた名作も紹介されている。
また、感想欄はお勧め作品紹介欄になっているためそこからでも知らない良作に出会える。
感想欄で紹介されたタイトルは『皆さまから紹介していただいたタイトル一覧』にまとまっている。
https://ncode.syosetu.com/n0444eo/
もしも次に読みたい作品がないのであれば、この作品を読むと見つかる可能性が大。活字中毒者御用達の作品紹介作品である。