表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
2章 七夕戦争編
52/92

第52話 元凶


「なっ!?」

「っ! おい、花畑!! 止めやがれ!」

「俺じゃねぇ!!」


 いきなりのコンクリートの雪崩に、各々が反応する。

 哲殻は羅救と春乃を抱え、遠くに走り出し、徹太達も走り出す。悪噛と鬼円、そして香蔵は能力を使い、コンクリートを壊しながら耐える。

 いきなりの事に、鬼円は真上を見る。


「……誰かいやがる!」

「っ!」


 工場の上から、黒い影が飛び降りる。煙が辺りを舞い、影が見えなくなる。

 瞬間、全員の脳裏に『死』という文字が浮び上がる。

 鬼円、悪噛、徹太は各々武器や拳を構え、鬼のような形相のまま冷や汗を垂らす。

 煙の中からは、誰かの笑い声がする。


「ハハハッ、そんなに睨みつけんなよ」


 フードを被った黒い影が()()()()()()()()

 それを見て、全員が息を飲む。

 普通の人間が空中を浮遊することはまずない。さらに言えば、花畑と徹太が知らない人間ならば、絶乃罵悪栖(ゼノバース)でも汚夢爾罵悪栖(オムニバース)でもない。

 無論、悪噛はそんな存在を知らないので静かに拳を構えるだけだ。

 ただ、この場にいる2人だけが違う反応を見せていた。


「コイツ……!!?」

「学校にいたもう1人の……!」


 それは、鬼円と春乃であった。

 その様子を見て、香蔵が鬼円の方を向いて尋ねた。


「知ってるの!?」

「あぁ、コイツ……俺を襲ってきやがった仲間のひとりだ!」

「先月はどーも。ツァーカブがお世話になったな」


 その名前を聞いて鬼円は確信する。コイツが、その仲間のひとりだ……と。


(何しにきやがった……!?)

「何しにきやがったって顔だね。まぁ聞けよ」


 心を読まれた鬼円は構えをさらに低くし、何時でも頸を取れる様に準備をする。

 そんな様子を見て「やれやれ」と首を横に振るフードの男。だが、言葉を続けた。


「そこの男の『透明な壁』は俺が作り出したものだ。つまり、そいつ自身に力は無い」

「じゃあ、なんだ? てめぇがずっと花畑のことを見てて、タイミング合わせて作ってたって訳か?」

「頭がいいね君は」


 徹太の言葉に頷くフードの男。それを聞き、徹太の額に血管が浮かび上がり睨みつける。

 そんな中、先手必勝と考えた鬼円は能力を発動させ、腰にある刀を手に取り、飛び上がる。

 それを見て、敵であるフードの男は手を鬼円の方に突き出し、地面にあるコンクリートの欠片を空中に持ち上げ、鬼円に放つ。

 鬼円はそれに乗っかり、さらにフードの男に近づく。


「オラァ!!」

「っぶね」


 フードの男を真っ二つにするかのように刀を振るが、それを軽々しく避けられる。

 だが、風圧によってフードは外され、その顔が(あらわ)になる。

 短い金色の髪に、通常白いはずの目が黒く染まり、瞳がカラコンを付けたかのように金色に染っていた。

 空中で身を回転させ、鬼円を蹴り落とす男。

 鬼円は地面に叩きつけられ、その衝撃で肺にあった空気を吐き出し、しばらく咳き込む。


「いきなりでビックリだぜほんと」

「テメェ、なにモンだ?」


 悪噛の言葉に彼は手を広げて言った。

 自身の名前を、世に知らしめるかのように。


「キムラヌートだ。よろしくな」


 その言葉が聞こえた瞬間、悪噛がキムラヌートに飛び込み、徹太がキムラヌートに向かって走る。

 キムラヌートに拳を当てようとする悪噛。

 キムラヌートには届かず、逆にカウンターを食らってしまう悪噛。

 キムラヌートの後ろに回った徹太は脚を掴まれ、地面に叩きつけられる。


「ガッ!?」

「君は寝ててくれよ」


 操られたコンクリートが徹太に纏わりつき、地面に固定されてしまう。

 それを見て、香蔵が動く。

 香蔵が手を上げると同時に『月魂(ルナアルマ):皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』を再び呼び出す。

 その手には既に、『月魂(ルナアルマ):日食の剣エクリプセ・エスパーダ』が握られており、キムラヌートに駆け出す。


「こいつは、ちょっとヤバいな!」

「叩き斬れ! 『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』ッッ!!」


 『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』が剣を振るうと、キムラヌートが飛び退ける。

 だが、諦めない香蔵は、さらなる追撃を『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』に示す。

 だが、地面のコンクリートが『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』に纏わりつき、地面に倒す。

 瞬間、先が尖っているコンクリートの嵐が『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』を突き刺す。


「ほれほれ、コンクリートの槍の嵐だ!!」

「っ!!」


 『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』は為す術なく穴ぼこだらけになり、再起不能となってしまった。

 仕方がなく、香蔵が『皇帝の幻想イルシオンエンペラードール』を消すと、コンクリートの槍を持ったキムラヌートが飛び込む。

 香蔵に迫るキムラヌート。それを見て、春乃の頭がフル回転する。


(止めないと。止めないと。止めないと!! どうやって!? 相手はコンクリートを持ってる! 鉄板? ダメだ貫かれる! 鉄板を何枚にも重ねたら? 私が持たないし、衝撃は殺せない! どうする!? どうする!!?)


 ふと、すぐ側に落ちているバールを見つける。

 それを見て、冷や汗が垂れる。


(バール……!? 止められるか? 殴れば……!! でも、どうやって!? あんな動きをする相手を、私が? どうする!? どうやって…………)


 だが、春乃は考えをやめてバールを手に取って走る。

 香蔵ではなく、キムラヌートの方へと走り出し、全力で振りかぶる。


「3秒後の予測はっ!! ココっ!!!!」

「何!?」


 直線状を移動している相手の3秒後を予測。

 それによって、いきなりでは無いにしろ、予想していなかったことをされたキムラヌートは急には止まれず……


「うりゃああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」


 ゴン! っと鈍い音がその場に鳴り響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ