Ⅱ 初めてだらけの日 part 1
「貴様か!さっきの魔法は!?」
やっぱり見られてしまったか・・・。この状況をどうにかしないと・・・
「ん・・・?なんだ異世界人か。くれぐれもここらを破壊しないようにしろよ。」
あぁ、もうこの世界の住人は異世界人がいるのは当たり前と思っているらしい。
なんというか良かったと言うべきなのか?
「あ、あのすいません!」
「なんだ?異世界人」
「おおきい街はどこにありますか」
「ここから真っ直ぐ行けばつく。ついでに許可書も渡しておくから、被害を出さないようにしろ」
パスポートみたいなプラスチック製のカードを渡された。これが許可書なのだろう。いったいどんな街なのだろう?想像するだけでわくわくしてくる
「そこの姉ちゃんよぉ、いい体してんじゃねぇか」
「俺達と遊ばねぇか?」
姉ちゃんとは誰のことなんだろう? そんなことは後にしておいて、空を飛んで街へ行くか。
「お、おい!!待てよ!!」
その声は聞こえるこはなかった。
-ハイアット城下町-
「異世界人ですね、許可書を発行いたしましょうか?」
「いや、兵士から一枚いただいたのでけっこうです」
「そうですか・・・それではお通り下さい。」
ぱっと見た感じ、活気があってとてもいい町だ。遠くの方に城があるので多分ここは城下町なんだろう。まずは宿の確保・・・ってお金ないじゃん!!
どうすればいいのだろう・・・?
「お嬢ちゃんお困りのようだね」
「あ、はい。お金をどうやって確保しようか考えているところです」
「お嬢ちゃん異世界人みたいだし、試しにギルドへ行ってみ?けっこうお金手に入れられるから」
「ありがとうございます」
そういえば皆俺のことお嬢ちゃんとかって呼ぶけどなんでだろ・・・あっ変身解除しても24時間女状態なんだっけ。だからか。
まずはお金の確保だ!!ギルドへ行くぞ!!
-総合ギルド案内所-
「いらっしゃいませ。異世界人の方ですか?」
「はい、そうです。」
「でしたら、ギルド登録をおぬぬめします」
「それじゃぁ、お願いします」
「ではこちらの紙に記入してください」
渡されたのは、日本語で書かれてある紙だった。戸惑うことなく普通に渡してきたので少し驚いた。
-3分後-
「書き終わりました。」
「はい、一応名前の変更ができますがどうします?」
「それじゃ男の時はタカシで、女のときは・・・」
「リーゼロッテ = ルヴィッチはいかかでしょうか?」
「へっ?」
「こちらの世界で『運命』や『奇跡を起こす』という意味の言葉です。」
「じゃ、それでお願いします。」
「了解です!!ルヴィッチさん♪」
この店員は、こういう系の言葉が好きなのか?それともチュウニビョウなのか?
どちらにせよ、まずい人である。
「こちらがギルドカードとなります。」
--ギルドカード(異世界人専用)--
名前:タカシ/リーゼロッテ = ルヴィッチ
二つ名:一般人男性/超新星のスーパーアイドル
性別:男(特殊)
能力:魔法少女変身
職業:魔法使い(仮)
総合ランク C
「いや~大変でしたよ。だってルヴィッチさんが初なんですもの」
「何がですか?」
「こういう変身系の能力です。ましてや性別が変わっちゃう能力なんてめずらしすぎです。」
「・・・突然ですが、あなたの能力は何ですか?」
「私ですか?私はですね、人間を花に変える能力です」
それってけっこう最強じゃね?って思うのは俺だけかな?
「まぁ、それは置いといて。さっそく任務に行ってもらいましょう!!」
「俺の希望としては、大型モンスターの討伐がいいですね」
「残念ながら大型モンスターの討伐はBランクにならないと受注することができないのです。それと俺っていうのは男の時だけにしてくださいね」
「・・・じゃどんな任務があるんですか?」
「一番報酬がウマウマなのは、ゴブリンの巣を破壊してくる任務です。ルヴィっちさんなら簡単ですよね?」
「多分。」
「じゃさっそくこちらにサインをして行ってきてくださいね」
任務受注用紙と書かれた紙を渡された。一応タカシとルヴィッチの両方を書き受注した。初任務、ワクワクしてくる。
-目的地 古代の森林-
「うわああああああああああああ!!」
人の叫び声が聞こえる。もしかしたらゴブリンの巣かもしれない!!そう思って行ってみるとでかい化物がいた。
「た、助けてくれ!!そこのお嬢ちゃん!!」
「しょうがないですね。今回だけですよ?」