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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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8/24

外伝 ― 婚約者アルベルトの受難

あの日。

妹が叫んだ――


「アルベルト様ほひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」


その瞬間、

庭が閃光に包まれ、

大地が揺れ、

屋敷の鐘が勝手に鳴り響いた。


アルベルト:「な、なにが起きた!?」


――ドオオォォォォン


彼の視界は真っ白になり、

気づけば空高く吹き飛ばされていた。



目を覚ましたアルベルトは、見知らぬ石造りの天井を見上げていた。

周囲には修道女たち。


シスター:「まぁ、目を覚ましたのですね。

 あなた、爆風で鐘楼まで飛ばされてきたんですよ」


アルベルト:「……え?」


シスター:「ちなみに、服もほとんど消し飛んでましたが、

 それは神の試練だと思いなさい」


アルベルト:「(神どころか女神の悪戯だろう……)」



それから数日。

アルベルトは修道院の畑を耕し、パンを焼き、

無心で祈りを捧げる日々を過ごしていた。


「欲望を持つと、人は爆発する」

その教訓が、彼の胸に深く刻まれていた。


アルベルト:「……もう二度と“欲しい”なんて思うものか」


シスター:「まぁ立派。でも、パンはもう少し焼き加減を控えめにね」

アルベルト:「……。」



一方そのころ、伯爵家では。


お姉ちゃん:「アルベルト様が行方不明!? どこに!?」

妹:「爆発の時に飛んでった……気がする……」


執事:「北の方角に“鐘の音”が響いたと……」

お姉ちゃん:「それ修道院じゃない!!」


馬を走らせ、紅茶を持って救出へ。



修道院の庭。

鍬を手に無言で土を耕すアルベルトの背に、

お姉ちゃんが声をかけた。


お姉ちゃん:「アルベルト様!」

アルベルト(驚き):「お嬢様……!? まさかご無事で……」

お姉ちゃん:「はい。……あなたも無事で、本当に良かった」


アルベルト:「私は……“欲しい”という感情を封印しました。

 もう誰も爆発させないために……」


お姉ちゃん:「……でも、“誰かを想う”のは、“欲”とは違いますわ(妹が欲しがらなかったら爆発しないのに何でこんなことになってるんだろう?)」


アルベルト:「……!」


その言葉に、彼の胸の中で何かが再び灯った。

しかし、彼は即座に自制した。


アルベルト:「……い、いけない、今、心が熱くなった!」

お姉ちゃん:「だ、大丈夫! まだ煙だけよ!(え?なんで?爆発するの?え?)」


――ポフッ(ちょっとだけ蒸気が上がる)



数日後、屋敷にて。


アルベルト:「私は再びこの伯爵家に戻ります。

 “欲望”ではなく“誠実”を胸に、今度こそ爆発しない愛を」


お姉ちゃん:「まぁ……素敵ですわ(まあ、誠実なのは良いことなので結果オーライ!バッチコーイですわ!)」

女神(上空から小声で):「いや、爆発しない保証はないけどね……」


妹:「お姉ちゃん……アルベルト様、ちょっとカッコよくなったかも……」

お姉ちゃん:「ダメ! 欲しいって思ったら爆――」


ボカーーーーーーン!!!


屋敷:「(またかー!)」



エピローグ


その後、アルベルトは“爆発にも動じない紳士”として有名になった。

求婚のたびに爆音が鳴り響くという都市伝説は、やがて**「愛の爆発伝説」**として語り継がれることになる。


お姉ちゃん:「……まぁ、愛っていつも少し危険ね」

アルベルト:「ええ、でもあなたの隣でなら、何度でも吹き飛びたい」

お姉ちゃん:「……それは比喩であってほしいわ」



――完。

アルベルト様は伯爵家の執事(男爵の爵位持ち)の息子

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