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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
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第77話 青・春・花・火・大・会!!



 辺りが真っ暗になってきた所で、私達はカツカツと下駄を鳴らしながら歩き始めた。

 やはりと言うべきか、たくさんの人がいて大賑わいしている。

 それはそれとして、金之助君、そんなにイカ焼きを頬張って喋れないでしょ。


「りんご飴、美味しい……」


 そう言ってペロペロペロとりんご飴を舐め続ける香蔵さん。それを、快弦ちゃんはじーっと見ていた。

 それを見て、狸吉さんがりんご飴をもうひとつ買って、それを快弦ちゃんに手渡した。


「快弦ちゃんにもはいどうぞ」

「あ、ありがとうございます……?」

「敬語は使わなくていいよ! もう友達でしょ?」


 快弦ちゃんの目が揺らいだ。

 快弦ちゃんはそれを聞いて、口をモゴモゴさせた後に言った。


「あ、ありが……と」


 狸吉さんはズキューンッという効果音と共に胸を抑えで倒れた。尊死と言うやつでしょう。南無阿弥。

 金之助君がそれを見て、イカ焼きを全て飲み込んでから、快弦ちゃんの手を掴んだ。


「金魚すくい行くっすよ!」

「えっ、ちょっ!?」


 快弦ちゃんを連れてドタドタと走っていく金之助君。私たちはそれを見て、苦笑いを浮かべるのだった。

 ……まぁ、2人だけで楽しませてあげよう。と、香蔵さんが言い、私たちもそれに賛成する。

 2人の雰囲気を壊しちゃダメだしね。そう思っていると、鬼円が先生を連れてき……た…………?


「……なにそれ?」

「あ? ……仮面だが?」

「いや、『仮面だが?』じゃなくてさ」


 鬼円は、頭に戦隊モノのヒーローの仮面を付けており、黎矻先生も狐のお面? のようなものを付けていた。

 ……2人してなにやってんの……。


「知らないのか? 狐は可愛い動物だぞ?」

「知ってますよそれぐらい!! というか、そういうの好きなんですね!?」

「俺だって男だぞ??」


 先生ェ……。

 私はジト目で先生を見る。が、鬼円の視線が気になりそちらを向く。そこには、線香花火が売ってある。

 そっか、花火とは言えど、線香花火もあるのか。私はそれを1つ買って、鬼円の元へと駆け寄る。


「鬼円、花火終わったら皆で線香花火しようよ!」

「……あぁ、そりゃいいな」


 鬼円はそう言って笑う。

 ……行けない、そんな笑顔を見せられたら直視出来ない。

 先生もそれを見てか、お前笑えるのか……。と呟き、鬼円と殴り合いそうな雰囲気に。誰でも喧嘩売るのはやめなね? と言うか、もう慣れてきた自分が怖くなってきた。

 香蔵さんはそんな光景を見ながら、ふと上を見る。

 私達もそれに釣られてみてみると……ヒュ〜と音を立てて何かが上がった。


 それは、パァンと弾けて、綺麗な閃光を飛ばした。

 キラキラと輝くそれに、その場にいた人々が皆で注目する。

 香蔵さんが大きく息を吸った。


「たまや〜〜〜〜っ!!!!」


 香蔵さんの掛け声がその場に響きわたり、パチパチと拍手が巻き起こる。

 私たちは移動しながら花火を見る。鬼円も、花火に夢中でわたあめを食べるのを忘れている。


「……綺麗だね」

「……な」


 私が聞くと、鬼円は頷いて言った。

 黎矻先生は花火を見て、タバコを付ける。香蔵さんがタバコ! 汚い! と言うと、黎矻先生がそれを見て、嫌そうな顔をしてからタバコの火を消す。


「これでいいんだろ」

「先生……」


 まるで『トゥンク』と言う効果音を出してそうな顔と共に脚を踏んだ。

 黎矻先生はそれに驚いて足を上げて抑えて……


「なぁにすんだこのクソア………………っ! ば、馬鹿野郎!」

「いまなんて言おうとした!? 教師としてではなくて人間として終わりそうな言葉だったよね!?」

「いきなり何足踏んどんだ!!」

「だって! まずタバコ吸うなよ!」


 それを見ながら狸吉さんが苦笑いを浮かべる。

 私はふと、鬼円がいないからどこに行ったのかと周りを見渡す。


「あっ」


 私が見つめた先には、鬼円がこちらを向いて、来いよ。と指をクイクイと動かして去る姿が。

 私はそれを見て、歩き始めた。人々の喧騒が遠い。

 鬼円の後を追いかけた私は、森の中に入っていくのを見た。


 ……開けた場所に出た。

 森の中だから、人々の声なんてもう聞こえないし、花火の音と閃光が鬼円を照らした。

 鬼円はこちらを向くと、こっちだ。と言った。私は鬼円の隣へと向かう。


「ここ、開けててな。もしかしたらと思ったが、よく見えるじゃねぇか」


 鬼円はそう言う。

 私はそんな鬼円を見て、頷く。鬼円は私の頭をつかみ、グリっと回して花火の方を向かせた。


「俺じゃなくてあっち見ろよ」


 鬼円の言葉に、何も言わずに従う。


 ヒュ〜〜〜ドン。ヒュ〜〜〜〜ドン!


 花火がどんどんと上がり、夜空を綺麗に彩る。


「……誰かと来た花火なんて、記憶にねぇな」

「……そうなんだ。私と、同じだね」


 母親も父親も、忙しくて一人で行ったっけ。

 鬼円は私の言葉にふぅーんと言うだけ。私はなんで自分語りしてるんだろうと思ってしまった。

 あ〜もう……なんだか恥ずかしくなってきた。

 そう思っていると、鬼円が私の頭に手を乗せた。

 私は、勢いよく目を見開いて、鬼円を見る。


「じゃあ、俺と一緒で、これが初めてだな」


 私は、鬼円の言葉に……


「うん!」


 元気に頷いた。

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