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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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4/24

― ゴリラ受容期 ―

ゴリラスキルが発動してからというもの、伯爵家は平和そのものだった。


妹が何かを欲しがるたびに

それは妹にだけ“ゴリラ”に見える。


結果、

妹:「もうイヤァァ!! ゴリラ怖いぃぃぃ!!」

→ 欲望消滅。


お姉ちゃん:「ありがとう女神様……やっと静かになったわ……」


執事:「長年の騒動もようやく終息ですな」


──そう思っていた。



ある日、妹が鏡を見つめながら呟いた。


妹:「……でも……このゴリラ柄ドレス、なんか見慣れると悪くないかも」


お姉ちゃん:「!? ちょっと待って、それ慣れちゃダメなやつ!!」


妹:「だって、このドレス、筋肉の陰影が美しいの。

 しかも触ると……温もりがある気がする!」


お姉ちゃん:「それ錯覚だから!!」


だが、妹の中で何かが目覚め始めていた。



妹は屋敷の庭に出て、

ゴリラに見える使用人(※普通の執事)に声をかけた。


妹:「……ねぇ、あなた、今日もウホってる?」

執事:「は、はい?(えっ私?)」


妹:「あっ、やっぱり! 優しい目をしてる……!

 ねぇお姉ちゃん、やっぱり“ゴリラがいい”わ!」


お姉ちゃん:「いやいやいやいや!? なにが“やっぱり”なの!?」


妹は目を輝かせて続けた。


妹:「お姉ちゃんの婚約者様も、あの立派な背筋……もはや神々しい!

 むしろ、普通の人間の方が頼りなく見える!」


お姉ちゃん:「ゴリラ観が歪みすぎてる!!!」



夜。

お姉ちゃんは天に向かって叫んだ。


お姉ちゃん:「女神様ぁぁぁぁぁ!!!またですぅぅぅ!!」


光が現れ、女神アモーレがため息をつきながら降りてきた。


女神:「……今度は何?」

お姉ちゃん:「妹が……ゴリラに恋してます!!」

女神:「(遠い目)……人類、慣れるの早いわね」


お姉ちゃん:「どうにかして!」

女神:「うーん……じゃあ、“ゴリラが見えるスキル”を妹から剥がす?」

お姉ちゃん:「はい、お願いします!」

女神:「ただし、解除には本人の“欲望の宣言”が必要よ」



お姉ちゃんは妹を中庭へ呼び出した。


お姉ちゃん:「お願い、妹。もう“欲しい”って言わないで」

妹:「……でもお姉ちゃん。私、もう“ゴリラが欲しい”の」


女神:「(ピクッ)……はいアウト」


妹の頭上に光の渦が生まれ、

空に巨大な影が浮かび上がる。


――それは黄金に輝く、王冠を戴くゴリラ神だった。



ゴリラ神:「ウホ……ウホウホ……(意訳:欲望を昇華せよ)」


妹:「神ゴリラ様ぁぁぁぁぁぁ!!」

お姉ちゃん:「やめて! 正座して! 拝むなぁ!!」

女神アモーレ:「……なんかもう、私の管轄じゃなくなったわね」


両親(ウホウホ化済み):「ウホウホウホホホホホ!!!!」


お姉ちゃん:「父様母様まで完全に信仰方向ぉぉぉぉ!!!」



エピローグ ― ゴリラの平和


翌日。

伯爵家の庭には「ゴリラ像」と「黄金のバナナ神殿」が建立されていた。


妹はゴリラ信仰の巫女として崇められ、

村人たちは不思議と平和になった。


お姉ちゃん:「……なんだか、もう抵抗する気力がないわ……」

女神:「人は“慣れる”生き物だからね……」


妹:「お姉ちゃん、ゴリラはいいぞ!」

お姉ちゃん:「……バーリア(小声)」


空には、神ゴリラの優しい咆哮が響いた。


「ウホォォォォォ!!!」



ゴリラスキル編

――完。

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