自分語り
しばし横道にそれて私自身について書いてみる。
私は元々知恵袋の英語カテ(カテゴリーの略)で主に回答者として常駐していました。今はほとんど見ていないのでどうなったか知りませんが、あそこは海千山千というか魑魅魍魎というか、そんな輩がうごめく所だと感じていました。そこは、ちょっとした言い間違いや厳密でない言葉を使うと、すぐさま指摘されるという殺るか殺られるかの世界です。”文”のことを”文章”なんて書いたら、それこそ生き馬の目を抜く早業で彼らの餌食になります。
そんなもんだから、質問者と回答者の間だけでなく、回答者同士でも、たびたびもめる。複数の解釈が可能な文法でも、自分の主張こそ正しい、他の回答者や世にある参考書の多くはデタラメだという困ったカテマスもいます。
カテマスというのはカテゴリーマスターの略で、回答数や獲得したBA、いわゆるベストアンサーの数の多い人に与えられる称号です。貰っても特にメリットはないんですが、これ欲しさに、自作自演とかChatGPTとか手段を選ばず獲りにいく人も珍しくないのです。
なのでカテマスといっても正しいかどうかの目安にはならないのですが、中には言語学者並みの知識を持っている方々もみえます。
残念なのは、そういった方々は大抵残念な方々なのです。質問者を助けるというよりも、自分の知識を披露したいだけで、時にbe動詞もあやふやな質問者に対して高校でも習わないような古代英語にまで遡った回答をします。また、そこには生半可な知識で返信する回答者を見下して攻撃したいという別の目的まで隠されているのです。
私自身も何度かやりとりしたことがあります。この手の人たちは論理的に反論できなくなると、攻撃対象を意見ではなく相手そのものに切り替えてくるきらいがあるのが困ったところ。こうなってくると何を言っても曲解されて、それについて攻(責)めてくるので話し合いになりません。
藁人形論法、ストローマンの誤謬という間違った論法なんです。
本来、質問者の疑問を解決することを目的としたサイトなのに、質問者を置き去りに回答者同士のバトルに発展してしまうこともしばしば。それは最早ただの悪口合戦にすぎません。本人たちは気づいていないのか知らないが、はたから見ていると本当に醜いもので、他所でやってくれと常々思っていました。そう言った人たちに一度目をつけられると、それ以降ストーカーと化し執拗に攻撃しようとしてくるので始末が悪い。
中には、浅い知識で回答する人に恥をかかせてやろうと、自分で答えを知っているのに、誤答しやすい質問を立てる輩までいる。
私はこれを罠質問と命名しました。長いこと英語カテにいると、質問の意図というものが透けて見えるようになってきます。ある日、私は罠質問と思しき質問を見かけました。そこに気の毒な回答者が現れる。案の定、質問者は取ってつけたような論法をかざしてその回答者を論破しようとしてきます。その回答者の返信は途絶えました。
これは見ていて気持ちの良いものではありません。そう思った私は敢えて隙のある回答をする。質問者は新たな獲物が網にかかったと嬉々として返信してきました。逆に自分が罠に飛び込んだとも知らずに。
その後のやりとりで予想通りストローマンだと分かりました。質問には基本的に有効期限があります。私は返り討ちにして最終日に「延長戦をお望みでしたら新たな質問を立ててリンク貼ってもらえば伺います」とコメントしました。返信はきませんでした。
こういうことがしたいのでは無いんだと私は思ったのです。学生時代ロクに英語ができなかった自分が、同じような人の助けとなればと思い、いつも回答していました。BAとかカテマスとか何の用途もないような知恵コインとかどうでも良かったのだけど、返信すらしない質問者の多さにも辟易してきました。
ちょっと嫌気がさして、数学カテにうつりました。数学も中学の時に赤点ばかりだったけど、改めて見てみるとパズルのように結構面白いものです。そこで、ちょっとした疑問を質問してみたのです。カテマスからの回答がありましたが、よくわからない部分を聞き返しました。どうもその方は読解力に問題があるのか、質問を取り違えて勝手にヒートアップ。その人は権威ある数学者のツイートを自分の主張を裏付ける材料として載せてきました。そこには”式として正しい”と書いてあるのに、”式として等しい”と間違った解釈をしている。そこを指摘したら「式として正しいとは、両辺が等しいという意味だから同じことだ」と主張します。
「不等式は正しい式だけど、等しくないですよ」と私は返信したのですが、火に油です。
相手は不快感を露わにして個人攻撃に切り替えてきました。
この人もストローマンかと私は一応その人にBAをあげて質問を打ち切りました。論破したいのではなく、疑問を解消したいだけなんだと思いましたがストローマンとは議論するだけ時間の無駄なんです。
次に訪れたのはクイズカテ。私は論理クイズが好きだったからです。こちらは割と平和的ですね。
私はストーリー仕立てのクイズを投稿するようになりました。エンタメ的に楽しんでもらえたらよいかなと考えてのことです。常連回答者もつくようになりましたが、他の回答者は間違えたくないというプライドが働くのか、閲覧数は増えるものの回答者数は伸びません。常連者が誤答して、それをヒントに正解をかっさらう人が出てきました。その結果、常連回答者まで回答を躊躇うようになってしまいました。
私は小説家を目指しているわけではないのですが、頭にあった構想を形にしたくなりました。「このミステリーがすごい」は応募規定が厳しそうで尻込みします。ひょんなことからカクヨムというサイトを知り、そのフォーマットを気にせずスマホでできる気軽さが自分にあっていると感じ利用することになりました。
しかし、秒で埋もれて感想をもらうには他の方に積極的に応援したり企画に参加したりといった草の根活動が必要で、それが面倒くさく感じて流れ着いた先が作家でごはん! なのです。