6/10
2.それは本当に友達か? 管仲伝01
友とは何か?
それは、定義できるようでできない、微妙なものだ。あてはまるから友達かというと、そうでないようなこともあるし、全然あてはまっていないのに、友達のような気がする場合だってある。いつ友達になったかわからないこともあるし、つまりは、なるべくしてなるものではない、曖昧なものだ。
それでも、なんとなく人は、自分なりに区別をしている。こういう奴とは付き合わない、とか、ここだけの付きあい、とか、そんな風に区別したものを、友人とは思っていないことも。
つまり、自分にとって都合のよい人間を友達、とは呼ばない。それは、確かだ。
今回とりあげるのは、管仲の話だ。
友人関係の理想形の代名詞ともいえる『管鮑の交わり』という言葉を産んだ話である。
ここで私はあえて、問いたい。
それは本当に友達か?と。