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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
2章 七夕戦争編
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第53話 鬼円という男


 ───マジかよ……!

 心の中でそう呟くのは鬼円。

 鬼円は、目の前で起きていることを見て目を大きく開いていた。

 目の前では、キムラヌートと名乗った敵が春乃にバールで殴られ、地面に倒れた所だった。

 鬼円は痛みを叫んでいる体に鞭を打ち、立ち上がる。


(くそっ、かっこ悪い所を……はやく、あいつのところに……!)


 鬼円は地面を見ながら春乃の方へと歩く。

 前を見ると、こちらへ駆け寄ってくる春乃の姿が。それを見て、取り敢えずため息を吐く鬼円。


「てめぇ何して───………………っ!!!!」


 鬼円は再び刀を手に持ち、春乃を護るように抱き寄せてから()()()()()コンクリートを防ぐ。

 いきなりの事に、春乃は鬼円の胸に顔を埋めることとなった。


「ちっ、殺そうと思ったが、防がれるわな……」


 そこには、頭を抑えて立ち上がるキムラヌートが。

 春乃は後ろを振り返り、顔を真っ青にする。


「この(アマ)ァ……よくもやってくれやがったな……」

「っ……!」


 瞬間、鬼円から有り得ないほどのオーラが上へ噴き出した。

 その目は血走っており、顔を暗くして威嚇のようにオーラを昂らせていた。


「おい、コイツに手ぇ出すな…………殺すぞ……っ!」

「……化け物は香蔵(あいつ)かと思ったらテメェかよ……!」


 春乃は鬼円から離れ、後ろに鬼円の回り込む。

 鬼円は刀を構えてキムラヌートを見据える。

 普段よりもオーラが大きくなっている鬼円は、その脚を思いっきり地面のコンクリートを割った。

 それと同時に大量のコンクリートが鬼円に迫る。


「っ……!!」


 コンクリート一つ一つを刀で斬り捌く鬼円。

 コンクリートは斬られたことで小さくなり、慣性の法則で後ろへ吹っ飛び廃工場の壁に穴を開ける。

 鬼円が走り出し、その衝撃で地面を抉る。


「はえぇ!?」

「ラァァ!!」


 逆袈裟斬りのように刀を振る鬼円。

 だが、それは避けられてしまい、キムラヌートは反撃で鬼円の顔面を蹴る。

 鬼円は蹴られたことで顔を大きく揺らすが、直ぐに体勢を立て直して踏ん張りを利かし、左足でキムラヌートの横腹を蹴り飛ばす。

 キムラヌートはそれを喰らい、横に吹っ飛ばされる。


 と、同時に鬼円はそのキムラヌートを追い、体勢を立て直そうとするキムラヌートを今度は上に刀を持ってる逆の手で殴り飛ばした。

 空中で身を翻し、地面ではなく、天井にある鉄を使い、槍のように鬼円に放つ。

 鬼円は1本1本それを走って避けて、その鉄の槍を蹴って駆け上がる。


「くっ!?」

「遅ぇ!!」


 雷が一気に駆け上がったかのように昇った鬼円はキムラヌートの腹に目掛けて蹴りを入れ込む。

 キムラヌートは「ゴボッ」と血を吐き出すものの、鬼円の顔を掴む。


「そりゃあぁ!!」

「うがぁ!!?」


 地面に思いっきり投げられた鬼円は空中で二回転し、地面に着地する。

 が、その間にキムラヌートが鉄の槍作り出し、それを手に持ち、勢いよく降りてきた。キムラヌートはその鉄の槍で攻撃を仕掛ける。

 鬼円はキムラヌートの攻撃をギリギリで避けるものの、頬や体に傷が走り、服が破れる。


 しかし、刀を上手く使い、鉄の槍を止めて叩き折る。

 そして、キムラヌートに向かって頭突きをする。

 キムラヌートは後ろに数歩下がってコンクリートを放とうと手を伸ばす。


 ……が。


「……っ?!」


 目の前がクラっと揺れ、地面に片脚を着く。

 その理由は至極簡単なこと。


(そうか……脳震盪……!!)


 春乃のバールでの攻撃。

 そして、先程の鬼円の頭突きや攻撃。

 それらにより、キムラヌートの脳は大きく揺らされてしまい、脳震盪を引き起こされてしまったのだ。

 その隙を鬼円は逃がさない。


「殺す……っ!!!」


 鬼円は刀を構えて飛び込む。

 まるでコメットテールのようにオーラが走り、鬼円が凄まじい勢いで走っているのがひと目でわかる。

 そして、鬼円は刀を振り抜く。


「『日輪(にちりん)戌之太刀(いぬのたち)』ッッ!!!」


 その技は、キムラヌートを一直線に斬り抜いた。

 キムラヌートからは血…………ではなく、まるで灰のようなものが天に昇るかのように吹き出した。

 それを見て、全員が息を飲んだ。


「グフッ……」

「てめぇそれ…………()()()()?」


 鬼円がキムラヌートにそう聞くと、キムラヌートはクツクツと笑いながら立ち上がる。


「なるほどなぁ……テメェが……ツァーカブを追い詰めた理由も……わかった気がしやがる…………!」

「……どうする、まだやるか……っ!」

「いや、結構。今回は少しだけ遊びで来たんだよ……なっ!!」


 キムラヌートが力を込めると勢いよく風が吹き、なんと、鬼円が付けたはずの傷が治った。

 それには鬼円でさえ口を大きく開いた。

 キムラヌートは飛び上がり、廃工場の天井から下を覗くかのように顔を出す。


「またな……!」

「っ! 待ちやがれ!!」


 鬼円の静止も虚しく、キムラヌートはその姿を消してしまった。

 消えて直ぐに、鬼円のオーラが、フッと消えた。

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