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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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7/24

― 欲望、爆ぜる ―

あの時間加速事件のあと。

世界は落ち着きを取り戻した――はずだった。


だが、妹の目がまた輝き始める。


妹:「お姉さまのペン、きらきらしてる! ほしい!」

お姉ちゃん:「え、ちょっ、また!?」


妹:「お姉さまのペンがほしい!ほしい!ほひい!ほひいい!!ほひーーーー!ほひーーーのーーー!!」


お姉ちゃん:「……女神様ァァァァァァァ!!!」




-------------------------------------------------------------------------------------------

お姉ちゃん:「お願いです女神様! もうエレガントも野生も要りません!

 シンプルに、妹が“欲しがったら困る”ようにしてください!!」


女神アモーレ(疲労気味):「あなたの家、スキル履歴がカオスすぎて、もう私の管理画面バグってるのよ……」

お姉ちゃん:「お願いします! 今度こそ効果的なやつを!」


女神:「……わかったわ。

 じゃあ、“欲望が爆発して形を失う”スキルを授けましょう」


お姉ちゃん:「えっ、爆発って……比喩ですよね?」

女神:「多分ね。……多分」




翌朝。

妹:「お姉ちゃんの髪飾り、ほひ――」


――ドガァァァン!!


屋敷の二階が軽く吹き飛ぶ。

花瓶が宙を舞い、メイドが悲鳴を上げた。


妹:「えぇぇ!? なんで爆発したの!? 欲しかっただけなのに!!」

お姉ちゃん(震え声):「……本当に比喩じゃなかったのね……」



妹:「お姉ちゃんの靴、かわ――」ドカーン!

妹:「その本もおもしろそ――」ボゴーン!

妹:「婚約者さ――」イ〇ナ〇ン!(特大)


屋敷の壁が波打ち、空に煙の花が咲く。


お姉ちゃん:「もはや戦場よ……!」

執事(煤だらけ):「お嬢様方、もう屋敷の在庫がございません!」


女神(上空から):「すごい……欲望の爆縮による浄化現象……人類の進化かもしれない……!」



爆発の余波で庭が丸ごと焦土と化したころ、

妹はふらふらと立ち上がり、すすけた顔で呟いた。


妹:「……もう、何も欲しくない。

 “ほしい”って思った瞬間、全部吹き飛ぶんだもの……」


お姉ちゃん:「妹……!」

妹:「気づいたの。欲望って……火薬みたいなものなのね……」


お姉ちゃん:「(感動して泣きそう)……成長したのね……」

妹:「ううん、ただのPTSDかも……」



女神:「というわけで、妹さんの“欲しい病”は完治したわ。

 副作用として屋敷が更地になったけど」


お姉ちゃん:「ええ……でも静かになりました」

女神:「それがいちばんよ。

 “欲”を抑えるには、時に派手な爆発が必要なの」


お姉ちゃん:「……名言みたいに言わないでください」



7.エピローグ ― 灰と紅茶


数日後、再建された屋敷の庭。

姉妹は瓦礫の上で紅茶を飲んでいた。


妹:「ねぇ、お姉ちゃん。もう“欲しい”って言わない代わりに……」

お姉ちゃん:「なに?」

妹:「“ありがとう”って言うようにするね」


お姉ちゃん:「……それがいちばん素敵なスキルよ」


女神(遠くでメモを取りながら):「“デザイア・デトネーション・フォー・ヒューマニティ”……論文にできそうね」


そして、風に乗って小さな爆発音がひとつ。


――ポンッ(紅茶のティーポットがまたやられた)


お姉ちゃん&妹:「……まぁ、これくらいなら平和ね」


爆発スキル編

――完。

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