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第8章

ザラは、キンチのオフィスで手に入れた薬物を使い、自作の爆弾を作り上げていた。彼女の顔は真剣そのもので、その手つきは迷いなく、熟練した兵士のそれだった。


一方、領事館内では緊急避難警報が鳴り響いていた。キンチの同僚の女性が、電話で対応している。「手順に従うこと」。キンチは混乱している様子の警備員に怒鳴る。「E棟で爆発です」。ザラが仕掛けた爆弾が、見事に炸裂したのだ。


その頃、ザラは屋上へと続く通路を駆け上がっていた。

「実は、彼女には本当の目的があったのです」。

ザラの足取りは軽く、彼女の表情には自信が満ち溢れている。彼女の計画は、キンチのオフィスから薬物を持ち出し、それを爆弾に変え、領事館内で爆発させることだったのだ。その目的は、領事館全体を混乱に陥れ、ジョシュを救い出すための時間を稼ぐこと。そして、この騒ぎに乗じて、真の黒幕を炙り出すことだ。


警備チームはザラの脱走に気づき、武装した部隊まで投入された。廊下を武装した兵士たちが駆け抜けていく。モニターには、ザラが廊下を走る姿が映し出されている。キンチもまた、部下たちに指示を出し、ザラの行方を追っていた。


領事館内は、緊急避難警報と人々の悲鳴、そして警備員たちの怒号でパニック状態に陥っていた。人々は一斉に出口へと殺到し、混乱は極まっていた。ザラは、その混乱に乗じて、領事館の奥深くへと潜入していく。彼女の目的はただ一つ、息子ジョシュを救い出すこと。そして、夫の仇を討つことだ。ザラの目は、復讐と決意の炎で燃え盛っていた。


ザラは、自作の爆弾で領事館に混乱を引き起こし、その隙を突いて奥深くへと潜入した。彼女が向かったのは、「セーフルーム」と呼ばれる、厳重に管理された部屋だった。


その部屋の前に到着すると、一人の少女が立っていた。それは、キンチ警備長の娘だった。

「ここはセーフルーム。パパから聞いた」

少女は、何の疑いもなくザラにそう告げる。ザラは、この少女がキンチの娘であることに気づき、複雑な表情を浮かべた。彼女は、キンチがジョシュを誘拐したように、キンチの娘を人質に取るという、非情な選択を迫られていた。しかし、ザラは、無邪気な少女を傷つけることなどできなかった。


その時、警備員たちが駆け寄ってくる。ザラは一瞬、迷うが、少女を巻き込むわけにはいかない。彼女は少女に優しく話しかけた。

「なぜ私の名前を?」少女が尋ねる。

「安心して」

ザラは少女に、キンチのオフィスから持ち出した、ジョシュのおもちゃであるミスター・ラビットのフィギュアを見せた。少女は目を輝かせて喜ぶ。

「ミスター・ラビット!」


ザラは少女に、キンチが隠していた真実を話した。「あなたのパパがこれを」。ザラは、キンチが夫を裏切り、その結果、ジョシュが誘拐されたことを、遠回しに告げた。少女は驚きと困惑の表情を浮かべる。


その時、キンチからの着信がセーフルームの電話に入った。電話のディスプレイには「着信 セーフルーム」と表示されている。ザラは、キンチが娘の安否を気遣って連絡してきたことを悟った。ザラは、この状況を利用することにした。


ザラは、セーフルームの電話を取り、キンチの怒鳴り声に耳を傾ける。キンチは娘を傷つけるなと脅しているのだろう。しかし、ザラの顔に迷いはなかった。彼女は電話の向こうのキンチに、ある取引を持ちかける。それは、ジョシュを解放することと引き換えに、キンチの娘を解放するというものだった。



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