3、4月8日(月)11時15分
入学式は中盤に差し掛かる。
新入生の点呼、
校長の話、
教育委員会の話、
PTA会長の話、
そして、現在は
後援会会長の話。
たいして、することも考えることもない俺。
いや、厳密にはないことはないのだが・・・
俺の周りに座っている
生徒、保護者の方々の心の声を
俺が、大べ・・・オッホン。
代弁しよう。
なっっっがい!!
長い長い長い長い長い!!!
どんだけ話せば気が晴れるんか!?
どんだけ話すのが好きなんか!?
「暖かな日差しに、美しく咲く桜たち。
まるで、皆さんの入学を祝っているようですね。」
やかましわっ、ボケが!!
さっきも言うたやろう!?
外を見ろ、外を!
花弁が散ってしまった桜たち、
重々しい曇天の空、
これのどこが、祝ってるって
いうんですか!?
前々から挨拶を考えてくれてたのは
確かにいいことですが・・・
ちょっとは臨機応変という言葉を
知っときましょう。(笑)
まったく・・・
「・・・・であり、我が校は生徒たちの頑張りのおかげで
非常に優秀な学校であると、評判になっており・・・」
少しずつ苛立ちがおさまりつつある中、
そんな会長さんの話が聞こえた。
その通り。
ここは、近所の・・・
いや、県内でも屈指の進学校でございます。
全国模試でも上位に名前を連ねる奴らも
いるらしい。
俺、そんな学校に入ったんだな・・・
と、一人でしみじみとしていたら、
「新入生代表挨拶。」
これが終われば、あとは聞いたこともない
この学校の校歌を口パクすれば、
晴れて釈放(?)である。
いやー、長かった長かった。
やっと、やっと主人公の名前が登場します。待ってたみなさん、お待たせしました。・・・・はい、待ってないとか言わないでください(泣)