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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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19/24

― 無限供給(アンリミテッド・ギフト) ―

とある夜の漫画タイム


夜の書斎。

お姉ちゃんは久しぶりにゆっくりと紅茶を飲みながら、

一冊の漫画を読んでいた。


その漫画にはこう書かれていた。


『逆に考えるんだ。――あげちゃってもいいんだ。』


お姉ちゃん:「……あげちゃっても、いいんだ……?」

妹:「お姉ちゃん、何読んでるの?」

お姉ちゃん:「悟りの書よ」


そして、なぜか瞳がキラリと光った。



お姉ちゃん:「ねぇ妹。

 あなたが“欲しい”って言って困ってたの、私が間違ってたかもしれないわ」

妹:「え?」

お姉ちゃん:「“与えたら減る”って思ってたけど――

 無限に出せばいいのよ!!!」


妹:「え、ちょ、なにその結論!?」


お姉ちゃん:「だって、あげ続ければ誰も困らないじゃない!

 靴? ドレス? 宝石? 婚約者? 全部あげちゃえばいいのよ!!」


妹:「……婚約者も!?」

お姉ちゃん:「ええ! それすら無限に出せば問題ないわ!!!」



光の柱が現れ、女神アモーレが現れた。

もう顔に「また来た」の文字が浮かんでいる。


女神:「……今度は何を願うの?」

お姉ちゃん:「女神様! 私、“あげるスキル”がほしいんです!」

女神:「……嫌な予感しかしないけど、どんな?」


お姉ちゃん(目を輝かせて):

「靴も! ドレスも! 宝石も! 婚約者も! 無限に“生み出して”他人にあげるスキルです!」


女神:「……つまり、“無限供給型物質生成+贈与特化”……」

女神:「神界ではそれ、“経済破壊スキル”って呼ぶのよ」


お姉ちゃん:「でも私、あげたいんです!」


女神:「(ため息)……いいでしょう。あなた、本当に与える覚悟があるのね」



女神が杖を掲げると、光が空に広がった。


女神:「授けましょう。その名も――《アンリミテッド・ギフト》。

 あなたが“誰かにあげたい”と心から思ったものを、

 どんな数でも、どんな形でも、現実に具現化します」


お姉ちゃん:「やったわ!!」

妹:「……それ、世界の資源やばくない?」

女神:「まあ、神界ストレージから出すから……たぶん大丈夫」



翌日。


妹:「お姉ちゃん!? 庭が宝石だらけよ!!」

お姉ちゃん:「ええ、村のみんなに配るの」

妹:「ドレスも靴も無限に出てるけど!?」

お姉ちゃん:「季節限定よ。春の大贈与フェアなの」


女神:「(空から)いや、フェアとか言わないで!」


通りがかった村人たちが、喜びの声を上げた。

「伯爵家が神になったぞ!」「ドレスが降ってきた!」

「でも婚約者まで二人増えた!」



アルベルト:「……お嬢様、なぜ私が三人いるんですか?」

お姉ちゃん:「あげたのよ」

アルベルトA:「誰に!?」

お姉ちゃん:「他の私たちに」

アルベルトB&C:「よろしくお願いします」


妹:「もう意味わかんないぃぃぃ!!!」


女神:「……マルチバース婚約制度、神界で禁止になるなこれは」



エピローグ ― あげる幸せ


数日後。

屋敷の前には、幸せそうな村人たちと、まぶしすぎる宝石の山。


妹:「……なんだか、世界が平和になってる気がする」

お姉ちゃん:「そうね。あげちゃったら、何も争わないもの」

女神:「あなた、本当に恐ろしい思想家になったわね」


お姉ちゃん:「でも、いいこともあるでしょ?」

女神:「そうね。与えることは、世界を軽くする」


お姉ちゃん(紅茶を一口):

「じゃあ、次は“平和を無限にあげる”スキルをお願いしてもいいですか?」

女神:「……その前に、紅茶一杯くれる?」

お姉ちゃん:「もちろん!」


――空に、光のリボンが走った。


与えられるたび、世界は少しだけやさしくなっていく。



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