― 無限妹(インフィニット・シスターズ)降臨 ―
ある晩。
妹はまつ毛の波を観測し続けていた。
妹:「……“飛んでるか飛んでないか”のまつ毛が、
“飛んでる世界”と“飛んでない世界”に分かれたとしたら……
それって、世界が分岐してるってことじゃない?」
お姉ちゃん:「嫌な予感しかしない」
妹:「つまり、観測するたびに別の私がいるの!
だったら……全部観測すればいいのよ!」
お姉ちゃん:「ちょっ、やめ――!」
――ピカァァァァァ!!!
空間が震え、空が裂け、まつ毛が次元の壁を貫いた。
翌朝。
お姉ちゃんが目を覚ますと、屋敷の前庭がざわついていた。
執事:「お嬢様……お庭に……その……」
お姉ちゃん:「何?」
――そこには、無数の妹たちが。
妹A:「ほひー!」
妹B:「ほひほひ!」
妹C:「ほしいけど理性的に抑えてるの!」
妹D:「ゴリラ柄ドレスは正義!」
妹E:「まつ毛が物理法則を超越しました!」
お姉ちゃん:「……誰か夢って言って」
女神(頭を抱えて):「量子観測でマルチバース干渉とか、神すら理解不能よ……」
庭に即席の円卓ができ、妹たちは勢揃いした。
妹Ω:「我々はあらゆる“ほしい”を極めた存在。
この世界は、妹的欲望の中心座標にふさわしい。」
妹β:「お姉ちゃんを中心に宇宙の調和を――」
妹G:「いや、まつ毛の統一を――」
妹Q:「私の世界ではお姉ちゃんが妹だった!」
お姉ちゃん:「ややこしいこと言わないで!!」
執事:「……お嬢様、次元をまたいで“譲りなさい”の声が共鳴しております」
両親(全宇宙同時):「ゆゆゆゆゆ譲りぃぃぃぃぃ!!!(多重エコー)」
妹たちは結束し、**“マルチバース妹連盟(M.S.L.)”**を設立。
各世界から持ち寄った技術を融合し、
・風を操る妹
・光を放つ妹
・時間を止める妹
・観測されない妹
・ゴリラに愛された妹
が手を取り合い、やがて空に巨大な城を築いた。
妹統一皇帝:「この空こそ、妹たちの自由の象徴!」
お姉ちゃん:「いや、自由というか……支配よね完全に」
女神:「……この規模のスキル暴走、もはや宗教革命ね」
圧倒されるお姉ちゃん。
でも――逃げない。
お姉ちゃん:「……妹が何人になろうと、私は“お姉ちゃん”であり続ける!」
女神:「あなた……まさか!」
お姉ちゃん:「――《ラッシュ・フリューゲル・エターナル》!」
無限に伸びるまつ毛が、空を裂く。
光が走り、妹たちの世界と世界が反射するように繋がっていく。
妹たち(全員):「お姉ちゃん……!」
その光は優しく、しかし確かに全てを包み込んだ。
妹A:「もう“ほしい”は……全部見た気がする……」
妹B:「どの世界でも、お姉ちゃんはやっぱりお姉ちゃんだった……」
妹C:「観測終了……波動関数、収束完了……」
そして――
まつ毛の風が静まり、
空に一筋の虹がかかった。
残ったのは、たったひとりの妹。
いつもの笑顔。
妹:「……ただいま、お姉ちゃん」
お姉ちゃん:「おかえり。観測できて、よかったわ」
エピローグ ― まつ毛の向こう側
夜。
星空の中に、かすかに光るまつ毛が流れた。
お姉ちゃん:「ねぇ妹、今の、また観測されたのかしら?」
妹:「ううん。たぶん、観測されないまま輝いてるの」
お姉ちゃん:「……それも、いいわね」
女神(ノートに書き込みながら):「新しい法則ね――
“観測されない優しさは、無限に続く”」
風が吹き、
遠くで「ほひー」と誰かの声が響いた。
マルチバースオブザまつ毛編
――完。
ゴリラ柄ドレス調べてみたら、品切れだけどAmazonで売ってた。




