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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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24/24

― さよならウホ、こんにちは朝 ―

夜が明けた。

昨日まで世界を覆っていたゴリラたちの気配は、跡形もなかった。


妹:「……あれ? 庭、ちゃんと見える。

 昨日はバナナの森だったのに……」


お姉ちゃん(紅茶を注ぎながら):「あら、また夢でも見たんじゃない?」

妹:「ううん、ちゃんと触ったの。ふわふわで、あったかくて……」


女神アモーレ(空から顔だけ出す):「あ、世界線調整で全ゴリラ撤収したわよ~」

お姉ちゃん:「“撤収”て言わないで」



屋敷の食卓は穏やかだった。

メイドは優雅に配膳し、執事は静かに立つ。

……ただひとつ違うのは、誰も“バナナパン”を出してこないこと。


妹:「……お姉ちゃん。パン、ちょっとさみしくない?」

お姉ちゃん:「たしかに、ゴリラが焼いたときの方が香ばしかったかもね」

妹:「あのゴリラ、ジャム塗るの上手だったんだよ……」


お姉ちゃん:「(優しく笑って)

 そうね。

 でも、彼らは“あげる心”の中に帰ったのよ。

 ほら、バナナの香り、まだ残ってるでしょ?」


妹:「……うん。ウホの香り、する」



そのとき、郵便箱に一通の封筒が届いた。

差出人は「女神庁・贈与管理課」。


封筒を開くと、

中には一行だけの文があった。


『ゴリラは安全に神界で飼育されています。

たまに風に乗ってウホります。』


妹:「……よかったぁ」

お姉ちゃん:「ええ、いつでも心の中でウホれるのよ」

女神(遠くから):「それ名言みたいに言わないで!」



夕暮れ、庭の木々がざわめいた。

ふと妹が顔を上げると、

風に乗って、どこか懐かしい音が聞こえた。


「……ウホ……ウホホ……」


妹(微笑む):「あ、聞こえた」

お姉ちゃん:「ええ。

 “あげたい”と“恋しい”は、きっと同じ場所にあるのね」


妹:「ねぇ、お姉ちゃん。

 またゴリラに会えるかな?」

お姉ちゃん:「きっとね。

 だってあなたの“ほひー”は、いつも何かを呼んでしまうんだもの」


風がやさしく吹き、

遠くの空で雲がほんの少し、ゴリラの形に見えた。


妹:「……バナナ焼いて待ってようかな」

お姉ちゃん:「ふふ、それがいちばんの召喚儀式ね」



――そして伯爵家には、また平穏が戻った。

けれど時々、紅茶の湯気の中から聞こえるのだ。

「ウホッ」と、やさしい挨拶が。


おハガキで募集します編

――完。

この作品のあらすじは、無駄に重厚にゴリラの匂わせを添えております。

ここまで読んでからもう一度読み返していただくといい味がするかもしれません。


アイデアが尽きたので、これで一旦完結します!

またなんか思いついたら投稿しますので、バナナを焼いてお待ちください。

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