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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
3章 夏休み編
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第59話 仲良くなる秘訣


「ふふ〜ん♪ ふふふ〜ん♪」

「……春ちゃん、なんであんな上機嫌なの?」

「さぁ……?」


 私はひたすらに舞い上がっていた。

 蟹菜ちゃんと冷世ちゃんのおかげだとは言っても、まさか鬼円と水族館行けるだなんて……!

 いや? あくまで? 私が水族館好きだから? わざわざ鬼円の為にじゃないけどね!


 その様子を見ている香蔵さんと快弦ちゃんがなんか言ってるけど気にしないでおこう!

 や、やっと誘えた……ってのも内緒にしとこう。うん。きっとそれがいい。


「依頼は……なし……か」

「うーん、まぁ無い方がいいよね」


 いや、それ、この部活してる意味……。

 とは言っても確かに無い方がいいのかもしれない。

 依頼があるということは、誰かが困っているということだから。


「無くなりませんよ……」

「えっ?」


 すると、その話を聞いていた快弦ちゃんがそう呟く。


「この世からは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

「……?」


 その言葉を聞いて、香蔵さんは首を傾げる。それって、なんか……。

 そう思っていると、ガラガラと扉を開けられ、私の思考がストップする。

 どうやら、金之助君が部室に入ってきたらしい。


「あっ、快弦さん! また来たっすね!」

「めんどくさ〜〜……」

「えっ、面倒臭いっすか? じゃあ面倒臭くしないように頑張ります!」

「そういうところだよ……」


 快弦ちゃんは金之助君を見てそう言う。

 金之助君は頭を搔いている。いや、褒められてないんだよ……?

 ふと香蔵さんの方を向くと、香蔵さんは冷房を見て、顔を顰めている。


「暑くない……? 本当に冷房ついてる?」

「そうっすね。こう暑いと燃えてくるっす……!!」

「全然燃えてこないんだけど……」


 金之助君には暑さ、は効かないらしい。

 私は苦笑いを浮かべつつ、金之助君を見ていた。あんなコミュ力はどこから湧いてくるんだろう……?

 もしかして生粋で、生まれつきのコミュ力なのかな……?


「そうだ!」


 すると、香蔵さんが声を上げる。


「みんなでさ、海とか行かない!?」

「海?」

「おおっ! 行きたいっす!!」


 香蔵さんの提案に、快弦ちゃんはそう言って固まり、金之助君は拳を握ってさらに瞳を燃やす。

 無論、私も少しだけ考え込む。

 超能力部みんなで海……か。とても楽しい記憶になるだろう。それは確実だ。


「鬼円……」


 私は1人でそう呟く。

 やはり、同級生に水着姿を見られるというのは少しだけ……いや、結構抵抗があるが……。

 というか、鬼円が私の姿を見てなんて言うか……だ。


「春ちゃん?」

「えっ? いや!? 何も!?」

「……何も言ってないけど……?」


 落ち着け私。今はとりあえず話を聞くことにしよう。

 ……って、あれ?


「そういえば、鬼円は?」

「あぁ、鬼円なら今日はいないよ」


 香蔵さんがそう言う。

 曰く、鬼円は大事な用で先に帰ったんだとか。ふーん、なんか、話したかったなぁ。


「確か、『呼ばれたから』って言ってたな……」

「呼ばれた? 誰に?」

「さぁ?」


 香蔵さんはそう言って肩をすくめる。

 まぁ、鬼円のことだ。きっと何かあっても大丈夫だろう。


「さぁて、快弦ちゃん。そうなると、水着が必要だねぇ〜!」

「いらないですし、行きません」

「えええっ!!?」


 香蔵さんの言葉を拒否権(ナイフ)でぶった斬る快弦ちゃん。

 快弦ちゃんはそっぽ向きながらため息をついた。


「大体、私はそういうイベント事は嫌いです」

「うっそォ〜!? じゃあ、文化祭とかも嫌いなの!? とにかく、楽しい記憶作ろうよ〜!! ね?」


 香蔵さんは何とか振り向かせようと快弦ちゃんに言葉をかける。

 が、快弦ちゃんにはどれも効かず、そっぽを向いたまま断られてしまった。私に視線を飛ばされても困るんですけど……。

 すると、金之助君が近づいた。


「……はぁ、何?」

「じゃあ、海じゃなくて山登りましょう!」

「…………は?」


 金之助君はそう言って快弦ちゃんの手を掴む。

 そして、グイッと手を引いて立たせた。


「イベント事が嫌いだなんて人間はいないっす! 少なくとも俺はそう思うっす!」

「っ! アンタがそう思ってるだけで……」

「学校だけのイベントじゃないっすよ! お祭りだって、花火大会だって、9月とか先に行けば、お月見だってやるし、ハロウィンとかクリスマスとか大晦日があるんす!」


 手を強く握ったま金之助君は続ける。


「日本には沢山のイベント事があるっす! それが嫌いだなんて言う人間は、きっと、人生がつまらなくなってる人なんです!」

「私以外にだっているでしょそんな人間!」

「だから! 楽しい思い出を作れば、あぁ楽しかったなって、またここに来たいなって、そう思って人生がより豊かになるんす!」


 金之助君の言葉に、香蔵さんが頷く。

 金之助君の言うことは、確かに正しいし、いい事だ。それを聞いてか、快弦ちゃんの暗い目が一瞬だけ、揺らいで光が入った気がする。


「だから、楽しみましょうよ!」

「っ………………わ、分かったわよ! だから、離して!」

「ははっ、それなら良かったっす!」


 それを見ていた香蔵さんは私に近づく。

 私は、香蔵さんを見て頷く。香蔵さんも私が言いたいことがわかったのか、同じく頷く。


「金之助やばいね」

「うん、やばいです」


 こうして、超能力部コミュ力最強王として、しばらく私たちの中で居座るのだった。















 ◇◆◇














「とっとと要件言いやがれクソ野郎」

「ふふふ、ちょっとは待ちなさいよ……鬼円?」


 鬼円は刀に手を伸ばしたまま睨みつける。

 そう、学校での事件を、引き起こした人物を。


「貴方だって、求めてたんでしょう?」


 彼女は、うふふ、と微笑んだ後に睨みつけるかのように鬼円を見る。

 そして、彼女は手を伸ばして言った。


「さぁ、決着をつけましょうか」


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