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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
65/92

第65話 決闘 その③


「……あ?」


 鬼円からの攻撃で灰のようなものを零しながら呟くキムラヌート。

 しかし……


(クッソ!! しくった……!!)


 その傷は浅く、灰が零れたものの、すぐに止まってしまった。

 キムラヌートは、ニヤッと笑い、鬼円を見る。


「残念だったなぁ……」


 瞬間、大きな壁が鬼円の目の前に出て、鬼円と春乃達が分断される。

 鬼円はその大きな壁に向かって走って、飛ぼうとするが、ツァーカブはそれを許さなかった。

 香蔵は大きな壁を破壊しようと、手を伸ばして『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』を使うが、『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』は切り裂かれる。


「っ、ぶはっ……!?」

「香蔵さん!!」


 『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』が切り裂かれたことにより、口から血を吐く香蔵。


(畜生……ダメージが溜まりすぎた……!!)


 口から出た血を拭って、キムラヌートを睨みつける香蔵。

 キムラヌートはニタニタと笑いながらコンクリートで作ったのであろう鎌のようなものを手に持ち、こちらに走ってくる。


 香蔵は『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』を再び作り出そうとするが、キムラヌートに蹴り飛ばされて壁に勢いよく叩きつけられてしまう。


(やっば、これ……死……)


 香蔵が目を閉じかけた時、春乃が見える。

 春乃は、泣きそうな顔でこちらを見て叫んでいた。

 それを見て、香蔵は目を見開き、ニヤッと笑う。


「まだ死ねないんだなこれが!!」


 キムラヌートの鎌が……否、()()()()()()()()()()()()()()


「……っ!?」

「えっ!?」


 キムラヌートは無言で驚き、その光景を見た春乃は口に出して驚いていた。

 香蔵は、手を大きく開き、天に向ける。

 キムラヌートは動きを止めて、地面から大きな岩槍を何個も出現させて待機する。


(何をしてくる幽霊女……!)


 ふと、キムラヌートの周りが金色に光り始めた。

 それは、明らかな異常であり、キムラヌート自身の脳内も、大きな警報を五月蝿く鳴らしていた。


「なっ!? これはっ!?」


 キムラヌートはコンクリートを自身に幾つも重ねて攻撃を耐えようとする。

 だが、それは無意味であった。


 香蔵の目は金色に光り、キムラヌートを見据える。

 そして、呟くように口を開いてその技の名前を、技と共に放った。


「なっん、だとォォぉ……!!?!?」


 キムラヌートの悲鳴に近い叫び声は、轟音と共にかき消された。



「『月魂(ルナアルマ):王女と王子のプリンセサ・プリンシペ・神秘的な輝きミスティコ・レスプランドール』」











◇◆◇











 大きな爆発音と共に地面が揺れ始めたその場で、鬼円とツァーカブは走っていた。

 お互いに牽制しながら、その爆音の方を横目で見る。


(なんの音……!? まさか、やられた……!?)

(ちっ、いくらなんでもやり過ぎだ馬鹿!)


 だが、と鬼円の口角が上がる。

 それと同時に大きくオーラが立ち上る。


「決着だクソ野郎」

「上等!」


 鬼円とツァーカブはぶつかり合い、鬼円が負ける。

 鬼円は空中で2回転して地面に脚をつけると、目の前に迫っていたツァーカブに思いっきり殴られ上に飛ぶ。


 鬼円は口から血を零しながら、ツァーカブを探す。

 ツァーカブは既に、鬼円の上へ飛び、勢いよく拳を振り落として叩き落とすのだった。

 その衝撃で、大きな土煙が上がる。


「……あっけなかったわね……」


 そう呟いた後に、大きな壁を見る。

 その壁は、勢いよく崩れ落ち、煙を上げながら崩壊して行った。

 

「……キムラヌートも、逝っちゃったか……」


 まるで仲間の死を悲しむかのような顔をした後……違和感を感じる。


「……なんだこれ?」


 キムラヌートの気配は消えた。残りの2人は、キムラヌートを殺した奴と、キムラヌートを殴った女の2人だろう。

 だが、なぜか()()()()()ある。

 気配のようなものが、弱々しくも、立ち上っている。


 ツァーカブが、それに気付いたのは。


「おい、どこ見てやがる……!」


 後ろでオレンジ色に輝く、天に昇るオーラと、その声によってだった。


「っ!!!」


 ツァーカブは思いっきり振り返りながら爪で顔面を切り裂こうとする。

 ツァーカブのその爪が届く前に、ツァーカブの腕が吹き飛んだ。


「っああぁっ!?」

「言ったろ……」


 鬼円は頭から血を流し、片目を閉じながらも、ツァーカブを睨みつける。

 ツァーカブはそれを見て、自身の脳内に「死」という文字が浮かび上がらせた。


「待っ……!」

「『日輪・戌之太刀』」


 戌之太刀によって、勢いよく上に斬りあげられるツァーカブ。

 ツァーカブは口から灰のようなものを吐き、後ろを振り向く。


 そこには既に、刀を構えている鬼円の姿が。


(……こいつらは…………)

「『日輪───」


 ツァーカブは、大きなオーラの光に目を瞑りかけて……


(ヤバかった……!)


「───雉之太刀』!!!!!!」



 ツァーカブの頸が、空中で飛んだ。

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