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ようこそ!超能力部です!  作者: YY-10-0-1-2
2章 七夕戦争編
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第48話 発見、汚夢爾罵悪栖!

あけましておめでとうございます!


 次の日。

 大きな館の隣にある武道場では大きな音が鳴り響いていた。

 その音にびっくりして飛び起きた香蔵は、目を擦りながらも音の原因に向かって走るのであった。


 (大きな音…まさか、襲撃!?)


 山吹色のオーラを放ち、いつでも戦闘ができるように態勢しつつ、武道場の重い扉を開けた。

 そこでは……


 「オラっ!!」

 「っ!!」


 木刀を持った鬼円が、悪噛と徹太に斬りかかる姿だった。

 悪噛は間一髪で避け、徹太は腕をクロスして木刀を耐える。

 相当痛かったのだろうか、腕をクロスの状態にしたまま飛び退け、腕をさすっていた。


 「お前なぁ!? 少しは手加減しやがれ!!!」

 「ヤダ。あと、見え見えだよ!!」

 「ゴフ!?」


 悪噛がぶっ飛ばされたのを見て、香蔵は山吹色のオーラを消して呟いた。


 「アホらし」


 そして、来た道を戻って耳栓をしてから再び眠りにつくのであった。

 ちなみにこの対戦は2時間にも及び、流石にうるさすぎたのか羅救に怒られたことで終演した。









 ◇◆◇








 「えっと、じゃあつまり、今朝の大きな音は……」

 「お兄ちゃん達がボコスカ大乱闘してたの」


 それを聞いて私は、何故こうも私の周りには血の気が多い人達が多いんだろうと思った。

 そして、なぜ妹ちゃんに怒られてんだ檻鉄さんは……。


 「ほんっと、困っちゃうよね!」

 「あはは……」


 ぷんすこ怒っている羅救ちゃんに苦笑いしつつ、鬼円とばったり会う。

 鬼円はその顔に絆創膏や湿布等を貼っていて、その対決がどれほど激しかったのかを物語っていた。

 ただ、すこし不服そうな顔なので中断させられたことに不満でも持っているのだろうか。


 「…」


 そそそッと私の後ろに隠れる羅救ちゃん。

 ため息を吐いたのは鬼円であった。


 「どうしたの?」

 「……アイツ、能力見えてねぇだろ」

 「アイツ?」

 「檻鉄徹太だよ」


 そう言うと、私の後ろからひょこっと顔を出す羅救ちゃん。

 鬼円が羅救ちゃんにだろ?と言いたげに首を動かすと、コクリと頷いた。


 「でも、あんな馬鹿力発動させてたらバレるんじゃないの?」

 「まぁな。俺は狸吉先輩みたいに炎を出せる訳じゃないからな」

 「そういえば、狸吉さんの炎ってあれ燃えるの?」


 私がそう聞くと、炎だぞ何当たり前のこと言ってるんだお前? と言いたげな顔をする。悪かったね!!


 「能力ってのは、発現するものもあれば、俺みたいに本体を強めてくれるのもあるんだよ」


 なるほど。

 その人それぞれで違うってことか。例えば、『呪文』によっても、魔法なのか、バフなのか、それとも別の何かなのかに分かれるってことか。

 ……香蔵さんのは何なんだろうか。


 「香蔵(アイツ)のは知らねぇ。なんやよく分からん」

 「だよね〜…」


 やはり、鬼円にも分からないようだ。

 羅救ちゃんは、私の袖をクイクイと引っ張ってくる。

 しゃがんで耳を傾けると、コソコソと話してくる。


 「悪い人じゃない…?」

 「え? あ〜うん、多分…?」

 「おい、なんで疑問形なんだよ」


 いや、だって昔自分よりも年上の人を絞めてたって言ってたし。

 不良から脚を洗ったと言っているが、全然洗ってないって言うか、残りが残ってるって言うか。


 「まぁいい。そんじゃな」

 「うん!」


 鬼円が私の横を通って、遠ざかっていく。

 羅救ちゃんは、私の後ろから、出てきて、鬼円の向かっていった方をじっと見つめている。


 「強いんだね」

 「……うん」


 鬼円は実際に強い。

 体格差がある迅亀さんを倒したし、学校での女の人と対峙していた。

 だけれども、そんな彼でもまだ16歳、私と同じ高校二年生なのだ。


 「お前ら、ここにいたのか!」

 「あっ、お兄ちゃん」


 後ろから話しかけてくるのは檻鉄さん。

 檻鉄さんは、ニヤッと笑っている。何かあったのかな。


 「分かったぞ、アイツらの居場所がよ」

 「アイツら…って、まさか!」

 「あぁ」


 私の言葉に頷いて、檻鉄さんは力強く言った。


 「汚夢爾罵悪栖(オムニバース)を、追い詰めるぞ!!」









 ◇◆◇







 ───汚夢爾罵悪栖は、近くにある廃工場を根城にしている。


 徹太は、開口一番にそう言った。

 その言葉に、鬼円達は各々の反応を示した。

 徹太は哲殻にホワイトボードを出すように言うと、そこに紙を貼り付ける。


 「俺らの向かう廃工場は、ここだ」


 赤いペンを持ちながらそう言うと、横にキュキュキュっと、文字を書く。

 そこには、『相手陣営:約1000人』と『味方陣営:50人』と書かれていた。

 人数は20倍もの差があり、到底戦えないように見える。だが、徹太はそんなことは気にしてはいなかった。

 なぜなら、量より質を重視していたからだ。

 一騎で千人を相手にできるほど強いこと…一騎当千という言葉があるように、鬼円達一人一人がそれほどまでの強さを兼ね備えていた。


 「鬼円、悪噛……そして、俺が主軸で動く。テメェら(絶乃罵悪栖の連中)は哲殻を中心に動け。哲殻、頼むぜ」

 「あいよ、若」


 哲殻の言葉にうん、と頷く徹太。

 そして、と羅救の方を向いた。


 「羅救、それと、春乃……お前らは哲殻達と一緒にいてくれ」

 「……へ、私!?」


 いきなりの使命に春乃が素っ頓狂な声を上げる。

 それを見て、羅救が「大丈夫だよ!」と呟いてから頷く。それを見て、春乃はうーん、と唸りながらも分かったと頷く。

 すると、赤芽が手を上げる。


 「それって大丈夫なの? 悪噛達は分かるけど、春ちゃんは戦えないでしょ?」

 「まぁな。そこらへんは哲殻達に任せることにしてる」

 「「「「「おおおーーーっ!!!」」」」」


 後ろから歓声が上がる。

 哲殻達という言葉に歓喜していたのだ。

 普段、羅救を守っているのは哲殻、そして現在は敵としている花畑の仕事である。

 だが、今回の大きな戦争ではそれが任せられない。つまり、これは『お前らに任せるぞ』という暗示なのである。

 それは、信頼を勝ち取れるという事と同じ。

 徹太の近くで活躍できるということ。


 それだけで、彼らは大きく戦力として闘うことができるのだ。

 その圧をひしひしと感じていた香蔵は内心、すごいと感じていた。


 「今度こそ、花畑を()()()()ぞ!! テメェら!!」


 先程よりも大きな歓声が上がる。

 七夕戦争まで、日が近づいてきていた。

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