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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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18/24

― 女神様、スキル授けてほひーん ―

世界を巻き込んだ“ほひーーー”現象から一夜明けた朝。

屋敷は静かで、紅茶はちょうどいい温度。


お姉ちゃん:「……夢だったのかしら」

執事:「昨晩のログによると、世界は一度再起動しておりました」

お姉ちゃん:「ログって言うな」


そこへ、パタパタと妹が元気に駆けてくる。


妹:「お姉ちゃーん!」

お姉ちゃん:「おはよう、妹。今日も元気ね」

妹:「うん! それでね、お願いがあるの!」


お姉ちゃん:「(いやな予感)なに?」



妹:「女神様にね、スキル授けてほひーんだけど!」


お姉ちゃん:「……え?」

妹:「スキルほしいの! じゃなくて!

 スキル“授けたい”の!」


お姉ちゃん:「誰に!?」

妹:「女神様に!」


お姉ちゃん:「逆!?!?!?」


女神アモーレ(即座に転移):

「呼ばれたわ……って、ちょっと待って。妹ちゃん? 今なんて?」


妹(きらきらした目で):

「女神様にスキル授けてほひーんです!!」



女神:「……あのね、普通は神がスキルを授けるの」

妹:「でも、いつも私にいろいろくれるでしょ?

 たまにはお返ししたいの!」


女神:「……えっ、なんか優しい……」

お姉ちゃん:「(感動してる!?)」


妹:「“おつかれスキル”とか、“昼寝10分延長スキル”とか、

 “あわてんぼう防止スキル”とか、どうですか?」


女神:「(うっ……泣きそう)

 あの……もしかしてあなた、私の残業見てた?」


妹:「はい! 夜にこっそり紅茶補充してるの知ってます!」


女神:「……この子、尊いわ……」



女神は微笑みながら杖を掲げた。


女神:「じゃあ、あなたの優しさに応えて、

 私にもスキルを授けてもらいましょう」


妹:「本当!?」

女神:「スキル名は《ホヒーン・ブレス》。

 “誰かの善意を増幅して返す”力よ」


お姉ちゃん:「それ……もしかして最初からこの世界に必要だったんじゃ?」

女神:「ええ。あなたたちの“欲しい”がずっと進化して、

 ようやく“与えたい”になったの」


妹:「えへへ……私、女神様にスキルあげちゃった!」


その瞬間、空に小さな光が広がった。

雲がハート型に開き、風が優しく吹く。


女神:「……ふふ、これが“与える喜び”の光ね。

 あなたたち、もう神クラスよ」


お姉ちゃん:「いや、それは遠慮したいです」


妹:「でもさ、お姉ちゃん。

 “ほひー”って、欲しいって意味だけじゃなかったんだね」

お姉ちゃん:「そうね。“ほひー”は、誰かを想う音だったのかもしれない」(錯乱)


女神:「ほんと、あなたたちから学ぶこと多いわ……」



エピローグ ― ほひーの循環


夕暮れ。

お姉ちゃんと妹は紅茶を飲みながら空を見上げた。


妹:「ねぇ、お姉ちゃん。

 もしまた新しいスキルができたら、今度は一緒に授けにいこうね」


お姉ちゃん:「そうね。……ほひーん、って言いながらね」


二人:「ほひーん。」


風が頬をなで、

遠くで女神がくしゃみをした。


女神:「……あら、またもらっちゃったかも」



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