― おハガキで募集します ―
光、風、再構成、神化……
あらゆる奇跡があった翌朝。
でも屋敷ではいつものように、妹がトーストを焦がし、
お姉ちゃんは優雅に紅茶を啜っていた。
妹:「ねぇ、お姉ちゃん。昨日の話、覚えてる?」
お姉ちゃん:「昨日? あぁ、“風になって世界を救った話”?」
妹:「え、覚えてるの!?」
お姉ちゃん:「夢よ、たぶん」
執事:「お嬢様、紅茶の香りがいつもより神々しいですが」
お姉ちゃん:「あら、それは“あげすぎた余韻”よ」
女神アモーレ(ドアから現れる):「こんにちは~、定期巡回です♪」
お姉ちゃん:「あら女神様、お茶にする?」
女神:「その前に、あなたのスキル……そろそろ次の人に譲渡しませんか?」
妹:「譲渡って、あの無限にドレスとか婚約者とか出すやつ!?」
女神:「そう、それ。使う人次第では地獄絵図になるやつ」
お姉ちゃん(微笑む):「……そうね。次は、この物語を読んでくださっている方に使ってもらおうかしら」
妹:「え、読者様に!?」
お姉ちゃん:「ええ。だって、これだけ見てくれたなら“ほひー”の心はもう伝わってるわ」
お姉ちゃん:「――というわけで!」
(BGM:軽快なクラシカルポップ)
お姉ちゃん:「このたび伯爵家では、新しいスキル《アンリミテッド・ギフト》の継承者を募集いたします!」
妹:「いきなりのキャンペーン感!!」
お姉ちゃん:「応募方法は簡単! おハガキに“あなたが誰かにあげたいもの”を書いてね!」
女神:「抽選で一名様に“世界を少し幸せにしすぎるスキル”が当たります!」
ナレーション風(※多分アルベルト):「締切は次元が閉じるまで!」
妹:「えっ、それいつ!?」
お姉ちゃん:「観測されるまでは閉じないのよ」
その日、世界中のポストにふわりと一枚の封筒が現れた。
封筒には、金色のまつ毛が押されており、
宛名はただ一言――
「このお話を読んでいるあなたへ」
中には一行だけのメッセージ。
『あなたは何を、誰に、あげたいですか?』
お姉ちゃん(空を見上げて微笑む):
「――“ほひー”は、欲しいの反対じゃないの。
“あげたい”と“欲しい”が混ざり合う音なのよ」
妹:「じゃあ、私もハガキ書こうかな」
お姉ちゃん:「いいわね。あなたが書いた願いなら、きっと届くわ」
女神:「うん、そして私の机の上に積まれるわね」
風が吹き、まつ毛のような光が舞う。
その光は、今この文章を読んでいるあなたの画面の向こうまで届いていく。
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〒 《応募要項》
応募方法:お手元の心に直接書いてください。
締切:あなたが“誰かに優しくなりたい”と思った瞬間まで。
賞品:世界がほんの少しだけ、やさしくなります。
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お姉ちゃん:「さあ、読者様。
――あなたの“スキル”を、教えてほひーんです。」




