表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
67/92

第67話 夏本番!!


「あーつーいーよーとーけーちゃーうーよー……!!」

「は〜、この季節がいちばん嫌いだわ……」


 冷世ちゃん。その足元にある氷のブーツを脱いでから言いなよね?

 あと鬼円、第二ボタンまで開けないで意識しちゃうから。


 私は友人たちに心の中でツッコミながら一学期終業式に出た校長先生の長ったるい話を右から左に流す。


 いよいよ夏休み前ということでほとんどの生徒は話を聞いておらず、きっと何をしようかなどを考えていることだろう。

 ただ、部活がある生徒にとっては夏休みは本気モード、受験生にとってはここ一番頑張らないといけない季節でもある。


 とはいえ、だ。

 約1ヶ月以上ある休み、それはそれは大いに遊びに使うのだろう。

 かく言う私も、これから部活をしつつ遊びに行く予定でもある。それに、とある生徒(金之助君)の情報では夏祭りもやるんだとか。


 私は蒸し暑い体育館で呑気にそんなことを考えながら、鬼円をちらりと見る。

 そう、私の楽しみはそれだけでは無い。

 鬼円との仲を()()()イベントもあるのだから。

 そう、あくまで深めるだけ。別に、私は意識していないが? 仲良くなるには? 仕方がないということだ。


 あぁ、速くその日が来てくれないかと待ちわびる。

 それはそれとして。


「話長くない? もう5分も話してるよ……?」

「人が死ぬなこれは」


 鬼円はそう呟き、私も苦笑いを浮かべるのであった。










◇◆◇











「さて、どうしようかってことでね、やっていきますけどね」

「ぬるりとはいったな……」

「私は過去のことは置いていく女なのさ……」


 狸吉さんに睨みつけられて香蔵さんは小さくなった。あー、まだ許されてないのか……。

 ……昨日のことは狸吉さんから皆に伝えられた。

 鬼円のこと……私と香蔵さんが戦ったこと……そして何より、ツァーカブ達『クリフォトの樹』のことを。

 それを聞いた黎矻先生はため息を吐いた。


「……超能力部って、なんだ? 世界を救う部活なのか?」

「ゆくゆくはそうする予定です」

「ふざけんなよ……?」


 黎矻先生は汗をかきながら香蔵さんに言う。

 香蔵さんは机に手を置いて話し始めた。


「とりあえず超能力部のこれからの活動だけど、もちろん超能力部として人々を助けていきたい! だから、たまーに学校外の活動もしようかなって思ってさ!」

「はいはーい! 俺もそれがいいと思いますっす!」

「けっ、お人好し……だがまぁ、どーせ丸め込まれるからな……特に何もねぇよ」


 だんだん鬼円も丸くなってきたような……。

 そんな鬼円を見てニッコリ笑顔で頷く香蔵さん。香蔵さん曰く、活動日に関しては連絡するとのこと。

 それに伴い、より活動を楽にするためにグループが作られた。

 鶴愛さんは、結局、私の家に入り浸ることに。うーん、この……。


「まぁいいや。これからもよろしくね、鶴愛さん!」

「あい、よろしゅうお願いしんすね春乃さん」


 私と鶴愛さんはお互いに言う。

 さて、と香蔵さんが手をパチンと叩く。そして、狸吉さんが取り出したのは……1枚の紙。


「隅田川付近でさ! 花火大会やるんだって! 7月の26日!」

「みんなで見に行こうよって、香蔵が聞かなくってさぁ」


 それを聞き、金之助くんは目を光らせ、対照的に、快弦ちゃんは顔を顰めさせた。

 そんな快弦ちゃんに金之助くんが何とか行こうよ、と説得し始めた。

 そこに、香蔵さんも参戦して圧が物凄いものとなり……


「……分かった、分かったから! 予定空けておくから……」

「やったぁ!」

「よっしゃ! 言ったっすからね! 言質取ったっすからね!」


 快弦ちゃんは結局折れたみたいだ。

 私と狸吉さんは苦笑い。鶴愛さんはそんな光景を微笑ましく見ている。

 香蔵さんは次に、という風に黎矻先生を見つめる。

 その気配に黎矻先生はため息を着く。


「行けたらな」

「よっしゃ! ……って、それ来ないやつじゃん!?」


 黎矻先生の言葉に一瞬だけ喜ぶも、速攻で残念がる香蔵さん。

 黎矻先生はため息を吐きながら言う。


「教師ってのはな、そんなに遊ぶような暇はないんだよ……!」


 黎矻先生はそう言って拳を震わせる。

 あぁ……大人って大変だなぁ……。私はそう思いながら苦笑いをうかべる。

 香蔵さんは「ちぇーっ」っと、口を尖らせている。

 

「まぁいいや! とりあえず皆、予定は空けておいてね!」


 皆が頷く。もちろん、私も。

 快弦ちゃんが帰ろうとするのを私は横目で見る。私は、快弦ちゃんに近づいて声をかける。


「快弦ちゃん、パフェとか好き?」

「……? なんで?」

「いや、近くにパフェが食べれる店があってさ」


 私は携帯を見せる。

 快弦ちゃんは少しだけ目を見開いた後、俯いて横に首を振る。

 私はそっか、と言い、その場を離れようとする。


 すると、快弦ちゃんが「いや」と声を上げる。それに驚いて振り向く。


「行く」

「……本当に!?」


 私は笑顔を浮かばせて快弦ちゃんの手を掴む。

 快弦ちゃんは「うわわ」と声を出して私を見つめる。


「……元気だねぇ」


 そんな私たちを見て、そう呟く香蔵さん。そして、その言葉に頷いて目を細める狸吉さん。

 私と快弦ちゃんは外に出て、早速パフェが食べれる店へと走っていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ