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Lvが1.2Gでした  作者: ねろっと
ゴブリンクイーン
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ゴブリンクイーン その2(4)

-4/11 憲兵訓練場-

 今日は、朝早くから呼び出しを受け日が昇る前に訓練所に向かう。訓練場に到着して準備運動をしていると呼び出した本人である仮面の男とアムールさんとクリスが来た。仮面の男は、クリスの父親で現在の皇帝陛下だ。


「さて、時間も無いので、さっそく始めよう。

 どれだけ腕が上がったか楽しみだな」


 仮面の男は、ゆっくりとした動きだが、構えに隙が無く攻撃が予想しにくい。

 繰り広げられる攻撃を必死に防ぐが、反撃の糸口をつかめずそのまま一本を取られる。


「守っているばかりでは勝てないぞ」


 何度、再戦しても攻撃が封じ込まれる。

 その後、クリスとアムールさんが代わりに、仮面の男に挑む。

 仮面の男の動きを読むため、手足を中心に追っているが、次の動きが予想しにくい。

 クリスが治療で仮面の男の疲れをとる。今度はココとスタンが挑む。

 今回は、手足で無く体幹に注目すると、ある程度動きが予測できる。


「少しはコツがつかめる様になったか」


 仮面の男に声をかけられ、再戦する。

 さきほどよりも動きが読めるが、防御はできても攻撃に回れず、結局押し切られる。


「動きを読めることに頼りすぎだ。

 武術は、攻撃と防御が一体だ。

 もう一度、ゼロから鍛えせ」


 ダメ出しをされた。

 日が昇りだし、仮面の男は『公務がある』と言い残し護衛の兵士とともに、皇宮に帰っていった。

 動きが読めることに頼りすぎたのだろうか。何か核心を突かれた様な気がする。ゼロからやり直そう。

 ゴブリンクイーンの掃討は、軍との共同作戦のため決行時期が公表されず、それまで帝都に滞在し続けることになる。帝都郊外の依頼をこなすパーティーもいるが、作戦決行まで待機料が支払われるので、私たちは帝都で待機することにした。早朝から午前中は憲兵訓練所で稽古をするが、午後は各自で自由行動にした。アレックスさんとパーティーさんは帝都周辺で食材集め新しい調理法を試している。アムールさん、スタン、ココは憲兵の手伝いをしており、クリスは聖女協会の治療院で働いている。ドンさんは下水道遺跡で量子核魔法の修練を行っており、私も夕方から加わっている。

 さらに、23日にグエンがヴィルバンドから帰ってきたので、ドンさんと3人で精霊魔法と量子核魔法の比較も行う。魔素の使い方など共通点があるので、グエンはすぐに量子核魔法を覚えた。

 それ以外の時間は練兵所で指導をしていただいたマックスさんとアナスタシアさんにも教えを請うなど自らを鍛えることにした。


「あまり根を詰めすぎても良くないよ」


 午後も1人で稽古をしている私を見て、クリスが心配をする。

 ただ、このままだとみんなの足手まといになるが気分転換も必要なのだろう。

 毎日オリゾン君の世話をして、気分を和ませる。




-4/27 憲兵訓練所-

 いつも通りの稽古が終わるころ、顔なじみになった憲兵の人から声をかけられる。


「リョーシカク魔法の光は便利だな」


 ドンさんが憲兵に教えたらしく、憲兵たちから量子核魔法の光が好評だ。

 暗闇で文字は読めないが、本や巻物があるか確認できるらしく、捜査に成果が出ているそうだ。


「あの光で見つけた文書で大きなヤマを見つけたんだ。

 明日の晩、捜査に手を貸して欲しい」


 今回の捜査は、大がかりになるらしく、アムールさん、スタン、ココだけで無く全員に協力を申し出てきた。

 いつも場所を借りているので、恩返しに手伝おう。




-深夜 帝都のある商家-

 憲兵隊のメンバーと一緒に、麻薬を帝都に持ち込んでいる商家に向かう。今日は奇数の日なので、蒼い月が照らしている。

 憲兵隊が正面から突撃をするため、私たちは裏口で待ち伏せをする。

 

 ドーン

 ガシャーン

 

 憲兵隊が、屋敷に突入した様だ。

 しばらくすると、屋敷から商人などの一般人だけで無く、武装した人間も含め十名ほどの人影が確認できる。


「クソッ」

「商品の入荷日に襲撃とは、誰が情報を売ったんだ」

「持てるだけ持ってとりあえず、ずらかるぞ」


 逃げ出す彼らの士気を下げるために、グエンさんが量子核魔法の光を使いあたりを照らす。


「ああ。包囲されている」

「もう駄目だ」


 殆どの者が、脱力して地面に座り込む。

 この様子だと、抵抗している3人を倒せば全員を捕まえることができそうだ。


「お前ら、捕まれば死刑か死ぬまで鉱山で強制労働だぞ。

 全員あれを使え!」


 リーダーらしき男が叫ぶと同時に、全員が錠剤の様な者を飲み込む。

 SFやファンタジー世界だと、薬物で激変するシーンはあるが、そんなことは無いだろう。


 GRRRRRRY


 彼らが身の毛のよだつ叫び声を上げ、ビクンビクンと身体が揺れる。

 白目を剥いたままの目と半開きのまま痙攣している口から、緑色のどろっとした液体が漏れている。

 この世界はファンタジー世界だよね。

 あ、ゾンビみたいなのが出ても問題ないか。


「なんだありゃ」

「気持ち悪い」

「人間を辞めたのか」


 元の世界で、『人間辞めますか』と言うフレーズを聴いた気がするが、まさに目の前の彼らは薬で人間を辞めたのだろう。彼らは同士討ち含め敵味方の区別無く襲ってくる。


「お、おい。

 は、話が違うじゃねーか」


 1人だけ飲み損ねた奴が何か言っている。今はそれよりも、騒ぎを聞いた近隣の住民が外に出てきて悲鳴を上げて、それに反応した個体をどうにかしないと大惨事になる。動く者か、声を出す者か、はたまたほかの何かか不明だが、放置はできないので始末する。

 彼らは、動きは鈍いが、人とは思えないほど怪力になり、アムールさんも力負けをしている。さらに痛みを感じないらしく、手を失っても、そのまま暴れている。

 動きが単調な相手なので、動きを読まなくても、大体予想ができる。狂犬病の様に、怪我をしたらうつるかもしれないので、攻撃を食らわない様に防御優先で隙を見て攻撃を加えていく。

 30分ほど戦っていたが、憲兵隊の増援もあり退治することができた。

 感染の可能性を考えて、クリスが増援に来た憲兵隊の皆さんを含めて全員を治療する。さらに、朝一番で聖女協会の聖女4の治療も受けることになった。


 得体の知れない薬は危険だから手を出さない様にしよう。

お読みいただきありがとうございます

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