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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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22/24

― ゴリラをあげたい人 ―

女神アモーレは、神界の机に積まれたおハガキを1枚ずつ読み上げていた。


「“家族に時間をあげたい”……いいわね」

「“世界に静けさをあげたい”……詩的だわ」

「“妹にまつ毛をあげたい”……もうやめて」


そして、運命の100通目。

おハガキには力強い筆跡でこう書かれていた。


『誰かに、無限にゴリラをあげたいです。』


女神:「……」

お姉ちゃん:「……」

妹:「……」


三人:「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」



その瞬間、女神の机の上が光を放った。

おハガキから放たれる“野生波動”。

風が唸り、ジャングルの幻影が広がる。


妹:「ちょっと待って、まさか“ほひー・ゴリラ編”が再起動するの!?」

お姉ちゃん:「……でも、あげたいっていう気持ちは尊いのよね」

女神:「問題は、無限に出ることなのよ!!!」


ズズズ……ッ!!


空が割れ、光が溢れる。

――現れたのは、銀色に輝く巨大な影。


「ウホォォォォォォ!!!」



女神:「……まさか……神界由来の“アルティメット・ゴリラ”が召喚された……!」

お姉ちゃん:「“誰かに無限にゴリラをあげたい”って……

 つまり、この世界全員にゴリラが届くってこと!?」

妹:「うちの屋敷、また森になるぅぅぅぅ!!!」


瞬く間に、世界中に“プレゼント・ゴリラ”が転送された。

村にも、城にも、海の上にも。


女神:「……もうだめ、ゴリラが市場を支配していく……!」

お姉ちゃん:「でも、みんな笑ってるわ」

女神:「え?」



街角で。

小さな子どもがゴリラに花を渡して笑っていた。

老人は肩にゴリラを乗せて日向ぼっこをしていた。

そして村人たちは――

「ありがとう、伯爵家さん!」「ウホウホが止まらねぇ!」


妹:「……なんか、平和だね」

お姉ちゃん:「そう。“あげたい”は、どんな形でも世界を変えるのよ」

女神:「……まさか、ゴリラが“与える心”の究極形だったなんて」



女神はおハガキをそっと掲げた。


「この100通目のおハガキ……誰が書いたのか、私にもわからない。

 でも、“誰かに無限にゴリラをあげたい”という願いが、

 こんなにも優しい世界を作ったの」


お姉ちゃん:「ねぇ女神様。

 次は“無限に紅茶をあげたい”人を募集してもいいかしら?」

女神:「……それは私が欲しい。」



エピローグ ― ゴリラとともに


その後、世界は穏やかだった。

どこの町にも一匹ずつ“贈与ゴリラ”がいて、

人々は彼らを“ほひーの使者”と呼んだ。


妹:「お姉ちゃん、今日の紅茶、ゴリラが入れてくれたよ」

お姉ちゃん:「すてきね。少しバナナ風味だけど」

女神:「まぁ、それも平和の味ね」


風が吹き、どこかでウホウホと優しい声が響く。



肩にゴリラ乗せてる老人のサイズ感がわからない。

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