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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

それでも私は運がいい

作者:キキひげ
最新エピソード掲載日:2025/12/20
若い父と、父をつなぎとめるために年齢を偽った母のもとに、私は生まれた。
その家庭は最初から不安定で、綱渡りのような均衡の上に成り立っていた。

弟が生まれて間もなく、母は病に倒れ、入退院を繰り返すようになる。
母不在の時間が増えるにつれ、家族の形は少しずつ、しかし確実に崩れていった。
父は家庭に留まる力を失い、私は幼いながらも「埋め合わせ」を求められる存在になっていく。

感情を表に出すことは許されず、
泣かず、頼らず、空気を読み、
大人の事情を理解する役を無言のうちに引き受けた。

やがて家庭には、言葉にされない裏切りや、歪んだ人間関係が入り込み、
私は「子ども」であることを手放すことでしか生き延びられなくなる。
安心できる居場所はなく、愛情は条件付きで、
自己価値は常に他者の機嫌によって測られた。

成長するにつれ、私は同じ構造を外の世界でも繰り返す。
理解されることを求め、必要とされることで自分の存在を保とうとし、
無意識のうちに自分を後回しにする関係ばかりを選んでしまう。

これは
救いは劇的には訪れない。
過去が完全に癒えることもない。
それでも、語ることでしか前に進めなかった人生があり、
沈黙を強いられてきた時間に、ようやく声を与える物語である。
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