表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ!超能力部です!  作者: ガッツYY
1章 一学期編
2/78

第2話 2年A組


 超能力部。

 それは、なにか困った人や、依頼をしに来た人達を超能力を上手く使い助け、解決する部活。

 だが、超能力を持っていない私にとってはいてもいいのか?と言った部活だ。

 そんな部活なのだが……


 「いやぁ、やっぱポテチよね!ポテチ食べながら見るアニメは最高!」

 「いや、なんですかこれ!?」


 私の目の前には、ソファでおじさんのように転がっている香蔵さんの姿が…


 「部活は!?活動しないんですか!?」

 「春ちゃん落ち着きなよ〜深呼吸深呼吸」

 「してられますか!」

 「しょうがないな〜ほれ、ポテチ。のり塩味だよ」

 「いりませんよ!」


 な、なんだこれ……?部活動なのに…ポテチ食いながらテレビって……テレビ!?


 「なんでテレビあるんですか!?」

 「ん〜?持って来たに決まってるじゃん」

 「なんで持ってきたんですか!?」

 「もう、叫んでばかりじゃ喉やられちゃうよ?」


 そう言って、香蔵さんが水を手渡ししてくる。いや、嬉しいんだけどね?


 「鬼円くんもなんとか言ったら……ってあれ?いない?」

 「鬼円なら多分道場だよ?」

 「ど、道場……?」

 「そ、この近くに道場があってね…そこで毎日練習してるんだって」


 す、凄いな……じゃなくて!


 「部活動はどうするんですか!?」

 「春ちゃん落ち着いて?依頼人が来なきゃ、部活動も出来ないよ〜」

 「いや、探すなりなんなりできるんじゃ!?」

 「お、時間だね。今日は帰るか」

 「話を聞いてくださーい!!」


 ほ、ほんとに何なんだここ……?これが部活動?や、やりたかったことが違うっていうか、いや、怖くないから別にいいんだけど…

 香蔵さんは鞄を持ってその場を後にしてしまう。私はぽつんと1人で立っていた。


 部活動は依頼人が来なきゃ何もやらないし、先生に許可されたのかは知らないけどテレビあるし、ポテチ食べてるし…

 わ、私の高校生活どうなるの……?







 ◇◆◇






 次の日。


 「今日は自己紹介も兼ねてグループ活動をしてみましょう」


 1時間目、先生にそう言われ、グループを作る。

 グループは、鬼円くん以外みんな女子であった。グループを作り、隣に座っているのは水色っぽい髪の毛と水色っぽい瞳を宿した女の子。

 そして、鬼円の隣に座っているのが金髪の八重歯を持っている女の子だった。


 ここの高校は髪染めはオッケーらしいのだが…こんな大胆な髪染めは初めて見たな…髪が金髪って…

 すると、その金髪の女の子が先に口火を切った。


 「じゃ、自己紹介…私、猿野蟹菜(さるのかにな)!趣味は…え〜絵を描くこと…かな?」

 「私は春乃真希。よろしくお願いします…趣味は……アニメ鑑賞…かな?」


 残りの2人……鬼円はこちらには向いておらず、空を見ており、水色の髪の子は自分の爪を見ている。

 この2人、話しかけずらいんだが…気まずくなるのも嫌なので声をかけてみる。


 「え、えっと…自己紹介…」

 「ん?私?」

 「う、うん」


 はぁ、とため息をついた後にこちらを向いて気だるそうに自己紹介を始めた。


 「私は氷雪冷世(こおりゆきれよ)

 「しゅ、趣味とか部活とか…」

 「趣味…特にないかな。部活は陸上部」


 すると、蟹菜ちゃんが話の種を見つけたかのように食いつく。

 よし!よくやった私!何とかなるはず!


 「私は帰宅部なんだけど、みんな部活やってるの?」

 「わ、私は……超能力部っていう…」

 「あぁ、あの胡散臭い…」


 冷世ちゃんがそう言う。

 う、胡散臭い……胡散臭いって言われてるのか…蟹菜ちゃんは好奇心旺盛なのか、話題が出ると直ぐに食いつく。


 「オカルト的なことを解決するんでしょ?私は好きだけどね!オカルト!」

 「え?そうなの?」

 「うん!だって、なんかこう…不思議じゃん!」

 「不思議…」

 「うんうん!ねぇねぇ、君はオカルト話とかは好き?」


 鬼円くんに話を振る。が、少しこちらを見ただけで終わってしまった。

 それを見て、蟹菜ちゃんは頬をふくらませ、冷世はまるで豚を見るような目で鬼円を見ていた。

 と、言うかオカルト的なことと思われてるのか…


 「ねぇちょっと〜無愛想だよ〜」

 「なんだろ。カッコつけてるのかな…」


 2人から言われても気にしている様子はない。話を変えるべく私はなんとか話題を変えた。


 「り、陸上部って確かたくさん競技あったよね?何をやってるの?」

 「…主に長距離走。たまに短距離もやってる」

 「へぇ〜凄い体力あるんだね」

 「まぁ……ね」


 うん?なんか今顔が…?

 すると、それよりも…と蟹菜がこちらを向いてくる。


 「超能力部なんでしょ?何かやったの?」

 「え!?い、いやなにも…まだ何もしてなくて…」

 「まだ?ってことはこれからやるんだ!」

 「転校生だからそんな簡単にはってことでしょ?」


 2人から質問攻めのようなものをされる。それに答えていこうとなんとか捻っていると、チャイムが鳴った。

 いつの間にか時間が経っていたようだ。


 「あれ?もうそんな時間だっけ?」

 「あ〜話してたらお腹空いちゃった〜」

 「まだ1時間目だよ……?」


 あははと蟹菜が笑う。そのまま1時間目、2時間目もどんどん終わっていき、すぐに放課後となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ