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モミジ、色づく。  作者: 白木 一
第五章 人魚姫の未来。
34/41

孤独な人魚の夢。

『エントリーナンバー、一番! 川本かわもと流南るな


 蒼浦高校の文化祭で一番の目玉イベント、マーメイドコンテストの幕が上がった。

 マーメイドコンテストは午前と午後の二部に分かれている。

 午前の部は制服のまま、普段の学生らしさが審査の対象になる。私はもちろん仮面を外さず、いつもの姿で勝負する。それが私の普通であり、ギャップが激しい方が萌えやすいでしょ! という蘭さんのアドバイスでもある。

 お昼休憩をはさんでの午後の部は、ほとんど制限のない自由部門。着る服もメイクもアクセサリーも、好きなものを自由に使える。

 ただし、『マーメイド』とは言いながらも、水着などの過度の露出は禁止されている。あくまでも学校行事の一環というわけだ。



『エントリーナンバー、二番! 井土いづち果子かこ


 今回のコンテスト出場者は四人。一部例外を除き、毎年このくらいの人数しかエントリーしないそうだ。

 また、出場者するのはたいてい二年生。大学受験を控えた三年生や、入学して日の浅い一年生よりも余裕があるから、らしい。ちなみに、今年も出場者全員が二年生である。

 グランプリは多数決で選ばれるのだけれど、票の数え方は案外適当だ。

 生徒一人一人に色の異なる旗が配られ、その旗を掲げることで投票を行う。色はエントリー順で決められていて、赤、緑、黃、紫……と続く。

 票数が僅差であれば、生徒の代表機関である生徒会が決める。過去に生徒会が介入したコンテストはないらしいけれど。

 もっとも、見た目よりも人気や影響力の大きい人がグランプリに選ばれる場合がほとんどだという。出来レースとでも言うべきだろうか。



『エントリーナンバー、三番! 三加元みかもと美環みかん


 午前と午後のインターバルに、蘭さんが助っ人を連れてきてくださるらしい。

 現役トップモデルの呼ぶ助っ人だから、やはりプロの方だろうか。

 高校の文化祭のコンテストにしては大きすぎる応援かもしれないし、ずるいとは思うけれど仕方がない。亮介くんの隣に立つには目立つしかないのだから。認められなければ進めない……。

 私は過去を過去として受け入れた。

 亮介くんともっとデートがしたい。

 誰かの目を恐れてびくびくしたくはない。

 恨まれるでも疎まれるでもない。

 からかいも祝いもいらない。

 せめて、彼氏彼女という関係が受け入れられれば、恋人だと認められれば、それだけでいい。



『エントリーナンバー、四番! 藍澤あいざわ紅葉もみじ


 泡と消えるか、王子様と結ばれるか。



 本当のハッピーエンドは――。

こんにちは、白木 一です。

ドキドキ少なめのマーメイドコンテスト編です。数話で終わります。

が、蘭さん出てくるので……どうなるのでしょうかね。

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