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合格

 9月2日、放課後、担任の山田先生に横田は呼び出された。場所はひとけのない、渡り廊下だ。



 「横田くん、J大学経済学部に行ってもらいます!」


 「ありがとうございます!」…



 それからのひとつき間は、喜びと「燃え尽き」感でいっぱいだった。



 喜びは、当然。怖いのは「燃え尽き症候群」に完全になってしまいそうな自分だった。無理もない。この2年半あまり、学校が普通にある日でも、一日あたり8時間は自宅学習してきたのだから。



 一方、越美のあや子は、同じく指定校推薦で地元の短大に内定した。



 9月第二日曜日、二人はどちらからともなく、LINEで連絡を取り合い、思えば初デートとなった。



 恋の始まりは、受験のあとに。




 町から一時間の場所に水族館があり、そこが、初デートのスポットとなる。



 何を話したかは基典もあや子も覚えていない。くらいに帰りの電車、西陽のなか、繋いだ手と手が暖かかった。二人は違う地方に行くことに来春からなる。



 「遠距離恋愛」するか、どうか…


 そう!あや子も横田が誰よりも好きで尊敬していた。



 本当の人生の勉強がスタートした、9月第二週日曜日だった。



 彼らは、思い返せば、エリートである。どこにも恋愛センスは現時点でなかった。



 残りわずかな高校生活と、それからのキャンパスライフを、心行くまで充実させてほしい。



 「若きは、力」である。

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