表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/24

― ゴリラの祝福 ―

伯爵家の妹の“欲しい病”は、もはや手の施しようがなかった。


妹:「お姉ちゃんの婚約者、ほひいのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

お姉ちゃん:「……(白目)も、もうやめて……」


バリアでは防ぎきれず、婚約者アルベルトは

“ほひぃぃぃ!”の衝撃波を受けて一時的に人格崩壊しかけていた。


両親:「お姉ちゃんなんだから譲りなさい!」

お姉ちゃん:「バーリア!」

両親:「おおおおおおおおお!!!」

――そして、屋敷は再び戦場と化した。



夜。

お姉ちゃんはシャンデリアの下で天を仰いでいた。


お姉ちゃん:「女神様ぁぁぁぁぁっ!!もう無理ですぅぅぅ!!!」


その叫びに応じて、あの女神アモーレが光の中から再び現れる。


女神:「……またあなたね」

お姉ちゃん:「お願いです、妹の“欲しい病”を止めてください!

 バリアは破られるし、婚約者は狙われるし、

 両親まで“うりぃぃぃ!”とか言い出しました!」


女神:「ふむ……わかったわ。ならば、究極の防御スキルを授けましょう」



女神は指先で光を描きながら告げた。


女神:「このスキルは、欲望の形を“真の姿”に変えるもの。

 妹が“欲しい”と感じた瞬間、それは彼女にだけ“ゴリラ”に見えるでしょう」


お姉ちゃん:「えっ!? なんか想像以上に物理的!!」

女神:「簡単に言うと、“欲望を原始に戻す”のよ。

 人間が最初に欲した存在、それが……ゴリラ。」

お姉ちゃん:「理屈がめちゃくちゃ!!!」



妹:「お姉ちゃんのドレス、ほひ――」

 → 目の前のドレスが毛むくじゃらのゴリラ柄ドレスに見える。


妹:「ひぃっ!? なにこれ!? 原始の森!?」


靴を欲しがれば――足先が“逞しいゴリラの足”に変化。

ティアラを欲しがれば――“バナナの王冠”。


そして――婚約者アルベルト。


妹:「アルベルト様、ほし……(凍結)

 な、なにその胸筋!? 手がドラミングしてるぅぅぅ!!!」


目の前の婚約者が立派な銀色の背中を持つ“超紳士ゴリラ”に見える。


アルベルト(困惑):「……なぜ彼女が怯えているのだろう?」

お姉ちゃん(天を仰ぎ):「あぁ……女神様、効きすぎです」



両親:「お姉ちゃん! 妹に譲――」

 → その瞬間、二人の口から出た言葉は――


「ウホッ……ウホウホウホォォ!!!」


お姉ちゃん:「!? お父様!? お母様!? 完全に野生!!」

女神(天の声):「……ごめん、ちょっとスキルの範囲広かったかも」



以後、妹が何かを欲しがるたび、

ゴリラが現れ、両親はウホウホ言い、婚約者は筋トレしているように見えるため、

妹は自然と「もう欲しくない……」と呟くようになった。


お姉ちゃん:「ありがとう女神様。もう、家が静かになりました」

女神:「ええ。少しだけ……野性味を増したけどね」


屋敷の外では、庭師がぼそっと呟いた。

「……あの家、最近やたらバナナの香りがしますな」



お姉ちゃん:「ふぅ……平和って、こんなに尊いものなのね」

妹(遠くで):「……お姉ちゃんのリボン……ほ……(チラッ)……ゴリラ!? きゃぁぁぁ!!!」

お姉ちゃん(微笑んで):「今日も平和だわ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ