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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
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第69話 夏休み、開始!


 夏休み。

 それは、8/31日まで、学業をしなくてもいいと言う奇跡の瞬間。

 学業をしなくてもいい、とは言うが、この後にあるであろう様々なテストに向けて準備も進めなくてはならない季節。


 ……とはいえ、はっちゃけちゃうのは人間というか、学生の(サガ)であり……。


「イヤッフゥ!! 夏休っみぃぃぃ〜〜〜っ!!!」

「うるせぇ」

「うっさ」

「うるさいっすね!」


 ボコスカ言われた香蔵さんはしゃがみ込んでなにかブツブツ言いながら地面を指でツンツンと突いている。あっ、あっ、皆で言うから!!

 そんなこんなで、夏休みと入ったわけなのだが。


「みんなでなんか楽しみたいよね! ってことで作ってきました『夏休みMAP』!!」

「小学生かよ!?」

「お前ら、まさか勉強はするんだろうな??」

「いや、香蔵、進路、進路」


 鬼円、黎矻先生、狸吉からボコスカ言われた香蔵さんは『夏休みMAP』なるものを破ろうとする。あっあっ、皆で言うから!

 現実を見させるなと泣き叫ぶ香蔵さんはとにかく、そう。夏休みなのである。


 もちろん、勉強や進路活動をしながら、この休みの期間を遊ぶのも学生の宿題だ。


「ええっと内容は…………ほとんど遊びばっかじゃないですか……」

「そりゃあ、夏休みでしょ? 遊ばないと損損!」

「あれぇ、この活動って人助けでは……」


 私の言葉に頷く香蔵さん。

 曰く、人助けをしつつ、やはり遊びたいとのこと。遊びたいの八割ほど占めてません??

 内容については、やはり遊ぶものばかり。


 「BBQ(バーベキュー)を皆でする」、「キャンプ場に行き、皆でキャンプを楽しむ」、「海!!」、「花火大会行く!!」、「夏祭り行く!!」、「プール行ってみる!!」などなど(エクセトラエクセトラ)……。


 勉強する気全くないんじゃ……?


「まぁ、はっちゃけるのも大事っすよ! 先生!!」

「いや、お前……あぁ……うん……」


 黎矻先生、諦めるのは良くないと思います。

 事細かく書かれている訳ではなく、みんなで遊べる日を探すんだとか。

 私的には……


「あっ、8()()2()0()()は俺と春乃、行けねぇぞ?」

「えっ、そうなの? 何かあるの?」

「まぁな」


 ……。


「えっちょっ、春乃先輩が固まったんですけど……」

「……宇宙から帰ってきて〜〜!! 春乃〜〜!!」


 ……あっ、いかんいかん。


 おほん、ここは息を整えて……


「アポカリプス!!」

「えっ、なんでアポカリプス(終末)???」


 いや、だっていきなり出てきた言葉が……。

 さらに緩くなる空気感だが、鬼円もそんな空気感に慣れてきたのか何も言わずに『夏休みMAP』を見てる。


 鬼円は、ペンを取り出す。


「とりあえずここはフリーって日を決めりゃあいいんじゃねぇーか?」

「うん! 夏祭りと花火大会は確定であるから……っと!」


 夏祭りの日と花火大会の日をMAPに記し、その他の場所にもサインしていく。

 私も、狸吉さんも、金之助君も……そして。


「……私も」


 ペンを持って、快弦ちゃんがMAPを覗く。

 香蔵さんはそんな私たちを微笑んで見ている黎矻先生の手を引っ張り、ペンを持たせる。


「ほら、先生も!」

「……あぁ、わーったよ」


 先生はやれやれ、と言いたげにペンをしっかりと握る。

 様々な場所がペンと文字で埋まっていく。

 私たちは、笑い合いながらどんどんと書き記していくのだった。


 これからの、夏休みに。

 これからの、未来に。










◇◆◇









「悪噛、夏休みって何する予定?」

「修行」

「うわ。4年連続皆勤賞マジ??」


 とある街の通路を歩く2人の影。

 1人は、名前を言われた悪噛。もうひとりは、そんな悪噛の幼なじみである桑西赤芽であった。

 

 そんな2人は夏休みの予定について話しながら通路を歩いていた。

 そんな2人の前に立つ大男。


「……アァ?」

「ん?」


 桑西と悪噛を見下ろすかのように立ち尽くす大男。

 そんな大男の横をするりと通る2人。


「なんだ、今の?」

「……さぁ?」


 そんな大男は歩き始め、2人をチラッと一瞥した後、呟く。


「……あいつは、能力者……もうひとりは、ただの人間……か」


 手に描かれている「Ⅰi」という数字を見て、呟く。

 その後、目の前の光景が徐々に()()()()()()()、暗闇の世界へと入る。


 暗闇の世界では、天にまで伸びている大きな玉座に黒紫色の髪を持つ、男が座っていた。

 その近くには、3名ほどの人間が座っていた。


「バチカル、聞いたか?」

「……キムラヌートとツァーカブが死んだんだろ?」

「えぇ、アィーツアブス以来ね」

「……アイツは、今から50年ほど前の話だ」


 バチカルと呼ばれた大男は、腕を擦りながら、そう呟く。

 そこに女が1人、入ってくる。


「あら、集まってたのね」

「これで外に出てる2人除いて全員だとよ」

「……また随分と、減ったわね」


 すると、玉座の男が目を覚ます。


「ケムダー、アディシェス、シェリダー、エーイーリー、バチカル。よく来た」


 男がそう呟くと、全員がその男に向かって膝まつく。

 男は、頬杖をしながら言葉を続ける。


「……2人、死んだ。悲しいことではあるが……気を取り直し、計画を進める」

「……いよいよ、ですね」


 シェリダーが呟くと、男は頷く。


「……さぁ、我々の力を使って、この世界を無に返すぞ……」

「「「「「……クリフォトの樹に感謝を」」」」」


 座っていた者達がそう言い、それぞれが現実へと戻っていく。

 玉座に座っていた男は、ため息を吐く。


「……恨むぞ、國網ァ……!!」


 男はそう言って、玉座を粉砕し、その場を離れるのであった。


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