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与える姉と、欲しがる妹の終わらない朝  作者: はるかに及ばない


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16/24

― 音の門(サウンドゲート) ―

マルチバース騒動から数日後。

妹は再び静かな屋敷の庭で、風と遊んでいた。


妹:「お姉ちゃん、最近なんか喉の奥がムズムズするの」

お姉ちゃん:「……まさかまた新しいスキルじゃないでしょうね?」

妹:「ううん、“ほひー”が出そうなんだけど……出ないの……」


そう言った次の瞬間。

妹の胸が光り、風がざわめく。


妹:「……ぼ、ぼえ~~~~~~~~~っ!!!」


――空気が震えた。

風圧が生じ、紅茶が吹き飛び、犬が遠吠えした。


お姉ちゃん:「!?!?!? い、今のなに!?」

妹:「……わかんない。でも、なんか“ほひー”よりスッキリする!」



女神アモーレ:「ストーーーーップ!!!」(空から急降下)


お姉ちゃん:「め、女神様!? 早い!」

女神:「“ぼえー”は危険よ! あの音は“異界の門”と共鳴する波長なの!」

お姉ちゃん:「そんなバカな……ただの音痴な叫びよ!?」

女神:「だから危ないのよ! 音痴波動は宇宙でもっとも不安定な振動なの!!」


妹:「え……私、音痴だったの?」

女神:「悪い意味じゃないの、次元共鳴型不協和音なの!!」



空が不気味に歪む。

妹の「ぼえー」の余韻が空気に残り、まるで何かを引き寄せるように響いた。


――ズズズ……ッ。


お姉ちゃん:「空が……裂けてる!?」

女神:「まずい、“ぼえー波動”が音痴界の住人を呼び出そうとしてる!」


空の向こうに、ギザギザの前髪、小学生にしては太った体、オレンジ色のTシャツ、3の形をした口。

首を傾げながら、鼻歌を歌っている。


???:「ぼえーーーーー……」


お姉ちゃん&女神:「ヤツが来るぅぅぅぅぅぅ!!!」



女神:「妹ちゃん、今すぐ“まつ毛スキル”を発動して!

 音を遮断して次元を閉じるのよ!」

妹:「わ、わかった! 《ラッシュ・フリューゲル・サイレンス》!!」


ビュオォォォ!!!


まつ毛が音波を切り裂き、風が静寂を取り戻す。

空の裂け目がギリギリで閉じかける……!


だが、かすかに残された歌声がひとつ。


???:「お……ジャ……ガキd……」


妹:「やばっ!?」

お姉ちゃん:「早く閉じてぇぇぇ!!!」


――バタンッ!!


裂け目が完全に閉じた。



風が止まり、屋敷には再び穏やかな時間が流れた。


妹:「あぶなかったぁ……」

お姉ちゃん:「あなたの“ぼえー”でこの世界が滅ぶところだったのよ!著作権的な意味で!!」

女神:「ほんと、あなたの家系、才能が混沌すぎるわ。あんなとんでもないレジェンド召喚しちゃだめ!!」


妹:「でも、もう“ほひー”には戻れない気がするの……」

お姉ちゃん:「……いいのよ。それがあなたの成長なんだから」


女神(ため息):「まぁ、次に“どれか”が進化するのも時間の問題ね……」


妹:「えっ?」

女神:「“ぼえー”の上位スキル、“ぼおぉぉぉん”があるの」

お姉ちゃん:「それ爆発音でしょ!!」



エピローグ ― 音と静寂のあいだ


その夜。

妹はまつ毛に手を当てて、静かに口ずさんだ。


妹:「……ほひー……ぼえー……どっちも、私なんだね」

お姉ちゃん:「うん。だから、どんな音でも受け止めるわ」


女神:「次元干渉は起きないように……控えめなキーでお願いね」


妹:「了解っ! ――ぼぇぇぇ(ピアニッシモ)」

お姉ちゃん:「(笑)上手になったじゃない」


風がやさしく揺れ、空に音の粒が漂った。

まるで、“世界のまつ毛”が拍手しているようだった。



ぼえー!編

――完。

音痴は悪い意味だと思う

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