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WORLD ~ハロウィンでの一時~

作者: 凍結キノコ


 時間がなさすぎて文が変になってるかもしれないですけど記念小説なので妥協しました(笑)…すみません。




 あっれー、トリック・オア・トリートでイタズラをアルマ(銀髪獣人)にするつもりで仮装して寮室を訪れた筈なのに。



「はぁはぁはぁ、仮装した桐佳(きりか(銀髪男の娘の人間))可愛すぎだろおいぃぃ!!こすこすこす」


 逆に全裸で押し倒されて頬擦り、襲われたなんて予想外だった。


「い、いやあのね、トリック・オア・トリート、今日ハロウィンだって。お菓子くれないとイタズラしちゃうよ?」


「ブファ!桐佳からのイタズラッ!?」


「そこだけ反応しないでくださる?あと当たってるから、嬉しくないものが当たってるから」


 引き剥がそうとする僕にアルマがいつにない真剣な表情で。


「当ててるんだよ」


「んにゅ~!嬉しくないからぁ~!」


 迫真さを強調しなくていいからホモは離れてー!


 只でさえ体力がないのに…押し返す力が出ない。


 抵抗する力が無いと見たかアルマ自ら僕から離れ優しく起こしてくれる。…優しくしてくれるなら元からやらないでよ。


「わりぃわりぃ、桐佳が可愛すぎたんでつい」


「んー、今に越したことじゃないしいいよ」


「つかなんだよその、魔女衣装は。魔術スキルが付加する装備か?」


「話聞いてたの…?ハロウィンだって、今日10月31日でしょ?」


「いやまぁ10月31日ってのはわかってんだが『はぁろぅぃん』ってなんだ?食えんのか?」


「」



 どうやら獣界にはハロウィンがなかったらしい。無理もないのかな。



―――



「菓子も貰えて尚且つイタズラ出来るなんて面白いイベントだなハロウィンって!」


「矛盾のパラダイス!それじゃあ完全に子ども大人に殴られるって!」


「冗談冗談、両方やんのは桐佳だけだぜ」


 これっぽっちも嬉しかないよ。迷惑の一言だよ。


「だが桐佳の国じゃみんなやらないんだろ?」


「うん、パンプキンケーキ食べるだけ」


 正直つまらないよね。うん、イベントなのに外国しかやってないなんておかしいよ。


「折角違う世界にいるんだしやりたいなぁって、咲耶(さくや(青髪人間少女)と話してたんだ)」


 咲耶は日本人だから思ってることは僕と一緒だったみたい、乗り気で僕を仮装させてくれたよ。本人はそんな僕をカメラでずっと録ってたけど。


 アルマはガッツポーズで嬉し泣きをしていた。どうせ『ナイス咲耶!』とか思ってるに違いない。


「で、アルマもやらない?」


「いいぜ、楽しそうだしな」


「ん、ありがと。じゃあとりあえず仮装――」


「よっしいくぜぇぇ!」


「って全裸ハロウィン!?」


 最早犯罪じゃん!?


 僕の言葉など耳も傾けず寮室を飛び出して片っ端から。



「トリック・オア・トリート!!」ガラ


「うわぁぁぁ!?全裸ARMだぁぁ!?」


「トリック・オア・トリート!!」


ガラ


「変態だ!?だがスタンバってた俺に抜かりはない、桐佳ちゃんのブロマイドだ!」


「トリック・オア・トリート!!」ガラ


「トリック・オア・トリート!!同類がいたっ!」


「そろそろ体冷えてきたな!」ガラ


「お、おかえり…」



 そりゃ当たり前だよ。それにしてもここ近辺の寮生はまともな人がいなくて呆れた…


 アルマにジャックランタンの着ぐるみを渡す。


 不思議がるアルマだけど着替えてくれた。


「おう、やけに股間の風通しがいいな」


 しまった…そういう構図だったかっ!?やけに強調されて逆に目立ってしまっている…っ!


「パンツ穿きゃいいか」


 それが一番だよ。



――



「トリック・オア・トリート~」


「ど~ぞ」


 みんな人間以外の種族もちゃんとハロウィンを知ってたらしく道行く生徒からクッキーやチョコを貰った。


 こういうときに容姿に感謝だね。


 可愛い可愛いって先輩の男子や女子にハグされまくったけど嫌な気分じゃないなぁ。お菓子いっぱい貰えたしね


 アルマも女子からいっぱい貰ってた。


「楽しいな、ハロウィン!」


 楽しそう笑うアルマに僕も笑う。


「僕たちと同じように仮装する人も多かったね。ルルー先生もカボチャ料理食べてたし」


「獣界には記念日的なのが全然ないからな、あったとしても終戦日とかだしなぁ」


「人間さんは暇人が多いんだよ」


「ニートがか?」


「違うわっ!」


 ニートは多いけど意味が違います。




「御機嫌よう、人間と獣、そしてTrick or treat」


 不意にかかる男勝りのダンディーボイスに僕たちは後ろを振り向く。


 そこには黒く染めた長髪に黒眼鏡をかけ黒のスーツの上に赤いマントを着て両手に変わった手袋を嵌め銀と黒の二丁拳銃を持ってる……って


「旦那じゃん!?」


 じゃなくて仮装した咲耶だ。焦った…


 いつも通りの表情に戻った咲耶は拳銃を空間に納める。


「おぉ!咲耶、中々様になってんじゃん。なんの仮装かわかんねぇけど」


「ハロウィンと言えば吸血鬼、吸血鬼と言えばこれって思ってね。因みに髪は魔術変色だから~」


「程々に頼むよ、学園側から怒られたくはないから」


「開放だめ?」


「ダメです」


 えぇ~と肩を落とされる。イベントだからってやっていいことと悪いことの区別はつけなくちゃ。皆さんも怒られないようにね。


「けど二人とも似合ってるね、アルマなんてベストチョイスじゃない」


 まぁなと得意気にVサインをするアルマ。等身大カボチャ被っただけだよ…?


「桐佳もいつにも増して可愛いしね」


「はいはいありがとー」



――



〔理事長室前〕



「「「トリック・オア・トリート!!」」」ガラ



「はぁはぁ、桐佳ちゃん、なんて可愛いんだ。いやこちらも中々、だが等身大抱き枕も抱き心地最高だ!!すりこすすりこ………あ」


「」



 目が合った瞬間目を逸らし。


「トーリト・アオ・クッリト~」ピシャ


 扉を閉めた。


「私をくれてやろう!」ガラッ!


 が興奮気味にあちらから飛び出してきた!?



「「イタズラされるぅぅぅぅ!?」」



「風音(かざね(変態理事長))さん菓子くれ~」



――



「そうか、今日はハロウィンだったな。道理で皆和気藹々としていた訳だ」


「奮闘していた方もいましたけどね」


「君たちは私にせびりに来たってことか、他の誰でもない気がつけば学園長から理事長に改名されていた私に!」


「いえ、通りかかったのでついで程度に」


「私のわくわくを返してくれ…」


 そう言えば理事長になってたね。まぁ、違わないからいいじゃない。


「仕方ない、余り物だが一つ二万程するパンプキンケーキをやろうではないか。すまんな、安物で」


「貴女の神経どうかしてますよ!?」


「確かに、私も最近一万円するチョコ貰ったし…」


「金なんざ只の紙切れだ!」


「「ぶっ殺されたいですか!?」」


「桐佳~咲耶~、矛盾してるぞ」





――





 帰り道




「予想以上にハロウィンが大規模な行事だと今日を通じて痛感したよ…」


「大袋二つってサンタみたいね」


「今度はクリスマスで盛り上がろうぜ」


 もう日も沈んで夜の灯りが照らされている並木で僕たち三人は肩を並べて歩いていた。


 夜にあの服装はまずいということで僕と咲耶は私服に着替えた。アルマは未だカボチャ装備。


「冷えてきたね~」


「桐佳、私のコート着る?」


「いいよ、咲耶こそ僕のコート着る?」


「寒いんなら俺の隣に入れよ、温まるぜ」


「倒れるのが目に見えてるよ。あとアルマが興奮するから遠慮」


「ちぇ~、咲耶入るか?」


「私に振ってきた!?入らないよ!」


「んじゃ被るか?」


「アルマが下着一枚になっちゃうでしょうが…」


 それもそうかと笑うアルマに吊られて僕たちも笑う。


 笑い合った僕たちは空を見上げる。空にはたくさんの星ぼしが光ってた。



「季節が、変わるね」


「うん、冬が来て春が来て、すぐに二年生だよ」


「多分僕はそれまでには消えてるかな」


「大丈夫だよ、桐佳勉強は毎回トップなんだから」


「勉強だけじゃここには居られないよ」


「そこは頑張るしかないよ」


 言ってくれるよ。それが出来れば苦労しないんだから。


「ならさ、ダメなところにいくまで目一杯楽しもうぜ。な」


「あ、それいいね。開き直っちゃえばいいんだよ」


「こらこら、程々だよ。つか僕の人生は僕のものだって」


「桐佳の人生は俺と咲耶のもの」


「私とアルマの人生を共に歩むのは桐佳だよ」


 僕の手を握ってくれる咲耶とアルマの手は、寒さも溶かすあったかさを持った手だった。


 僕の為に笑ってくれる友達、僕の為に手を握ってくれる友達、僕の為に支えてくれる友達。


 次第に頬が緩んでくるのに気づき僕は優しく握り返した。



「幸せを、ありがとね」


 僕も、二人の為にもなりたい、そう思った大切な日だった。










「君たち!こんな時間になにをしているんだ!」



 と思いきや良いムードぶち壊しのポリスマン登場だよ。


 よくよく見たら12時廻ってるし!?


「いやあのですね、これは~」


 咲耶が説得を試みようとするが警察は止まってくれず僕たちの方へ歩み寄り。


「少し来てもらおう!」


 アルマだけの手首に手錠をかけた。



「……は?」


 ……へ?


「真夜中に明らかに変質者の格好をししかも女の子二人に手をかけるとは、人類として恥ずかしくないのか!」


「いや、え?話聞いてください!」


「話なら署でゆっくり聞こうじゃないか!」


 アルマと警察が口論している中で僕と咲耶は目を合わせ意気投合したかのように力強く頷きこう言った。



「「この人痴漢なんですっ!!」」


「そうそう痴漢…って、…え?」





 その後、アルマが帰ってきたのは二日後だったという。



 これが一年前のハロウィンの出来事でした。めでたしめでたし。


 あ、皆さんはお菓子貰えたかな?


桐「実を言っちゃうと今日は作者の誕生日でもあるんだよねー。おめでと~」


 なんか…虚しいっすね


桐「今年の抱負は?」


 今年は…ってあと一ヶ月しかないじゃない!?ま、まぁ、ウロボロス先輩を上手く使えるようになることですかね


桐「そっか、僕もカード頑張んなくちゃ。じゃ、ばいばーい」

 さよなら~



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