第2章
ザラとジョシュは、街の中心にそびえるアメリカ合衆国総領事館に到着した。星条旗が誇らしげにたなびいている。二人は厳重なセキュリティチェックを通過し、ザラはジョシュのリュックサックまで調べさせることに同意した。
領事館の内部は、多くの人々で賑わっていた。ザラとジョシュは番号で呼ばれるのを待っている。ザラは、職員がジョシュのパスポートを開いて、彼の写真が載っているページを調べているのをじっと見ていた。
突然、一人の男がザラに近づいてきた。彼は電話を耳に当てている。「クララティブの記者、エラル・ギュネイです」と自己紹介する男は、矢継ぎ早に情報を求めてきた。「アフガニスタンでの出来事についてなんですが……映像を見てもらえたら助かります」。ザラの表情は硬くなり、警戒心と、お馴染みの、深く根ざした懸念が入り混じっていた。
領事館の待合室で、ジョシュは落ち着きなく椅子の上を動き回っていた。ザラは彼の手を取り、優しく諭す。
「座ってちょうだい」
しかし、ジョシュは聞く耳を持たない。
「かくれんぼしたい!」
ザラは困ったように立ち上がり、周囲を見渡した。すると、近くのインフォメーションカウンターの女性が、親切に教えてくれた。
「廊下の先に遊び場が」
ザラは感謝の意を伝え、ジョシュを連れてキッズスペースへと向かった。カラフルなマットが敷かれ、積み木や滑り台、そして大きなぬいぐるみが置かれたその空間は、まさに子供たちの楽園だった。
ザラはジョシュの目線までしゃがみ込み、言い聞かせる。
「じゃあ10分後ね。でも文句は言わないこと」
ジョシュは目を輝かせ、すぐに遊び始めた。ザラは彼をキッズスペースに預け、自身の用事を済ませるためにその場を離れた。
しばらくして、ザラはジョシュを迎えにキッズスペースへと戻ってきた。廊下を歩いていると、彼女の視界に不審な光景が飛び込んできた。男女がこそこそと、何か小さなバッグのやり取りをしている。ザラは元軍人としての鋭い勘が働き、思わず足を止めてその様子を凝視した。
キッズスペースに到着すると、ザラはジョシュの姿を探した。
「ジョシュ?」
部屋には誰もいない。彼女の心臓が不穏に跳ね上がった。遊び道具は散らばったままだが、人っ子一人いない。
「かくれんぼする時間はないの」
ザラの声に焦りが滲む。




