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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
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第91話 表の裏は…… その④



 目が覚める。

 私の家だ。知っている、天井だから。

 時計を見る……正午12時……。あれから、どれだけ経ったっけ。

 私は頭を抑えて、再び吐き気に襲われる。

 いまだ鼻の奥でむせ返ってる血の匂いが取れない。お風呂にどれだけ入っても、取れない。

 あの時の、快弦ちゃんの最期の顔が忘れられない。

 どれだけ、どれだけ忘れようとしても……忘れられない。


「っ、うっ……!」


 顔、洗お。
















 沢山の水を浴びて、朝ごはんを食べ始める。

 静かだなぁ。この前まで、二人がいたとは思えない。……なんで、こんな静かなんだろう。

 昨日まで、いや、もっと前まで……鶴愛さんも、快弦ちゃんもいたのに。

 おかしいなぁ……なんで、なんでこんなにも、静かで、悲しくて…………。


 一人は、寂しいなぁ……。

 私は部屋に戻って、布団に入ってうずくまる。

 思い出したくない。思い出したくないよ。あんなの、あんな笑顔、思い出したくない。


 ……私が、死ねばよか……



「おーい」



 ふと、声がした。

 声からして分かる。きっと、鬼円だ。

 鶴愛さんか誰かに教えてもらったのだろう。私はゆっくりと頭を出し、歩き始める。

 扉を開けると、たくさんの袋を持った鬼円が立っていた。


 あの時も、鬼円がいてくれたな……お礼、言わないと。


「あの……」

「……やっぱ顔色悪りぃな。入るぞ」

「えっ、いや……」


 鬼円はズカズカ入って、私が寝ていた部屋まで向かう。

 テーブルの上に様々な料理を……というより、弁当を取り出し、手を合わせたかと思うと……食べ始めた。

 割り箸を弁当と口へと交互に動かしていき、何も言わずに弁当を(たい)らげる。

 私の話なんて全く聞いてくれ無さそうなんだけど……っていうか、なんか皿洗い始めたんだけど。


「まぁ、寝てろよ。お前、精神的にも肉体的にも疲れてんだろ」

「いや、まぁ……それは……」


 ふと、鬼円がこちらに近づいてきて、私を押し倒してくる。

 目を閉じていると……毛布をかけられた。


「いいから寝てろ。明日、行くんだろ?」


 ……明日?

 なにか、あったっけ……。カレンダー……。

 そう思って、カレンダーを見ると……そこには『鬼円と水族館!』と書かれてあった。

 そっか、水族館いくって約束してたな……。

 もしかして、それのために私のところまで……わざわざ?


 泣いちゃうじゃん、こんなの。


「……ごめん……」

「お前は謝ってばっかだな。素直に『ありがとう』でいいんだよ」


 鬼円にそう言われる。

 また、涙が出てくる……ポロポロと、私の手が涙で濡れていく。

 鬼円はその姿を見て食器に目を向けて……ギョッとしたかのように二度見してくる。


「おい、泣くな!」

「っ、ごめん……ありがと……あ、りが……と……っ!」














◇◆◇













 ふと、目を覚ます。

 しまった、寝ていたらしい。


「お、鬼円……?」


 ふと、隣を見ると、そこには座って……腕を組んで寝ている鬼円の姿が。

 時間を見れば、もう5時だ。洗濯物も畳んであるし、お風呂場に行けば、お風呂も湧いている。


 ……家事出来たんだ、という言葉は飲み込みつつ、鬼円に布団をかける。


「……」


 鬼円は寝ているのか、私が起きたことに気づいていないようだった。

 ふと、私は鬼円の頬に手をつける。

 凄い、スベスベしてる……し、それに……なんか、手もデカい。


「……って、何私はベタベタ触ってるんだ…」


 正気を取り戻し、汗を垂らしながら離れる。

 ……鬼円のおかげで、少しは立ち直れたかな。いや、立ち直れるわけがない。

 けれども、少しだけ……楽になった気がする。


 鬼円をチラ見して微笑んだ後、お風呂へと向かう。

 髪の毛を丁寧に洗い、流して……身体もしっかり隅々まで流す。

 お湯にゆっくりと浸かり……息を吐く。

 ……あいつ……アクゼリュスとか、言ったやつを何とかして殺さないと。


 ……って、私『殺す』って言葉、使えたんだ。


「……待っててね、快弦ちゃん。私、敵取ってあげるから」


 私はそう言って、拳を握る。

 ……その前に、少しだけ……遊んでも、いいよね。鬼円と、一緒に。


 それが終わったら、全部終わらせるよ。


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