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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
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第71話 ショッピング


 翌日。

 私たちはそれぞれ私服を着て、とあるショッピングモールに集まっていた。

 鬼円はラフな格好で、私もメイクなどをしてだいぶ綺麗にはしたが、まぁあんまり変わってはいないんだろう。


 なんでそんな顔をして睨むんですか香蔵さん。香蔵さんの方が似合ってますよ。はい。


「よし、じゃあ各々好きな物買っていこうか!」

「「「「お〜〜!!」」」」

「……お、お〜?」


 香蔵さんのその言葉に私たちは拳を突き上げる。

 快弦ちゃんだけ語尾に『?』が着いたけどまぁ良し。

 私たちは、ショッピングモールに集まり、各々好きなものを買っていく、という約束をしていた。

 と言っても、やることはひとつなんだろうが。大体わかるんだが。


「よし、それじゃあ行こうか……水着ショップに!!」

「知ってた〜」

「うげっ、やっぱり……」


 私と快弦ちゃんは頬を引き攣り、嫌そうな顔をする。

 もっと他にないのかなぁ。日焼け止めだとか、ブルーシートだとか、もっとこう……別の買い物っていうか。

 先に水着をやるだなんて、そんなことをさせられる私は一体どうなってしまうんだろうか……。


 そんな私たちを見ていない鬼円と金之助は、何やらどこかに…………そっちゲーセンでしょうが。


「おい、男子!! アンタらも来るんだよ!」

「はっ!!?」

「なんでだよ……」


 香蔵さんがいきなりそう言い出した。

 そんなことなんにも知らず、そんな言葉を聞いた私も鬼円の言葉に全力で首を縦に振って理由を聞く。

 理由は2つ、鬼円達に似合ってるかどうかを選定してもらうこと、もう1つは、鬼円達が可愛いかどうかを決めるということの2つらしい。


 ……あの、そんな怪しそうな顔で話されても信じませんよ。

 というかなんですかその悪そうな顔。ほんっとに何考えているんですか??


「まっ、実際は鬼円達をドギマギさせたいんだけどねぇ〜」


 今あの人何て言った??????

 とにかく、鬼円達も連れていくらしいので、私も腹を括って水着を買いに行くことにする。うぅ、嫌だ……。

 ほら、快弦ちゃん。今頃嫌がったって無理だよ。逃げれないよ。もう無理だよ、ああなったらね。















◇◆◇















 水着ショップに来た春乃達、女子(1名を除く)はゴクリと息を飲んだ。

 何しろ、水着とはつまり、女子にとっては試練でもあり、修行でもあり、己を成果を試す場所なのだからだ……。


 女子は様々な問題を抱えている……。

 顔に出来るニキビ、絶対に維持をしたい体型、ボサボサになって傷んでしまうかもしれない髪の毛……そして何よりも。


 ───自分に似合うかどうか。


 そう、そうなのだ。

 女子はとにかく、自分を綺麗に見せるために、命を懸けているのだ。

 女子とは、男に自身の姿をアピールするのだ。

 「どう、可愛いでしょ?」や「綺麗でしょ? 綺麗でしょ!?」などなど、自身の姿を見せて、男性を喜ばせるのが大好きなのだ。

 そして、喜んだ男子を見て笑うのだ。ニヤッと、顔を。悪い顔をしてニヤつくのだ。

 無論、春乃もそのはずであった。こんなところを見るまでは。

 女子達の考えを、様々な戦略を知らずに呑気に男性用水着を見ている鬼円と金之助を横目に、春乃はさらに息を飲む。


(……私に、似合うもの…………っ!!)


 春乃達が一歩前進する。

 その瞬間、そこは戦場(・・)となった。


「なっ……!!」


 春乃は、目を見開いた。

 彼氏を連れた彼女、水着を選んでいるであろうおばあさん、そして何よりも、小学生の女児でさえも、各々がその手を握らせていた。

 その異質な空気、それに春乃は圧倒されたのだ。


(なるほどここは……!)

(戦場……言わば、フィールド……!! 己の似合う水着(そうび)を奪い合う……戦場なんだ……!!)


 香蔵と狸吉はその隠れてみえる熱意に息を吐く。

 まるで、そこらは燃えていて外には出れず、それぞれが敵に見える。

 まさに、戦……いや、関ヶ原の戦いにも近い合戦であった。


 狸吉と香蔵、そして春乃はお互いの顔を見て、頷く。


(ここでは仲間……言わば、桃園の誓い……!)

(私たちは……運命共同体! 一蓮托生!)

(ならば、やるべき事は1つ…………っ!!)


 春乃達は、再び1歩と踏み出す。

 その顔は、確実と言っていいほど、『覚悟』が決まっていたものであった。


 一体なんの『覚悟』なのだろうか。

 兎にも角にも、それ相応の『覚悟』を、彼女達はその瞳に宿していた。


「行くわよ、これは……女の戦い(がっせん)よ!」

「「うん!!」」


 それを遠目に鬼円と金之助はゲーセンでやるゲームを話し合いつつ男性用水着を手に取る。

 先に水着を見ていた快弦は、そんな3人を見て呟く。


「……ナニコレ……」


 と。

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